こんにちは。もうすぐ春もやってきますね。
これからの季節は、自然に新しいことを始めてみたいという気持ちになります。
今回は、ベースの初心者の皆さんに、「ぜひ揃えておきたい、ベース用のエフェクター」をいくつかご紹介したいと思います。
単機能で小型な「コンパクト・エフェクター」3種類を取り上げます。
○エフェクターとは
「エフェクター」とは何でしょうか。
これは楽器の音の音色、響き、さらには音程など(ざっくり、「サウンド」と言っておきましょう)をさまざまに変化させる為の機材です。
これによって、聞きやすくなったり、処理しやすくなったり、普通の演奏ではできない表現が実現できます。
この記事を読んでいる皆さんは、どうしてベース用のエフェクターに興味を持ったのでしょうか?
それはきっと「かっこよく聞こえるから」「上手く聞こえるから」なんていう理由ではないでしょうか。まったくその通りですね。
例えば料理で言えば「美味しくする」という、いわば調味料の効果を期待できるほかにも、エフェクターによっては「味を整える」、つまり「バランスがよくなり、録音しやすくなる」なんていう効果を得るためにエフェクターを使うことがあります。
ベーシストの定番機材として今回はプリアンプ、コンプレッサー、オーバードライブを取り上げてみます。
○プリアンプ
プリアンプは、基本的な「味をととのえる」役目を果たすエフェクターです。
多くのプリアンプにはイコライザーという機能が搭載されています。イコライザーは音の電気信号の低域(BASS)、中域(MIDDLE)、高域(TREBLE)のレベルをそれぞれ調整します。(もっと細かく調整できるイコライザーもあります)
こうすることで、アンサンブルの中で抜けやすいポイントをブーストしたり、ボーカルの邪魔になる音域をカットしたりする事ができます。
リハーサルスタジオやライブハウスによって置かれているアンプは違いますよね?
EQのポイントも違えば出力される出音もかなり違う。
そんな悩みを解決するのがプリアンプ。
プリアンプを使うことで、どんな環境でもある程度自分のサウンドを出すことが出来るようになります。
このプリアンプ、実は定番があります。
それはTECH 21 SANSAMP BASS DRIVER です。
オーバードライブとしても使えるSANSAMPはプリアンプとしても非常に優秀です。
通常の出力のほか、バランス出力もあるので、DIとしても使えます。外音までコントロールできるようになるわけですね。
プリアンプを通すことでより聞きやすく、一歩深い世界に踏み出せます。
1台目のエフェクターにはピッタリですね。
○コンプレッサー
ベースにかぎらず、音響や放送の世界ではたいへん重要なもので、これも「味を整える」系の調味料、と形容できます。
ラジオやテレビ放送を視聴しているときは、出演者の音声はいつも聞き取りやすい音量に調整されていて、「うわ!うるさい!」とか「え??聞き取れない」というのはほとんど起こりません。これは音響のプロが上手に音量を調整しているからです。
しかし、素人が趣味で動画を録ったり録音すると、往々にして声が急に小さくなったり、大きすぎて歪んだりで、聞き取りにくい録音になりやすいですね。
これを解決するにはどうしたらいいのか?
そこで「コンプレッサー」が登場です。コンプレッサーは自動的に音量を均一化して、常に一定の音量レベルの範囲に収め、聞きやすくするものです。
まろやかな音を出すベースの指弾きのときに比べ、スラップ奏法でベチバチやると、硬く、強い音になりますね。
時に小さく、時にものすごく大きな音になっては、演奏を聞く方も録音するのにも具合が悪いのです。
そこで、ベース用エフェクターの「コンプレッサー」(通称、コンプなどとも言います)をかませる(途中に通す)ことで、安定して聞きやすい音量になります。
原理は、弱い音をブースト(強く)して聞きやすくし、また大きい音は自動的に「頭を押さえる」ように音量を一定レベル以下にして、聞きやすくします。
このコンプレッサーを強くかけることで、ベースの音の伸びが長く聞こえるようにもなります。
ただし、コンプを強くかけすぎると、強弱の違いがほとんど表現されなくなり、AMラジオ放送の音声のようにべったり「つぶれた」感じになることがあります。
リミッターというのはこのコンプの具合が非常に強いもの、という認識で問題ありません。
スピーカー保護の為に音響屋さんがよく使っているので、機会があればきいてみてください。
さきほどBOSSブランドを紹介しましたので、コンプレッサーではEBSをご紹介しましょう。
EBSブランドのMultiCompという製品は、まさに定番ベース用コンプレッサー・エフェクターです。
安物のただ音量アップしただけのノイジーな出力とは別世界、コンプレッサーを「まるでかけていないみたい」に自然なのに、しっかりと効果が出る魔法のようなエフェクターです。
真空管のコンプレッサーの味わいが出せるシミュレーション機能もあり、高音と低音を別々の設定でコンプかけられるという細かい技を使えます。
時に強烈なEBSキャラクターが敬遠されますが、恐らく最もスタンダードなコンプレッサーで、プロアマ問わず多くのベーシストの足元にセッティングされています。
○オーバードライブ、ディストーション
ロック系の音楽なら決まって使われる「歪んだギターの音」。
あの割れた「じゃ~ん」というギター音を出すのが「歪み系」エフェクターです。
ギターの世界でしたら軽く、太めのオールドロック風な歪みギターの感じを「オーバードライブ」で出し、強烈でソリッドな「ギャーン」という強い歪みは「ディストーション」で出すことが多いです。
ベースにも「歪み」がいるの?と思う方もいるかもしれません。楽曲の雰囲気や、他の楽器との音質的な調和を取るときには、ベースにも歪みをかける手法が珍しくありません。
BOSSでは、「Bass OverDrive ODB-3」という製品が有名で、プロも愛用しています。
軽くマイルドな歪みから、強烈でアグレッシブなディストーションまで様々な表現ができ、なおかつ音がフワフワしない、野太い芯の感じられるグルーブ感を表現できます。
ベースにエフェクトをかけるときに気をつけなくれはならないのは「音色をいじって変えていくと、ベースの本来の役割、つまり曲の和音を支える基本の低音などを、リズムよく力強く示す」ことが薄らいでしまうことです。
簡単に言えば、凝ってベースの音をいろいろいじればいじるほど、バンドの他のメンバーには聞きづらく、「ん?コードこれでいいのかな」のように不安定になってしまいがちだ、ということです。
そこで、ベースのエフェクターでは「音色を変えつつも、もともとのベースの生音は残して、ミックスさせて出力する」ことが大事になります。
BOSS ODB-3ではベースの生の原音と歪ませた音を自由自在にミックスさせ、バンド全体の音に華やかな厚みと、なおかつ音楽の芯が感じられるサウンドが実現できます。
○まとめ
今回は具体的なモデルと共にエフェクターの効果について説明してみました。
こんな記事ですがみなさんの参考になれば幸いです。
最新情報をお届けします
Twitter でGeek IN Boxをフォローしよう!
Follow @Geek_IN_Box