フジゲン製ベースの評価の高さの理由や歴史、おすすめモデル紹介

長い歴史を持つ、老舗国産ベースメーカー、フジゲン

1960年に歩みをスタートさせ、今ではベース産業だけでは無く、ギターやウクレレは勿論、オーディオ機器やオルゴールなど、様々な事業を展開しています。

ベースメーカーとして、過去にはフェンダーとOEM提携を結び、フェンダージャパンのべースを製作していた時期もありました。

現在ではフジゲンが作っていたフェンダージャパンのベースはフジゲン期と呼ばれ、他の年代と比較して高い人気を誇っています。

そんなフジゲンの歴史、オリジナルブランドの特徴をご紹介します。

フジゲンとは

フジゲンは1960年に富士弦楽器製造株式会社として産声をあげました。

当時の日本では、まだベーシストの人口は少なかったのですが、1962年のベンチャーズの大ヒットを皮切りに、爆発的に人口が増加することとなります。

富士弦楽器製造株式会社は、日本におけるベースメーカーの先駆者として、業界のトップとしての地位を確立していました。

その後、1989年にフジゲンに社名を変更し、2001年には自社ブランド製品、フジゲンブランドのベースの販売をメインに行うフジゲンカスタムハウス1号店をオープン。

そして現在では、OEM事業に関しての評価は勿論、フジゲンブランドのベースの魅力が評価されるようになりました。

フジゲンのベースの特徴

1982年から1997年の間、フジゲンはフェンダージャパンのベースを製作していました。

その為、フェンダーのベースが何故世界中で愛されているか、逆に、フェンダーのベースの問題点はどこなのかを知り尽くしています。

フジゲンのベースは、大まかなスタイルはフェンダーを参考にしつつ、悪い部分を改善することで、フェンダーにはない魅力を持ったベースを製作しています。

そうした独自のデザインとして、特筆すべきポイントがサークルフレッティングシステム(C.F.S.)です。

サークルフレッティングシステムとは

フジゲンのベースには、サークルフレッティングシステムというテクノロジーが導入されています。

通常のベースは、ナット幅よりブリッジの長さが広くなっています。

つまり、ベースの弦は平行に並んでいるのではなく、孤のように広がっています。

しかし、フレットは弦が弧になっていることを考慮せず、指板の中心線に対して直角に、真っ直ぐに打ち込まれています。

その為、1・4弦と2・3弦で、抑えたフレットからブリッジサドルの距離に違いが出ています。

この状態だと、厳密にチューニングをしても音程が微妙にズレてしまいます。

この問題を解決しているのが、サークルフレッティングシステムです。

真っ直ぐなフレットではなく、弦の弧の形状を意識してカーブしたフレットを打ち込むことで、フレットからブリッジサドルの距離を均等にすることが出来ます。

その為、フジゲンのベースは他のメーカーベースと比べて、正確な音程を持つサウンドを出すことが出来ます。

おすすめのフジゲンベース

NJB10RAL


トラディショナルなジャズベースタイプ、プレシジョンベースを揃えたNeo Classic Seriesのジャズベースです。

各音域の出力のバランスが良いアルダーをボディに、粘りのある中低音が特徴のローズウッドを指板に採用しています。

ベースの木材の組み合わせとしては、60年代からずっと使われている定番の組み合わせです。

NJB10RALはトラディショナルなジャズベーススタイルを踏襲しているだけではなく、シリーズ・パラレル・セレクト・スイッチを導入したモダンな一面も覗かせるベースです。

通常のジャズベースは、2つのピックアップの配線はパラレル(並列回路)になっています。

NJB10RALはトーンノブを引き上げることで、ピックアップの配線がシリーズ(直列回路)に切り替わります。

シリーズ回路に切り替わることで、ハムバッカーピックアップの様なサウンド、つまりミドルやローの出力が上がったパワフルなサウンドが出る様になります。



Boundary Mighty Jazz

こちらは、コストパフォーマンスに優れたBoundary Seriesのベースです。

Boundary Migty Jazzは、ボディ材にはバスウッド、指板材にはグラナディロという木材を使用することで、コストを抑えることに成功しています。

材料の価格こそ抑えていますが、フジゲンの技術力は惜しみなく注ぎ込まれており、サークルフレッティングシステムは勿論、全体の作りも丁寧なので、ネックの強度も問題ありません。



JMJ-ASH-DE-M


フジゲン独自のスタイルで製作されている、J-Standard Seriesの1本です。

木材は、硬い低音と激しい高音が出やすいアッシュボディ、メイプル指板の組み合わせで、モダンスタイルのベースらしく、テクニカルなプレイも可能にする24フレット仕様となっています。

そして1番の特徴といえば、ピックアップにEMGを採用している点です。

クリアでレンジの広いEMGのサウンドは世界的に評価が非常に高く、特にヘヴィなアンサンブルのメタルやハードロック、美しいサウンドが要求されるフュージョン系のミュージシャンに人気があります。

フロントにはシングルピックアップのEMG J、リアにはミュージックマンタイプのハムバッカーピックアップ、EMG MM-TWが採用されています。

太く迫力あるサウンドがでるハムバッカーピックアップを、通常よりブリッジに近いところに配置することで、太くて更にエッジの効いた硬いサウンドが出せるようになっています。


JMP-ASH-M

こちらは、JMJ-ASH-DE-Mと同じ、J-Standard Seriesの中の1本です。

JMP-ASH-Mはアッシュボディ、メイプル指板の組み合わせですが、比較的柔らかいサウンドの、アルダーボディ、グラナディロ指板の組み合わせのJMP-AL-Gもあります。

このベースのピックアップは、フロントにはプレシジョンベースタイプのハムバッカー、リアにも同じタイプという珍しい組み合わせになっています。

搭載されているピックアップは、Seymour DancanのQuarter-Poundで、こちらはファットでパワーのある中低音が出力されるのが特徴です。

また、ナット幅はフェンダーのプレジションベースに採用されている42mmより細い39mmとなっており、少し握りやすくなっているのもポイントです。


まとめ

フジゲンのベースの品質の高さを裏付けているのは、その長い歴史です。

日本におけるベース文化の黎明期から楽器製作に携わり続け、現在でも第一線で活躍しているという事実こそが、フジゲンのベースは良質だという何よりの証拠ではないでしょうか。

フジゲンは高い技術力で高品質なベースを作っているのは勿論、それらを比較的低い価格で販売しています。

これは、自社ブランドの販売だけでは無く、OEMや楽器製作以外の事業も行っている強い企業だからこそ出来ることです。



大手楽器店での販売、修理業務やプロベーシストのローディー経験の後に海外向けの小売業に従事。その後ベースショップGeek IN Boxを立ち上げ、現在はGeek IN Boxの運営の他にベースマガジンなどでの執筆を多数担当。Twitter : @SAxGA

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