EDENはハイエンドベースアンプブランドとして知られており、近年WTDIというベース用プリアンプをリリースしました。
TECH21のSANSAMP BASS DRIVER DIやMXRのM80 Bass D.I.+のような定番プリアンプとはかなり方向性が異なるプロダクトに仕上がっているWTDI。音色の傾向や使用感の違い、EDEN独特のコントロールについてレビューします!
目次
- 歪まずクリーンで煌びやかなサウンド
- 5弦ベースやダウンチューニングに対応するBASS ・BASS BOOST
- 2種類の帯域が選べるMID
- 自然な音にまとめるコンプレッサー
- EDENのアイデンティティ、エンハンス・コントロール
- 唯一の懸念点、専用の15V電源
- スペック
- まとめ
歪まずクリーンで煌びやかなサウンド
SANSAMP BASS DRIVER DI等の定番プリアンプとの最大の違いは歪まないことです。WTDIはゲインを上げても歪むことはなく、あくまでクリーンな音を基本としたプリアンプです。
サウンドの傾向としては通すだけで音圧が一段階上がりながらもクリアさは増して、1音1音がハッキリと聞こえるようになります。まるでパッシブのベースがアクティブに変わったような印象を受けます。
5弦ベースやダウンチューニングに対応するEQ
EQのBASSのポイントは30hzと一般的なイコライザーよりも低めに設定されています。そのため5弦ベース、アクティブベースの広いレンジのサウンドを満遍なくコントロールが可能です。BASS・BOOSTスイッチをONにすると低音がかなり力強くプッシュされ、シンプルに音圧が上がります。
帯域の幅やブースト量の塩梅が素晴らしく、ブーストしてもサウンドが破綻しない扱いやすさがあります。
2種類の帯域が選べるMID
EQのMIDは550hz/2.2khzと2種類の帯域が用意され、MID SHIFTスイッチによりそれらを簡単に切り替えることができます。
550hzはベースの抜け、コシをコントロールするイメージ。カットすればローエンドが明確になり、ブーストすると音が前に出てきて、スライド・グリスに粘りがつきます。2.2khzはハイミッド寄りでピッキングのニュアンスをコントロール出来ます。カチカチした成分が気になるならカット、スラップ等でレスポンスの良い発音にするならブースト、なんていう使い方も簡単に出来ますね。
ベースの音作りを突き詰める上でミドルのコントロールは非常に重要です。この点、WTDIは良くデザインされているため現場での使い勝手が良くユーザビリティを意識していることがわかります。
自然な音にまとめるコンプレッサー
プリアンプ/DI系の機材には珍しくコンプレッサーが付いています。リリースがナチュラルに設定されているために粒やアタックが潰れ過ぎないナチュラルなタイプ。音の粒立ちが明確になり、音がまとまります。
EDENのアイデンティティ、エンハンス・コントロール
EDENのアンプには必ず搭載されているエンハンス・コントロール。低域・高域を強調するエンハンサーとは違い、不要な帯域をピークにしてカットするように動作します。(図参照)
このポイントは0の状態で低域、上げるに従って高域へ向かっていきます。EQと併用してドンシャリサウンドから温かみのあるウォームなサウンドまで多彩なサウンドメイクに有用です。
唯一の懸念点、専用の15V電源
通常のエフェクターは9Vが主流ですが、WTDIは15Vの専用アダプターで電源供給が必要となります。本体のサイズはコンパクトなのですが、電源周りをスマートに出来ないのが唯一の懸念点と言えます。
ただし、15Vの電源を使う事でヘッドルームが確保されEDENらしいクリアなサウンドが実現されているのも事実なので一概にデメリットとは呼べないでしょう。
スペック
コントロール:BASS, MID, TREBLE、GAIN、ENHANCE、MASTER
スイッチ:BASS BOOST, MID SHIFT, GROUND LIFT
端子:インプット、バランスアウト(XLR)、アンバランスアウト(フォン)
周波数特性:10Hz~15KHz +/-2dB
電源:15V専用アダプター付属
寸法、重量:121W×51H×89Dmm、560g
参考価格:¥11,200(税抜)
まとめ
以上となりますが、いかがでしょうか?
EDENのハイファイで、クリアなキャラクターを手軽に取り入れられる優秀なプリアンプです。またバランスアウト(XLR)を搭載しているためレコーディングやライブでのライン出力にも対応。活用の場も広いでしょう。
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