「自分のジャズベース、なんだか音がしっくりこない…」 「もっと音を太くしたい、クリアにしたい」
ジャズベースのサウンドに悩むベーシストは少なくありません。
アンプやエフェクターを変えるのも一つの手ですが、サウンドの心臓部である「ピックアップ」の交換は、最も効果的かつ劇的な変化をもたらす最良の選択肢の一つです。
しかし、ピックアップは星の数ほどあり、どれを選べばいいか分からないのが正直なところ。
そこでこの記事では、プロの視点からジャズベースにおすすめのピックアップブランドを5つ厳選し、それぞれの特徴やサウンド、どんなベーシストにおすすめなのかを徹底解説します。
この記事を読めば、あなたの理想のサウンドが明確になり、最高のピックアップ選びができるようになるでしょう。
ジャズベースのピックアップ交換で何が変わるのか?

ピックアップ交換を検討する前に、それによって何が得られるのかを理解しておきましょう。ベースを買い替えること自体に近いほど、大きな変化が得られます。
サウンドキャラクターの変化
あなたが好きなのはヴィンテージサウンドですか?それともパワフルなモダンサウンドですか?ピックアップの交換によってベースの個性を大きく変えることができます。
ノイズ量の変化
もしも今ノイズの量に悩んでいるのであれば、PU交換は改善策としてとても有効です。デュアルコイルタイプやハイシールドタイプのPUを選ぶと、劇的にノイズが低減します。
インピーダンスの変化
EMGなどのアクティブPUを利用すると、ピックアップから出力された時点でインピーダンスが低く、低ノイズでワイドレンジなサウンドが得られるようになります。
失敗しない!おすすめピックアップの選び方

最適なピックアップを選ぶために、最低限知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
1. パッシブか、アクティブか
- パッシブPU:電池不要で、ナチュラルで温かみのあるサウンドが特徴。ピッキングのニュアンスを素直に表現します。多くのジャズベースに標準搭載されているタイプです。
- アクティブPU:電池が必要で、パワフル、クリア、そしてノイズが非常に少ないのが特徴。
2. サウンドの方向性(ヴィンテージ or モダン)
- ヴィンテージ系:60年代、70年代のジャズベースが持つ、枯れていて倍音豊かなサウンドを目指したタイプ。
- モダン系:現代の音楽シーンで求められる、高出力でレンジが広く、クリアなサウンド。
3. コイルの数(シングル or デュアル)
- シングルコイル:一般的なジャズベースに多く搭載されているタイプで、単体ではノイズが出る。
- モダン系:sadowskyなどのモダンなブランドで採用されるタイプで、ハムキャンセルが可能なため、単体でもノイズが出ない。
【厳選】ジャズベースのおすすめピックアップブランド5選
多くのブランドの中から、厳選した5つをおすすめします。
Lollar (ローラー) – “本物”を知る職人のヴィンテージサウンド

ヴィンテージサウンドの再現において、右に出るものはいないとまで言われるハンドメイド・ピックアップブランド。ピッキングの繊細なニュアンスを余すところなく拾い上げ、圧倒的な情報量と立体感のあるサウンドをアウトプットします。
そのサウンドは驚くほど音楽的で、弾き手のインスピレーションを刺激します。価格は比較的高価ですが、その価値は十分にあります。一度弾いたら元には戻れない、まさに”本物”のトーンです。
ヴィンテージライクなサウンドを好む本格派のベーシストに人気があります。
採用ブランド:de Gier, Nash Guitars

おすすめモデル
Jazz Bass 4-String Pickup Set : 中音域から高音域にかけての豊さが特徴
70s Jazz Bass 4-String Pickup : 強いローエンド〜ミドルを持ちます
Delano (デラノ) – ドイツが生んだモダンHi-Fiサウンド

ドイツ発のピックアップブランドで、現代だからこそ完成された洗練度の高さが特徴。そのサウンドは、モダンでパワフル、そして非常にHi-Fi。
音の立ち上がりが非常に速く、一音一音がハッキリと前に出てくるため、高速なフレーズでも音が潰れません。特にスラップ時のパーカッシブなサウンドは絶品。既存のサウンドに物足りなさを感じているなら、ぜひ試してほしいブランドです。
フュージョンやジャズ系はもちろん、現代のポップスの中でも存在感を示したいベーシストにおすすめです。
採用ブランド:Meridian Guitars, Alusonic

おすすめモデル
JMVC 4 FE/M2 : Hadrian Feraudも愛用するモダンPU
JC 4 AL : アルニコマグネットを使ったモダンヴィンテージタイプ
Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) – 迷ったらコレ!業界の絶対的スタンダード

リプレイスメント・ピックアップの代名詞的存在。ヴィンテージ系からモダン、ノイズレスまで、あらゆるプレイヤーの要求に応える圧倒的なラインナップを誇ります。
代表的な「SJB-1 (Vintage)」は、まさに王道の60sジャズベースサウンド。迷ったらまずダンカンを試せば間違いありません。よりパワフルな「SJB-3 (Quarter Pound)」なども人気が高く、どんなジャンルのプレイヤーにも必ず答えが見つかるブランドです。
ロックからジャズまで幅広いジャンルで人気です。
採用ブランド:ESP, Schecter

おすすめモデル
SJB1 : ヴィンテージサウンド
SJB-3 : モダンでパワフル
Antyquity : リアルなヴィンテージレプリカ
Bartolini (バルトリーニ) – スムース&ディープな至高のトーン

MTD, MERIDIANなど多くのハイエンドベースに標準搭載されていることでも知られる、アメリカの老舗ブランド。そのサウンドは「バルトリーニ・トーン」と称され、深く、温かく、そして非常にスムースなのが特徴です。
低音域の再生能力に優れ、アンサンブルの中で埋もれない存在感を発揮します。音の輪郭はありながらも耳に痛い高音域は抑えられており、特に指弾きでの表現力は格別。
ジャズやフュージョン、ゴスペル系のジャンルでとても人気があります。
採用ブランド:Meridian Guitars, MTD, Roscoe, LAKLAND

おすすめモデル
9s : 最も定番のバルトリーニサウンド
B Axis : リッチな倍音が得られるニューモデル
EMG (イーエムジー) – アクティブPUの代名詞!クリアでパワフル

アクティブピックアップの世界を切り開いたパイオニア。ローノイズでパワフル、そしてどこまでもクリアなサウンドは、EMGならではのものです。
ローインピーダンスで出力されるため、長いケーブルを使っても音質劣化が少ないのも大きなメリット。スラップ奏法でのキレのあるアタック音や、ヘヴィなロックでの歪みとの相性は抜群です。
モダンなサウンドを求めるなら最高の選択肢となるでしょう。
採用ブランド:Spector, Carl Thompson

おすすめモデル
J SET : THE 定番
JV-X SET : ワイドなヘッドルームとナチュラルなサウンド
まとめ:理想のサウンドを求めるためのピックアップ交換
今回は、ジャズベースにおすすめのピックアップブランドを5つ、それぞれの特徴とともにご紹介しました。
- Seymour Duncan:王道を求めるすべての人へ
- Bartolini:スムースで深いトーンを求める大人なあなたへ
- Lollar:最高のヴィンテージサウンドを求める本物志向のあなたへ
- EMG:パワフル&ローノイズなモダンサウンドを求めるあなたへ
- Delano:Hi-Fiでスピーディなサウンドを求めるあなたへ
ピックアップ交換は、あなたのベースに眠っているポテンシャルを最大限に引き出すための魔法のステップです。この記事を参考に、ぜひあなただけの一本を育て上げ、理想のサウンドを手に入れてください。
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