新進気鋭の新ブランドSir Toneケーブルの秘密【PR】

こんにちは、Geek IN Boxの嵯峨(@SAxGA)です! 先日GIBの企画として”シールドによる音の違いについて、みんなで決着を着ける会”というオタク会議を開催しました。その会の目的は「いくつかのシールドをみんなで評価して平均値を取り、特性について理解を深める」というもの。正真正銘のオタク向け。

その会に参加したアマチュアミュージシャン、プロミュージシャン、楽器店スタッフ、メーカースタッフといった広い分野から集めた数字を元に結果をまとめるわけですが、総合的な評価で抜きんでた結果の出たブランドがありました。それがKHD社のオーディオブランドSir Toneのケーブル。聞きなれない名前ではありますが、それも当然。彼らがオーディオケーブルの分野に進出したのは2017年のことです。今回はそんな新進気鋭のブランド、Sir Toneの楽器用シールドケーブルについて解説します。

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Sir Tone TYPE-1
Sir Tone TYPE-2

Sir Toneを手掛けるKHDって何者?

株式会社KHDは昭和25年創業のケーブルメーカーです。戦後の高度成長期に著しく成長した東芝、パナソニックといったメーカーの家電製品内部の配線や、テレビ受信用同軸ケーブル、太陽光発電用ケーブルなどを手掛け、常に国内トップシェアを獲得してきました。NHKをはじめとしてテレビ局や一流メーカーとの取引が示す通り、その信頼性は国内随一。ケーブルのプロなわけですね。

なぜ楽器用ケーブルを手掛けるのか

家電メーカーやテレビ局と仕事をしていて十分に仕事には困らなそうなのに、なぜ楽器用ケーブルの開発を始めたのか、とっても気になったので率直に担当の方に尋ねてみました。返答としては、

「自動車や家電をはじめとして、製品開発において軽量・省スペースは全ての材料に求められる共通の課題です。ケーブルにおいてはこの課題に取り組んでいくなかで、究極的にそれはいかに導電率を上げるかという点にいきつきます。導電率の高いケーブルは送電目的のみならず、音響用ケーブルとしても良い結果につながるのでは、という考えから音響用ケーブルの開発がスタートしました。」

とのこと。つまり元からオーディオ的な考えで作ったケーブルではないということですね。この点が僕が大きく興味を惹かれる部分で、”電線”のプロが作ったオーディオケーブルってどんな音がするのだろうと、”ハイエンドシールドケーブル”に食傷気味だった僕は製品について説明を受けた時点で興味津々。半ば取り扱いを決めていました。

話を聞いているとOEM製造も手掛けていて、みなさんご存じのブランドの製品のケーブルも作っているとのことでした。考えてみるとケーブルまで自社で製造しているケーブルメーカーは多くないんですよね。この点もSir Toneは大きなメリットを持っていて、クオリティには期待せざるをえません。

ケーブルの設計理念、構造について

シールドケーブルにおいて、導体と同じかそれ以上に重要なのが絶縁体だと言われているのはご存知でしょうか。絶縁体によって静電容量は大きな影響を与えられ、最終的なサウンドも変化します。Sir Toneでは高発泡ポリエチレンと高純度ポリエチレンを絶縁体として採用し、モデルによって使い分けています。絶縁体の種類によって音がこう違う、構造はこうするとこうなる、といった説明ってなかなかないのでこれについて教えてもらった時には目から鱗の気分。ちなみに高発泡ポリエチレンを使ったほうが静電容量は低く、高純度だと高くなる傾向にあるそうです。

オリジナルの製法で製作される導体、D-on Cu5は家電や自動車などあらゆる分野で重宝されるほどに非常に高い導電率(110%)を実現しています。シールディングについては横巻きタイプの網線と導電性ビニルを併用し、ダブルでシールディング。極限までノイズを排除しながらも、ギター用のシールドケーブルであることを前提としているために硬くなりすぎないようにバランス良くデザインされています。

オーディオに限らず、”電線”の特性としては導電率や静電容量、インピーダンス、ノイズに対するシールド性などがありますが、その中で最も重要なのは導電率とシールド性で一般的(電線業界的に)導電率を上げるために素材の開発に注力するのが普通なのだそうです。しかしギター用シールドケーブルであることを前提に製作されるSir Toneの設計アプローチは少々異なるとのこと。「何が違うんですか」と聞いてみましたが、企業秘密ということ教えてくれませんでした(笑)。

信号を伝える導体シールディング絶縁体、そしてバランス、これら全てにこだわりを持って製作されていることがわかりました。

でも大事なのって音だから、実機のレビューを比較サウンドサンプル付きで行います。

実機をレビュー

Type-1とType-2の違いは絶縁体のみ。Type-1は高発泡ポリエチレン、Type-2は高純度ポリエチレンが使われており、この違いだけでサウンドには大きな違いが出ているようです。プラグに関してはType-1もType-2もスイッチクラフトですね。

Type-1

絶縁体には静電容量の小さい(80pF)高発泡ポリエチレンを使って製作されたType-1はハイレンジでフラットな音質特性とのこと。実際に弾いてみると確かにすごいハイレンジ感!というよりもむしろ、フルレンジで全部ブーストしているかのようなニュアンス!圧倒的全能感!

オーバードライブをかけた時やFETを使ったブースターをかけた時、真空管アンプを大きな音量で鳴らした時のようなプッシュ感があります。音量も明確に大きく感じるほど。レンジの広いハイエンドベースや、TCT系のプリアンプを搭載したジャズベース、オールディなプレシジョンベースなんかにも合いそう。というより何に合わせても真価を発揮しそうな万能ケーブル、といった方がいいかもしれません。

Type-2

Type-1とは違い、絶縁体に静電容量の大きい(115pF)高純度ポリエチレンを使って製作されたType-2は中音域が強い音質特性とのことです。実際に弾いてみると、こちらはなぜかType-1と比べて少しドンシャリ気味に感じます。もしかしたら800hz近辺が強くて逆に300-500hzのあたりが引っ込んで聴こえるとか、そういうことかもしれません。より低域を明瞭にするとも言えますね。

個人的には、ミドルレンジが出過ぎて使いづらいSGベースや、スラッププレイにベストなんじゃないかなと思います。Type-1よりも組み合わせを選びそうですが、マッチした時にはこれ以上ないほどのクオリティを引き出してくれそうです

サウンドサンプル

”シールドによる音の違いについて、みんなで決着を着ける会”でのアンケート結果から見たSir Tone

この会における比較対象はCANAREやBelden8412といった定番モデルはもちろん、Belden8428、Evidence audio、Klotz5000、Ex-pro FAといった少しマニアックなケーブルやハイエンドケーブルを混ぜこぜにした12種類。いずれもプロフェッショナルの現場で使用されているものです。

結果からういうと、総合値でType-1が1位、Type-2が4位と上々の結果。低域、中域、高域と別々に点数を付けたのでそれらを比較した図が以下。

総合 低域 中域 高域
type-1 115.5 38 38.5 39
type-2 107 37 33 37
平均 96.75 33.15 32.5 31.1

いずれの値も平均値を大きく上回っています。総合値の差はSir Toneの持つ音圧感、音量感を示すと考えても間違いではないでしょう。

Type-1と比べてType-2はやはり少しドンシャリ気味に聴こえているようですね。この点は嵯峨レビューとも共通しているので実際にベースで使うとそのようにサウンドすると言えます。

まとめ

いくつかの観点からSir Toneを検証してみました。簡単にまとめると、Type-1は音量感があってフルレンジType-2は低域がフォーカスされスッキリしたサウンド、といったところでしょうか。文字だけでは語りつくせないところもあるので、ぜひ実際に試してみてもらえればなぁと思います。もちろんGIBの店頭にもテスト用のケーブルはあります。

ちなみに、5弦やアクティブサーキットを搭載したモダンなスタイルのジャズベースを使うことの多い嵯峨的にはType-1の方が好みでした。ただし、どちらのケーブルを選んだとしても、それはベストな選択の1つであると間違いなく言える製品ではあります。

みなさんの好みはどちらでしょう?

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Sir Tone TYPE-2

 

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