リハーサルスタジオに行った際、苦手なベースアンプってありませんか?
どのベースアンプでも自分の音作りが出来るのが理想ですが、自分の音作りを固めたい、あるいは音の個性に拘りたいという場合にはマイアンプを持つことをオススメします。
今回は自分のベースアンプを使用するメリットや、マイアンプを買うならぜひ候補に入れたいベースアンプを紹介します。
マイアンプを購入するメリット
ライブハウスに行くと、たまに自分のヘッドアンプもしくはキャビネット含めたセットを持ちこんでいるベーシストを見かけることがあると思います。
決して軽い機材ではありませんが、持ち運びの苦労をしてまでなぜ自分のアンプを持ち込むのでしょう?
それには大きく分けて2つの理由があります。
常に安定した環境の中でベースプレイができるようになるため
現場のたびにベースアンプが変わってしまうと音作りはやり直さなければならず、また不慣れなアンプや一部機能の不安定なアンプを使用しなければならないこともあります。
その点において、自分のヘッドアンプを持ち運べばその点においては不慣れさや不安はなくなります。
キャビネットや部屋によってサウンドが異なるのは無論ですが、それに合わせてサウンドを微調整する程度でしたら自分のアンプであれば容易ではないでしょうか。
使いづらい機材を使わずに済む
ライブハウスやスタジオによっては使いづらさを感じる機材を使わざるを得ないことも有ります。
例えば、つまみの数が必要以上に多かったり、メーカー独自のコントロールがついていたり、サウンドが独特過ぎるものだったり。
このようなストレスは少なからずベースプレイに影響してしまうので、もしも常にベストに近い状態で演奏をしたければベースアンプの購入は非常に有効な手段だと言えます。
おすすめのベース用ヘッドアンプ
今回は5点のおすすめのヘッドアンプを紹介しますが、「持ち運びの楽さ」「価格の安さ」「質の高さ」という3点について特に重要視しました。
これらの点はスタッフ(ローディー)のつかないミュージシャンや電車移動がメインのミュージシャンには必須の条件だと思います。
AGUILAR / TONE HAMMER 350
アンプ類だけでなく、エフェクトペダル、アクティブサーキットなど、ハイクオリティなベースギアを有するAGUILAR。
TONE HAMMER 350は自然で豊かな低音とパワフルなミドルが特徴的なベースアンプです。
3バンドEQ仕様ですが、MID FREQによりミドルのQポイントを任意の帯域(180Hz~1 kHz)にシームレスに当てることができ、ベース本体やライブ会場に合わせたサウンドを作り込めます。
またインプットゲイン、ドライブを上げることで作られる滑らかなドライブサウンドは決して攻撃的でなく、ナチュラルなオーバードライブとして、アンサンブルに馴染ませることを目的としています。
中高音に特徴があるモダンなアクティブのジャズベース等と合わせると、バランスの良い音作りが出来ると思います。
出力は最大350Wと一般的なライブハウスやリハーサルスタジオで使うには十分で、サイズや重量も21*19*7cm, 1.4kgと超小型。
下記の記事にて詳しく取り上げていますので、ぜひご覧ください。
Darkglass Electronics / MICROTUBES 900
DARKGLASSと言えば歪み系のペダルやプリアンプが得意なイメージがありますが、その特徴は近年展開するヘッドアンプにも受け継がれています。
ベーシックなサウンドを作るクリーンセクションでは、しっかりとしたハリのあるクリーンサウンドで指弾きのタッチがよく分かります。
ほんのりハイファイな印象で、抜けの良さ、クリアな質感を大切にしているように感じます。
ロー、トレブルに加え、ロー・ミッドは250Hz/500Hz/1kHz、ハイ・ミッドは750Hz/1.5kHz/3kHzとそれぞれ3段階でQポイントを設定可能。
アンサンブルで必要とされる周波数帯域が満遍なく設定されているので、4バンドEQとシンプルでありながら音作りの幅広さが特徴です。
歪みセクションであるMicrotubes Engineはドライブ、トーン、ブレンド、レベルの4つのコントロールで構成されています。
従来のベースアンプではインプットゲインを高めにすることで歪みを得るタイプが多い中、このMicrotubes Engineはドライブ用に独立したドライブゲインを搭載しています。
クリーンとドライブでゲインが分かれているため、それぞれが干渉せずよりフレキシブルで自由な音作りが可能です。もちろんドライブサウンドとクリーンサウンドはフットスイッチで自在に切り替え可能なライブ仕様です。
トーンによりドライブサウンドの明るさを調整、さらにブレンドでクリーンサウンドとのバランスを調整し、レベルで歪みセクションで作った音の音量を整えます。
またVMTとB3Kというキャラクターの違った2種類のドライブサウンドが楽しめ、VMTはミドル寄りのアナログなドライブサウンド、B3Kはディストーションに近いバリバリとしたサウンドが出せます。
サイズは26.7*23*6.4cm、重量は2.9kgと非常に軽量でありながら出力は最大900W!
ベースでドライブサウンドを積極的に使いたいベーシストにぜひオススメしたいアンプです。
MARKBASS / LITTLE MARCUS 500
ベーシストでプロデューサーのマーカス・ミラー氏が監修したシグネチャーベースアンプ。
LITTLE MARKシリーズでは4バンドだったEQが5バンドになり、よりフレキシブルな音作りが可能になりました。
サウンドはフラットな質感、癖のないストレートなキャラクターで、ベース本体のサウンドをダイレクトに感じることが出来ます。
またLITTLE MARCUSのユニークな機能であるOld Schoolはハイエンドがカットされ、ローファイなサウンドを作り出すことができます。アップライトベースを演奏しているかのようなディープな低音で、ジャズなどのウォーキングベースを弾く時に重宝します。
そしてマーカス・ミラー風の音作りができるMillerizerはミドルをカットし、低音と高音が持ち上がったドンシャリサウンドに。特に高音域の煌びやかなキャラクターがマーカス・ミラー氏のサウンドを彷彿とさせ、スラップでは切れ味あるサウンドに仕上げることができます。
キャラクター付加の少ないベースアンプとして使える上、Old School、MillerizerによってMARKBASS特有の音作りもでき、使い勝手のよさと個性の両方を兼ね揃えています。
サイズは27.6*25*8.3cm、重量は2.4kg、W数は最大500Wと持ち運びのしやすさ、扱いやすさに優れています。
5弦ベースを使用するベーシスト、またはスラップを積極的に演奏スタイルに取り入れているプレーヤーにオススメしたいベースアンプです。
ORANGE AMPS / TERROR BASS
通称オレンジの奇才、テクニカルディレクターのアドリアン・エムズリー氏による再設計で復刻したTERROR BASS。
オレンジ特有の元気なサウンドの秘密は、プリアンプに搭載された真空管(ECC833,12AX7)による恩恵が大きく、EQがフラットの状態でも中音域をパンチの強さを感じます。
インプットゲインを高めにすることで得られるナチュラルなオーバードライブはエフェクトペダルで作るドライブサウンドと質感が全く異なり、非常にウォーム。
コントロールはインプットゲイン、3バンドEQ、マスターボリュームとシンプル。余計なものを通さず、迫力あるベースの低音が体感でき、ロックベースと言えばORANGE AMPSが連想されるのがよく分かります。
またクリーンスイッチはヘッドルームを拡張し、歪み成分を抑え、高音域がしっかり聴こえるようになります。スラップなどで速いパッセージのフレーズをはっきり聴かせたい場合に有効です。
今回ご紹介している5機種の中で最もアナログさを感じるモデルで、いなたいサウンドを得意とするプレシジョンベースと特に相性の良さを感じます。
サイズは30.7*19*16cm、重量は4.65kg、出力は最大500Wです。
TC ELECTRONIC / RH-450
近年流行する軽量なDクラスアンプの中でも最も人気のあるモデルの1つがこちらのTC ELECTRONIC RH-450。
周波数帯域の可変自在の4バンドEQ、モダンなドライブサウンドが作れるTubeTone、演奏のニュアンスを崩さないナチュラルなコンプレッションが得られるSpectraCompなど、音作りをする機能が豊富に揃っています。
それらの充実した機能で音作りした音色を3パターン保存することができる上、別売りのリモート・フットスイッチ(Remote RC4)で瞬時に音色を呼び出し、切り替えすることができます。
さらにアンプ本体にクロマチックチューナーを搭載し、チューニングを確認したい時にアンプで完結できるところもいいポイントです。
ヘッドホンアウト、AUX INが備わっているため、MP3プレーヤーを繋いで自宅での練習にも使えます。
なお自動感知型パワーサプライにより、90Vから240Vの範囲でヒューズ交換なしに電源を自動的に切り替え出来るため、ワールドツアーを行うのにもってこいです。
機能が多彩な上、音色切り替えができるため、ライブでベースを何本か持ち替えるプレーヤーにオススメしたいベースアンプです。
サイズは27.5*29*66cm、重量は4kg、出力は最大450Wです。
下記の記事にて詳しく取り上げていますので、ぜひご覧ください。
まとめ
5機種とも共通しているのは持ち運びができる小型サイズであること。エフェクターなど入れるハードケース等に収納して、どんな現場でもこだわりのアンプによるサウンドを持ち運ぶことができます。
またドライブサウンドが作り出せる点も近年のベースアンプのトレンドとなっており、アンプによる分厚いサウンドのまま歪ませたいという強いニーズを感じます。
いろんな音楽ジャンルが入り混じり、ベースにも個性が強く求められる時代ですので、上記を参考にベースアンプ選びに役立てば幸いです。
また、Geek IN Boxで在庫しているベースアンプの比較紹介や音源の聴き比べが以下の記事やYoutubeで出来るので、よろしければご覧ください。
【音源あり】ライン録り、マイク録りでベースアンプ3台を比較してみた【AMPEG, SWR, Gallien Krueger】
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