こんにちは、嵯峨駿介です。
今回はセットアップメソッド 3です。
前回までの関連記事
1、チューニングをする
2、ネックの反り具合を調整する
(チューニングをする)
3、弦高を調整する
(チューニングをする)
4、オクターブピッチを調整する
(チューニングをする)
5、ピックアップの高さを調整する
のうちの3までが終わりました。
いよいよ終盤。
次は
4、オクターブピッチを調整する
です。
この調整は基本的には12フレットでの実音を本来の音程にぴったりに合わせる、という作業です。
が、ここの原理をわかっていない人も意外と多いです。
作業自体は以下のようにブリッジの駒を動かすだけです。
音程を高くする時はコマをネック側に近づける
音程を低くする時はコマをブリッジ側に近づける
でも、なんとなく理解しづらいと思います、これ。
そんな時はこれ、想像してください。
琴です。
駒を動かしてチューニングをする楽器ですが、この原理と全く同じ事をブリッジ上で行います。
ちなみにこの調整を行う際は、弦を緩めてからコマを動かしてください。
弦で抑えているとスムーズな駒の調整ができず、弦が緩まった時に駒が動いてしまいます。
さて、何を基準にしてこの調整をするかというと、12フレット上での音程を、という話をしました。
ですが、ここでは、12フレットの音程だけではなく、3フレットや7フレット、他の音程のイントネーションも調整できます。
特にベーシストはハイポジションよりもローポジションで弾いていることが長いですから、そこのイントネーションの調整に気を配ったオクターブ調整をすると、とても良くなると思います。
僕が初めてこの話を聞いた時、目から鱗でした。
あまり本に書いてない事ですからね。
さて、これで4、オクターブピッチを調整する、が終わりました。
次が最後、
5、ピックアップの高さを調整する
です。
これは以前書きました。
そういえば、具体的な数字を書くのを忘れてました。
とりあえず、僕の場合は最終フレットを押さえて一番クリアランスが近づく部分で、ピックアップの上端と弦の下端が2.0mmくらいにしてみます。
そこから音質とそれぞれのバランスを取っていく事になります。
JBを例に出すと、
最終フレットをおさえた場合で
リアピックアップ1弦下端とポールピース上端のクリアランスを2.0mm
リアピックアップ4弦下端とポールピース上端のクリアランスを2.5mm
フロントピックアップ1弦下端とポールピース上端のクリアランスを2.5mm
フロントピックアップ4弦下端とポールピース上端のクリアランスを3.0mm
にとりあえずなんとなくしてみます。
ここで精密な調整は必要ありません。
振幅が小さくなるほど、ピックアップを近づけるので、フロントよりリア、4弦より1弦の方がクリアランスは小さくなります。
この辺の数字を基準にしながら、少しずつ微調整を繰り返します。
例えば、4弦ががっしり鳴る楽器は4弦を低めに、スラップ好きなプレイヤーの楽器ならフロントを気持ち高めに。とか。
ちなみに、バルトリーニや木製のPUカバーのついてものやEMGなどのポールピースが露出していないものはその分を考慮します。
ギターの場合も同じく近くても2.0mmくらいから始めます。
ですが、ギターの場合はやたらとマグネットが強いものなど、ベースに比べて様々なバリエーションがあるので、スタンダードなピックアップではない場合はいくつかのパターンを試して見る必要がありますね。
さて、実際に調整をしていたら気づくとは思いますが、このピックアップの高さの調整でサウンドは激変します。
(まぁどこいじってもサウンドは変わるんですけど。)
以前書いた通り、基本的には近ければ近いほどS/N比はよくなります。
サウンドも変わります。
傾向としてはクリアランスが小さいと、
ダイナミクスのあるサウンド
高域に艶が出る
大きいクリアランスを取ると、
のぺっとした立体感のない音になる
高域がまろやかになる
などなど。
一長一短です。
パワーの強いピックアップの場合はやっぱり少し下げめにすると奥行きのあるサウンドになりますし、どこか一つをとって明確なメソッドがある調整ではありません。
地味ですが、奥の深い調整なのでじっくりとトライしてみましょう。
それではまた。
(反応がいいのでまた違うセットアップのシリーズも書こうかな・・・)
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