J.W.Black Guitarsの成り立ちや特徴、評価について愛を持って解説します!

GIBの嵯峨です!知る人ぞ知るギタービルダーJ.W.Blackは近年人気が上昇しており(知る人ぞ知るじゃなくなりつつある)、ブレイク寸前だと言えるかもしれません! 僕自身も大好きなブランドで、正統派なフェンダーレプリカとしては最上位クラスだと感じています。本記事ではこのブランドの成り立ちやJ.W.Black本人の経歴などを含め、愛を持って解説します!

フェンダー入社からブランド独立まで

J.W.Blackのワークライフは77年のMartinのDick Boakとの仕事に始まり83年からの数年間はSadowskyと働きました。名店Rudy’s(ジョン・サーやステファン・マルキオーネ、マス日野、ジミー・コッポロといった名ビルダーを多数輩出したニューヨークのギターショップ)での短い仕事の後、89年にフェンダーに移ります。ここまでの時代で築き上げたコネクションは現在も良好なもので、Suhr GuitarsSadowsky Guitarsのレリック加工を手掛けているのはJ.W.Blackです。また、フェンダー以前の時点でプリンス、ジム・ホール、ローリング・ストーンズ、ブルース・スプリングスティーン、マーカス・ミラーとの交友があり、現在も顧客の1人として関係は続いています。

1989年からのFenderでの仕事は初日からマスタービルダーとして始まり、ルー・リード、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン等といった世界的な名手との仕事を手掛けます。10数年にわたるフェンダーの仕事で名声を獲得したJ.W.Blackはフェンダー初となるシニアマスタービルダーの役職に就いたのち、2002年に独立することになります。

独立後、数年にわたってヴィンテージギターディーラーのためにヴィンテージギターの修理を行います(ジミ・ヘンドリックスが破壊したギターをフランク・ザッパのために修理したり、エリック・クラプトンのギターコレクションを1週間がかりでメンテナンスこともあったそうですよ。)。

その後についに自身のブランドを立ち上げ、販売を始めます。木材のセレクトや切り出し、塗装、配線、はもちろんハンドシェイプで仕上げられるネックも全てを自身が手掛けているために月産は5本程度と超少数です。

レリック加工について

ローリング・ストーンズのプロデューサー ドン・ウォズとのプロジェクトから生まれたレリック加工は当時革新的なアイデアで、現在ではギターの要素として需要が非常に大きく、また多くのユーザーに支持を受けるものになりました。

フェンダーならではのウェザーチェック、ハードウェアのくすみ具合、塗装の剥げ方など、”本物”の様相を醸し出すテクニックは非常に高等です。

USA製造のJWB-JBassについて

稀代のレリックアーティストとして名を馳せたJ.W.Blackだからこそのレリックに関する高いクオリティは本機の持つ大きくユニークなポイントの1つです。

ネックにはグラファイトが組み込まれ、まるで5弦ベースのようにディープでタイトなサウンドはこのネックの強度の高さが大きく影響しているように思います。レオ・フェンダーのスタイルを敬いながらも、現代の多くのミュージシャンとの仕事の中で受けた要望を実際のプロダクトに組み込んだモダンヴィンテージスタイルはJWBの大きな特徴の1つであり、基本的にはレプリカを製作するなかでの彼自身の主張の1つです。

サウンドは超ディープでエレガント。オープンなフェンダーサウンドに比べると幾分タイトでモダンな印象を受けます。しかし、ダイナミックレンジは広大でストレスはゼロ。ヴィンテージフェンダーのスタイルを求めながらも現代のアンサンブルで演奏をしなければならないミュージシャンにとってはたまらないサウンドだと思います。弦振動自体のゲインは大きく取ることが可能で、この振り幅の広さはベーシストにとってベースを鳴らす楽しさを感じるものだと思います。

Japan Madeシリーズについて

 

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J.W.BlackのJapan MadeシリーズはギターメーカーのSugiがOEMで製造しています。ヴィンテージを基本としていますが、スムースナ弾き心地に仕上げられており、幾分モダンな印象を受けます。北米ならではのカラッとしたオープンなニュアンスとは異なる、日本製ならではのタイトなニュアンスは人によっては必ずしも廉価版にはなりえないでしょう。

まとめ

元フェンダーのマスタービルダーといえど、独立して成功することは簡単ではないことは明白です。その点J.W.Blackは日本を含めた世界市場で一定の成功を収めており、これは彼自身の持つコンセプト、クオリティがミュージシャン達に幅広く受け入れられていることだということだと思います。

もしも今後フェンダー系のギター、ベースを探すのならばぜひJ.W.Blackを試してみてください。非常におすすめです。

 

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