こんばんは、嵯峨駿介です。
みなさん結構自分のギターのあっちこっちをいじってると思いますが、電装系って手を出しづらいですよね。
でも、「エレクトリック」ギターです。
エレクトリックギターの改造は電装系をいじってなんぼ。
ということなので今回は読んだら電装系の改造にトライしやすくなるような、そんな記事にしてみようと思います。
まずはこちらをご覧ください。
通常ギターやベースで使われる信号はアンバランス信号と呼ばれるもので、信号の種類が2種類位しかありません。
なので、通常使われるプラグとジャックも2種類の信号(AとB)を通すためのものとなっています。
(アクティブベースの場合は電池のオンオフ用にステレオジャックを使用しますが、プラグはモノラルです)
そしてこの2つの信号はホットとコールド(アース)と呼ばれます。
この2種類が揃って初めて音がなります。
簡単に違いを説明すると、ホットは音の信号でコールド(アース)はその基準となる信号です。
コールドで基準を設定して初めてホットはサウンドになるわけです。
そういうことなので、最もシンプルな配線はこう!
はい、これがノーボリュームノートーン。
ベーシスト界隈ではAJ配線と呼ばれています。
ギターやベースの配線はこの2種類の信号をピックアップからジャックまで繋ぐだけです。
ただその途中にボリュームの調整をしたり、トーンの調整をしたりと、細々とパーツを組み合わせるので、そこがちょっとだけ複雑で難しそうに見える部分で、面白い部分でもあります。
ではこちらをご覧ください。
見ての通り、上は実際に組んだもの、下が実体配線図です。
ジャズベースの配線では2種類のコントロールを組み込むことになります。
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ボリュームコントロール
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トーンコントロール
まずはボリュームのコントロールから。
こちらの図をご覧ください。
右の端子はアースへ出力
真ん中の端子にはPUから入力(ホット)
左の端子から出力(ホット)
ジャズベースの場合、ボリュームのコントロールはこれしかありません!
(ストラトなどの他のギターだとちょっと事情が違うのですが、その理由はまたいつか)
細かい原理は置いておいて、真ん中に入力した信号をつまみの回し具合によって「8割左から出力、2割右からコールド(アース)」にしたり、「全てを右のコールドに出力」したりと、コントロールできるわけですね。
コールド(アース)は0です。
ここに繋ぐと、信号はアースに流れます。(つまり音は消えます)
なんとなくイメージできますか?
・コールド(アース)につなぐと音は消える
・ポットを使って少しだけコールドに信号をわけると音量を調整する
続いてトーンコントロール
そう、ほとんどボリュームコントロールと同じです。
ただ違うのはコンデンサと呼ばれるパーツが右の端子とアースの間に入っているということだけ。
このコンデンサには様々な性質がありますが、その1つに「高域の信号を通しやすい」があります。
勘の良い人はここでもう気付いてしまいますね。
ボリュームコントロールは信号全体の音量調整をするのに対して、トーンコントロールは高域の音量調整をしているわけです。
コンデンサの「高域の信号を通しやすい」という性質を利用することで、高域だけをコールド(アース)に流しています。
ジャズベースの配線はたったこれだけ。
改めてジャズベースの配線図を見てみましょう。
もうこんなの簡単に見えませんか?
ただ繋ぐだけです。プラモデルを組み立てるのと同じですね。
しかし、こんな少ない回路にたくさんの要素があります。
・ポットの種類(メーカー、抵抗値、カーブ)
・配線材の種類(メーカー、撚り線or単線、太さ)
・コンデンサの種類(容量、材質)
・配線材の取り回し ……など
どうでしょう、面白くないですか?
電装系の調整で出音が調整できるのはやっぱりエレクトリックギター、ベースの大きな長所です。
積極的に改造してみませんか?
次回は、特殊な配線と小技を紹介しようと思います。(これがまた面白い)
それではまた。
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