JIENIE BASSES

2023年にGIBは新たにハンドメイドベースブランドJIENIE BASSESを立ち上げます。

全てのオーダーは詳細なヒアリングの上で仕様を定め、全ての工程を手作業で行います。
ハンドメイドだからこそ、演奏者にとって最適な楽器を統一した価格で提供。

価格は55万円(税抜)です。

開発背景

今までに主にスタジオワーク系のミュージシャンたちとの関係を深く持ち、販売・修理などの業務を行ってきました。また、私(嵯峨)自身、世界各国のベースビルダーとプロジェクトを共有し、多くの作品を見てきました。

ミュージシャンとベースビルダー、その両方と深く対話をする中で、既存のベースには多くの課題があり、そして彼らはそれらの課題を解決するための多くの努力をしていることに気づきました。

そうした課題を解決する一つの選択肢として提案するために開発したのが、JIENIE BASSESです。

個人的に昔から5弦JBのスタイルとは向き合い続けており、最初にそれを発展させたものを作ったのが2010年頃の話です。
この画像の左のものはその時に作った、いわば0本目のプロトタイプといったところでしょうか。

そのスタイルを元にして、様々な点をブラッシュアップ。
よりスマートなルックス、より優れたバランス、より上質なサウンドを持った製品に仕上がりました。

JIENIE BASSESのコンセプト

基本的なコンセプトはJBのサウンドを基本とすること、5弦モデルを製造すること、プロの現場にそのまま持っていけること、余計なパーツを省くこと、としました。

多くのミュージシャンはFenderに多大なリスペクトを持ち、愛用しています。
昨今5弦ベースの需要が増える中で特にJBについては他ブランドのベースを求める方が増えました。なぜならこの新しい楽器にはまだ知見が足りておらず、また1950年代に生まれた4弦ベースであることを前提としたそれにはいくつかの課題と不満があったからです。

そうした課題や不満を解決するために、JIENIE BASSESは現代のミュージシャンたちが満足できる5弦JBサウンドが得られ、より発展的で、より拡張性のある楽器を提供することを目指しています。

JIENIE BASSESの特徴

JBライクなフィーリング

ベーシックなデザインとしてはJBを演奏することに慣れている方にとって、親しみのあるものとしました。

ボディシェイプ、特にくびれの位置はJBから大きく離れないようにデザインしています。
同時に、エルボー及びウェストコンターの大きさや深さを再考。よりボディが体にフィットしながら、演奏に最適な位置にネックが来るようにデザインしました。

ピックアップの位置はJBと同様です。

これらのデザインによって、JBが持つ美しいボディバランス、そしてクリアでパワフルなサウンドを得られます。

最適化されたPU&プリアンプ

PUのコイルに巻くワイヤーを長くしすぎるとトレブリーなニュアンスが失われてしまいます。この問題は4弦ベースと5弦ベースのサウンドの違いに大きく影響を与えています。

その点を解決しながら最適なサウンドを得るために、PUはDelanoに製造を依頼しました。
ブリッジ部弦間ピッチの違いに対応しながら、コイルの巻き数を増やさずにカスタムワウンド。

プリアンプは自社で開発し、ベースとトレブルをブーストする仕様としました。
両方をブーストしていくと、ちょうど500Hz近辺に凹みが現れるようなデザインです。

この帯域はBartolini XTCTのミドルカットの帯域と同様です。
また、Things社のベース用プリアンプBeyond Bass Wiredの開発時にもこの帯域をカットすることを前提としてアドバイスしました。

これらの製品はJBとの相性が非常によく、実際に多くのアーティストがJBと合わせて使っています。

また、トレブルのブースト量は少し歪んでもいいくらい、また幅も大きくしました。
つまり利き方が普通よりも派手なのですが、こうしたのはパッシブのトーン回路と併用する前提だからです。

演奏方法によって、スタジオによって、アンサンブルによって、欲しいトレブルのピークは違います。
その部分を感覚的に探せるよう、トレブルを大きくブーストして、そしてパッシブトーン回路で欲しいピークを探していくような使い方を想定し、デザインしました。

この手法はAlleva Coppolo、Sadowskyなどが取り入れており、一定の定評があります。
実際のところ、トレブリーなプリアンプとパッシブのトーン回路を組み合わせる手法には手応えがあり、多くのミュージシャンのベースに施工してきました。

ミニマルな装飾

デザインによって可能な部分はパーツの点数を減らし、余計なものを削ぎ落としました。
例えば、フェンダーはヘッドは段付きですが、JIENIEは角度付きのデザインです。

これによってテンションバーやテンションピンを省きました。

また、ネックジョイントの深さや角度のデザインによって、ピックガードを省きました。(つけることも可能です)
ただし弦とボディの距離は弦とピックガードの距離と同様になるようにしています。

このようにパーツや要素を減らし、ミニマルでピュアな製品を目指しました。

高いカスタマイズ性

JIENIEの製品において最も大事にしたことの一つは、カスタマイズ性です。
モチーフとしているのはJBですが、JBと一言に言ってもその実様々で、決して画一的なものではありません。

サウンド、ルックス、演奏性、これらは人によって欲するものが異なり、画一的な製品ではそのニーズをフルに満たすことができません。

そのために、JIENIEにおいては基本的なコンセプトを外さない範囲で多くの点がカスタマイズ可能です。
例えば、下記はカスタマイズ可能な点の一部です。

  • ヘッドのサイズ
  • スケール
  • ネックのシェイプ
  • フレット数
  • ボディ材
  • 指板材
  • ピックガードの有無
  • カラーリング……

ヒアリング

オーダー時には必ずヒアリングを行います。
これを行う理由は、表面的なニーズと潜在的なニーズには違いが大きいことがあるため、またイメージと実際の事象に違いがあることが大きいためです。

例えばスケール、ヘッドサイズ、ネックシェイプなどはあらゆる面に相互に影響します。
単純にローBを鳴らすためにスケールを伸ばす、弾きやすくするためにネックを細くする、といったことをすると、サウンド面において本来自分が欲していたものとは全く異なるものになってしまうかもしれません。

そのような点において、楽器の販売や修理に携わり、ミュージシャンたちやベースビルダーたちと対話を繰り返してきた我々は多くの知見・経験を持ちます。

オーダー主が持っているニーズを聞き出し、最大公約数を見つけ出すことをお約束します。

標準的な仕様

  • neck : 3P maple
  • body : alder or ash
  • fingerboard : Indian rosewood or maple
  • pickups : custom single coil(Delano)
  • preamp : bass, treble boost only
  • nut width : 46mm
  • straing spacing : 18mm or 19mm
  • tuning key : hipshot ultralite
  • bridge : hipshot style b or custom JIENIE bridge
  • finishing : urethane or lacquer
  • weight : 4.0~4.4kg

価格

価格はカスタム費用やヒアリング費用など全て込みで55万円税抜です。
一本一本をハンドメイドで製造するために、変更すること自体にコストがかからず、そのために価格を統一しています。レフティ仕様においてもアップチャージはありません。

特別な木材で装飾したい場合などには価格が上がってしまいます。ご相談ください。

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