こんばんは、嵯峨駿介です。
バリ島から失礼します。
ベーシストにはおなじみのダイレクトボックス、通称D.I.
ライブハウスのアンプの上においてある、黒い箱です。
これってなんのためにあるんでしょう??
楽器屋でみたらいい値段するし、ベースマガジンでもAVALONがいいだのカントリーマンが定番だのなんだのと。
しかしよくわからない。
謎ボックスです。
アンプから出た音をマイクで拾い、ミキシングコンソールへ伝える方法では、ベースにとって重要な低域の量感を損なう事が多く、通常のシールドケーブルではサウンドが劣化し、ノイズも増えてしまいます。
ざっくり言うとこれを解消するのがダイレクトボックスです。
ダイレクトボックスは電子楽器を直接ミキシングコンソールへ繋ぐ中継機器で、信号の劣化を防ぎ、クリアなままピュアな信号を伝えます。
ダイレクトボックスにはインピーダンスを変換する回路が組み込まれており、、入力インピーダンスは高く、出力インピーダンスは低くなっています。
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インピーダンスについては何度か書きましたね。ちょっとだけ。
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ダイレクトボックスは通常、入力はホットとアースのアンバランス型、出力は正相出力(ホット)、逆相出力(コールド)、グラウンド(アース)の3つの信号からなるバランス型です。
アンバランスの信号からバランスの信号に変換することで信号劣化を最小限に抑え、ノイズを少なくし、長距離の信号伝送を可能にします。
この原理について少しだけ説明してみようと思います。
D.I.によって変換されたバランス信号は、受け取られるミキシングコンソール側でコールドの信号を位相反転し、正位相に戻し、それをもう1つのホットの信号に加えることで2倍の信号になります。
なんで2倍になるかって、ゴテンクスみたいなもんです。
位相が逆の信号をあわせると、音がぺらっぺらになります。なんでぺらっぺらになるかって、ゴテンクスみたいなもんです。
(ちなみにその状態をフェイズアウトと呼びます。)
そして、ノイズについては、ホットとコールドのラインで同じ位相なので、ミキシングコンソール側で2つの信号の片方の位相を反転した後では、逆位相になります。
それを合体(フュージョン)するので、ぺらっぺらになるわけですね。
まとめると、
出したい音はゴテンクス(成功)
ノイズだけはゴテンクス(失敗)
と、非常に都合の良いシステムに仕上がっています。
インピーダンスの変換とゴテンクスシステムがD.I.の秘密です。
インピーダンスを下げる素子には何を選ぶのか、アクティブにするのか、パッシブにするのか、EQは必要なのか、D.I.を構成する要素ってすごく多いんですよね。
ライブハウスによってはおもちゃのようなD.I.を置いている場合も多いので、自分に合った高品質なD.I.を探すのもいいのではないでしょうか?
それではまた。(海いってきます)
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