
Fender Precision Bass(P Bass)は、1951年の登場以来、エレクトリックベースの代名詞として、多くのミュージシャンに愛用されてきました。 P Bassは、その歴史の中で様々な改良を遂げてきましたが、1957年と1958年は、P Bassが現在に至るまでの仕様を確立する上で重要な時期でした。
本記事では、1957年製と1958年製 Fender Precision Bassの違いに焦点を当て、その魅力に迫ります。
1957年の変革
1957年、P Bassは大きな変革を遂げました。
- ストラトキャスター型ヘッドストックの採用: 当時人気が高まっていたストラトキャスターのデザインを取り入れ、ヘッドストックの形状が変更されました。
- スプリットコイルピックアップ: ノイズを軽減するスプリットコイルピックアップが搭載され、よりクリアなサウンドを実現しました。
- ゴールドアノダイズドアルミニウムピックガード: ゴールドのピックガードが採用され、高級感を増しました。
- 2トーンサンバースト: 落ち着いた色合いの2トーンサンバーストフィニッシュが採用されました。
これらの変更により、P Bassはより洗練されたデザインとサウンドを獲得し、その後のP Bassの基礎を築きました。
1958年の進化
1958年には、1957年モデルをベースに、更なる進化を遂げました。
- 3トーンサンバースト: より華やかな3トーンサンバーストフィニッシュが採用されました。
- ピックアップのポールピース: 1957年製ではA弦側のポールピースが突出していましたが、1958年製では全てフラットになりました。 これにより、各弦の音量バランスが均一になり、よりバランスの取れたサウンドが得られるようになりました。
サウンドの違い
1957年製と1958年製では、ピックアップのポールピースの違いにより、サウンドにも微妙な違いがあります。
- 1957年製: A弦側のポールピースが突出しているため、A弦の出力が高く、アタックの強いサウンドが特徴です。 中音域が強調され、パンチのあるサウンドが得られます。
- 1958年製: ポールピースがフラットになったことで、各弦の出力バランスが均一になり、よりバランスの取れたサウンドが特徴です。


ヴィンテージ市場での価値
1957年製と1958年製のP Bassは、どちらもヴィンテージ市場で高値で取引されています。 特に、オリジナルの状態を保っている個体は、コレクターズアイテムとして非常に人気が高く、高額で取引されることもあります。
まとめ
1957年と1958年のFender Precision Bassは、P Bassの歴史において重要な転換期となったモデルです。1957年の大胆な変更と、1958年の更なる進化により、P Bassは現在に至るまでのスタイルを確立しました。
現代の音楽シーンにおいても、多くのベーシストに愛用されているP Bass。その歴史を紐解くと、1957年と1958年のモデルが、P Bassのサウンドとデザインを決定づける上で、いかに重要な役割を果たしたかが分かります。
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