こんにちは、GIBの嵯峨です。近年大きく普及しているフィンガーランプ、みなさん使ったことはありますか?
今回はフィンガーランプのメリットや自作の方法などについてまとめてみようと思います。
ちなみにフィンガーランプ、GIBではジャズベース、プレシジョンベース、ミュージックマンスティングレイ、G&Lなどに使えるものを作って売っているので、よかったら見てみてください。安いです。
GIBベーシック フィンガーランプ
フィンガーランプってなに?
フィンガーランプとは、ピックアップの周りなどの弦の下に取り付ける板っきれです。ピックアップの形やベースによってその形状は様々。
そのせいで基本的に製作はワンオフになってしまいます。
ほとんどの場合は木材で作られて、エボニーがよく使われます。
GIBでもよく製作は依頼されるのですが、エボニーのほかにはウェンジやパープルハートなどがよく指定されます。
フィンガーランプを取り付けることで弦とボディの間のスペースは小さくなります。
演奏性がup!! フィンガーランプを取り付けるメリット
フィンガーランプを取り付けるメリット、理由の1つは演奏性の向上です。
フィンガーランプを取り付けていないベースで弦をピッキングするときには多くの場合には指を振り切って下の弦にあてて止める、最も低い弦(E弦やB弦など)の場合には空中で止めることになります。
フィンガーランプを取り付けているベースの場合は全てのピッキングが基本的にフィンガーランプに指があたることになりますね。
両者の違いは指の振り幅で、フィンガーランプを取り付けている場合の方が振り幅は当然小さくなります。
振り幅が小さくなると次のピッキングを開始するのが速くなり、結果的に連続的なピッキングのスピードが上がります。
フィンガーランプによって指の振り幅が物理的に制限されるということは、つまり物理的にコンプレッションがかかるということで、最終的に出音はまとまってきますね。
出音がまとまる
音がしょぼくなる?フィンガーランプを取り付けるデメリット
前段で出音がまとまってくると書きましたが、ともするとこれはダイナミックレンジを狭めてしまいます。
より自由な表現をするのにはフィンガーランプを使わない、もしくはフィンガーランプを使ったうえで自由な表現ができるピッキングを研究する必要がありますね。
話は変わりますが良いサウンドのために必要な要素は何だと思いますか?
良いアンプ、良いベース、良いエフェクター、それらはもちろん大事ですが最も重要なのは音の出口ではなく入口です。
エレキベースにとっての音の入口は電気信号が作られる弦振動、つまりピッキングです。
フィンガーランプによって指の動きが制限されると、理想的なピッキングが出来なくなってしまうことがあります。
「フィンガーランプをつけると音がしょぼくなる」と言われることがありますが、これは正確には「フィンガーランプを取り付けると良い音を出すのに工夫が必要」ということです。
僕の個人的な意見を言うと、フィンガーランプを取り付けてなでるように弦をピッキングしても良い音はしません。
リチャード・ボナもアドリアン・フェローも右手のピッキングは強力で、当然彼らの優れたサウンドはピッキングに起因します。
ピッキングがしょぼいと音がしょぼくなる
フィンガーランプを愛用しているベーシスト
Hadrien Feraud
Richard Bona
Gary Wills
既製品でおすすめのフィンガーランプ
フィンガーランプについて調べると既製品でも10000円以上、オーダーでも同じくらいにはなってしまいます。高いと思うので、GIBで安いのを作りました。価格は4400円からです。
GIBベーシック フィンガーランプ for 60’s JB 炭シリーズ
GIBベーシック フィンガーランプ for 60’s JB 裏段差なし
GIBベーシック フィンガーランプ for 60’s JB 炭 Rつき
GIBベーシック フィンガーランプ for 70’s JB 炭シリーズ
GIBベーシック フィンガーランプ for 60’s JB Richlite Rつき
GIBベーシック フィンガーランプ for 60’s JB アクリル
GIBベーシック フィンガーランプ for 60’s JB Rear 炭 Rつき
GIBベーシック フィンガーランプ for 60’s JB Rear Richlite Rつき
GIBベーシック フィンガーランプ(レスト) for PB mini
GIBベーシック フィンガーランプ(レスト) for PB mini アクリル
GIBベーシック フィンガーランプ for G&L L2000
GIBベーシック フィンガーランプ for MUSICMAN STINGRAY set
フィンガーランプを自作するときのコツ
フィンガーランプってただの木で出来た板なので、もちろん自作可能です!気を付けてもらいたいポイントがいくつかあります。
トップのR付け
フィンガーランプには指板と同じRを付けることで弦との距離が整います。ピックアップとツライチにしたほうが外観が美しいので、どちらを選ぶかは好みですね。この作業はつまり弦とフィンガーランプの距離を設定する作業ですが、低音弦側の方により大きい間隔がつくように調整するのがおすすめです。いきなり目指すところに設定するよりは、少し厚めから実際に弾いてみて調整するのが良いと思います。
ピックガードとの干渉
フィンガーランプを取り付けるときには取り付け面がピッタリになる必要があります。このときに問題になるのがピックガード。ピックガードは2-3mmほどが一般的ですが、この段差があるとうまく取り付けが出来ないと思います。フィンガーランプの取り付け面に段差をつけるのが解決方法ですが、ちょっと難易度が高いです。ですので、僕のおすすめはスペーサーを使って段差を埋めること。木工を省くズボラメソッドですが、楽をするならこれですね。0.5mm以下の微妙な段差は厚みのある両面テープを使ってカバーするのがおすすめです。
仕上げ
のこぎりで切りっぱなしだとかなり汚いので、やすりで仕上げましょう。のこぎりや鉄やすり、荒い紙やすり(100番台)で成形した後には細かい紙やすりで仕上げていきます。100番台→200番台→400番台→800番台→1600番台といった感じで、だんだんと細かくしていきます。100番の傷を200番で消して、その傷を400番で消していくような感じで進めると良いと思います。最後には木目の走る方向と同じ方向で傷を整え、塗装に入ります。塗装はオイルで十分だと思います。両面テープの性能に問題が出るので、取り付け面にはオイルは塗らないほうがいいです。
GIBでのフィンガーランプ作例
for ぴんはげ(@pinkhage2)さん
まとめ
ということでフィンガーランプに関する記事でした。フィンガーランプを上手く使うも上手く作るも自分次第ということですね!GIBでオーダーを受け付けることもできるので、お気軽にお問い合わせください。GIBの嵯峨でした。
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