
今回は、フレットレスベースについてご紹介していきたいと思います。
・買ったはいいものの使いこなせていない
・練習方法が分からない
・正しいピッチの取り方が分からない
という方に向けて、オススメの練習方法や基本的な鳴らし方などについてご紹介していきますので、フレットレス初心者~中級者の方は参考にしてみて下さい。
〇そもそもフレットレスとは
フレットレスベースとは、通常音程を正確にとるために取り付けられた「フレット」を取り払ったものを指します。
フレットレスベースとして製造されているものもありますが、自分でフレットを抜いてしまうという方法も一部ではポピュラーです。
フレットがない事で通常のベースに比べて音程(ピッチ)を正確にとる事が難しく、運指の感覚も異なるため、人前で演奏できるようになるまで地道な練習が欠かせません。
最初は指版にラインの入っているモデルがいいでしょう。
元々持っているフレット付きのベースと同じスケール、同じグリップのものだと感覚が変わらないので、持ち替えた時に大きな違和を感じる事もないです。
フレットレスの特徴
フレットレスは低音部分と高音部分で押さえるべき位置が異なります。
こう書くと難しそうに感じられますが、フレットがない分、指版と弦の距離が開くので、順反りのネックになると高音側は常にチョーキングをしているような状態になる訳です。
なるべく弦高を低いセッティングに保つことでこの差を小さくすることができますが、弦を押さえるとそれだけ音程はシャープします。
その辺りを理解していると正確な音程を取るときの目安が掴みやすくなるでしょう。
ただ、決して「耳が良くなければ弾けない」なんてことはありませんので、根気よく練習していきましょう。
先ずはオススメの練習方法をいくつかご紹介したいと思います。
〇フレットレスの練習方法
フレットレスに関する練習方法は、先人たちによっていくつも公開されていますが、実際に私がやってみて「これは良い練習になった」と感じたものを厳選してお伝えしたいと思います。
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ピアノを弾きながら合わせる
家にピアノがある方には是非実践していただきたい練習がこちら。
ピアノは電子ピアノ、調律されたアップライト・グランドピアノ、室温が調整された状態でのアナログシンセなど正確なピッチで音を出す事が出来るものなら大丈夫です。
何故ピアノなのかと言いますとピアノにはダンパーペダルが備わっているものがあり、弾いた音を鳴らし続ける事が出来るからです。
「音源に合わせて練習すればいいのではないか」という考え方もありますが、基礎練習をする上でピアノは一番使い勝手がいいと考えます。
具体的な練習方法としては、ピアノでドレミファソラシ…と単音を弾いては伸ばして、伸ばしている音に対してベースを弾く、という流れになります。
単音の練習は非常に単調ですが、正しいピッチというのは個体によって位置が異なります。
正しくオクターブ調整されたフレットレスであっても微妙な反りによってライン上でぴったり合うことやラインの手前で合うことなどがあります。
個体の個性・癖を掴むという上でも非常に有効的な練習になりますので、取り組んでいきましょう。
単音ばかりではなく、ピアノ側でコードを鳴らしてベースではスケールをなぞる、という方法もスケール理解に効果的です。
他の楽器と合わせることで、フレットレスならでは響きというものも感じられます。
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チューナーを使った練習
フロアタイプのペダルチューナーをお持ちの方は少し実践的な練習がオススメです。
以前、家で練習してライブに臨んだのに「ピッチがヨレていたよ」と言われることがありました。
なぜそのようなことが起こってしまったのかというと、ライブのステージでは指版を確認できるほどの明るさが確保されていないことがほとんどです。
普段、明るい室内でしか練習をしていないと、こういった環境の変化で弾けなくなってしまうこともあります。
そこで実践していただきたいのは部屋を真っ暗にしてチューナーを通した状態で弾く、という練習法です。
一見してとても地味なものですが、実はとても効果的です。
この際にできればチューニング中にミュートされないチューナーがあると理想的です。
また、チューナーはなるべく精度や反応の高いものを用意しましょう。反応が悪いと弾いた音が正確なのかどうかに時間がかかってしまいます。
ミュートされてしまうと自分の出している音がどんな響き方をしているのかが分かりませんので、チューニング時にミュートしないものが好ましいでしょう。
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ビブラートのパターン練習
こちらは更にワンステップ上の練習方法です。フレットレスはフレット付きのものに比べて表現力が広がります。
フレーズに表情がつけられるようになるとフレットレスの面白さが感じられるので、是非身につけましょう。
よく陥りがちなのが、余計なビブラートをかけすぎて音程感が曖昧になっているプレイです。
ただ音を揺らすのではなく、的確なところで気持ちのいいビブラートをかけるということが重要になってきます。
やり過ぎには注意しましょう。
ここで紹介したい練習方法は、メトロノームに合わせたビブラート練習です。
曲のテンポによって適したビブラートの間隔、揺らし方があるので、テンポを決めて何パターンかビブラートのかけかたを習得しておくと便利です。
ビブラートをかけるときのコツとしては、指版に触れている指を円柱と考えて、「指版の上で転がす」と捉えるとかけやすくなります。
スライドではなくトリルに近い感覚で、手首を使ってワイングラスを回すような要領で転がしてやると自然なビブラートがかけられるようになります。
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和音
ベースという楽器で和音を奏でる機会は多くありませんが、練習をする上では耳を鍛えるのに最適です。
まずはオクターブの和音から練習していきましょう。
このときに音の響き方に注目してください。
例えば、チューニングをするときにAの音をチューニングしたとします。
ベースでいうとAの音は4弦の5フレット。5フレットの音が鳴っている時にチューニングされていない3弦開放の音を出すと「グワングワン…」と音揺れていることが分かると思います。
チューニングを合わせていくと、音の揺れの間隔がどんどんと狭まっていき、最終的には共鳴してキチンと合うはずです。
オクターブ和音の次は、5度の音、そして4度の音を試してみて、3和音でのコードでも正しいポジショニングができているかを確認するとフィンガリングも矯正することができます。
ここではその音の揺らぎを利用して練習に使っていきます。
オクターブを一緒に鳴らした際に揺らぎが生じる場合はどちらかのポジションがフラット(もしくはシャープ)しています。
音を伸ばしながらポジションをずらしていくとどこかでぴったり合うはずです。そこがそのベースでの正しいポジションとなるので、耳と目で覚えておくと音程が取りやすくなります。
この練習で得られることとしては、正確なポジショニングと相対的な音感です。
ある程度年齢を重ねてしまうと絶対音感を身につけることはほとんどできないと言われていますが、相対音感はある程度鍛えることができます。
フレットレスを扱う上で、かなり重要な部分になってきますので、習得しえ追いましょう。
まとめ
フレットレスは言ってしまえば指版全体がフレットとなっています。
半音だけでなく半々音などの一般的な音楽では使うことの少ない音階を鳴らすことができます。
それを指という点ではなく面で捉えるものを使いますので、どのくらいの力で抑えるか、指は寝かせるのか、といった部分で大きく音程が変化していきます。
自分の指の特徴を考えた上で、ベースに対してどのポジションが一番正確な音程をとることができるのかを身につけましょう。
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