1994年の発売以来、ベースのプリアンプ/DIの定番アイテムであったSANSAMP BASS DRIVER DI、通称ベードラが22年の時を経てVersion Ⅱにリニューアルしています。今回は旧バージョンから変わった点も踏まえレビューしたいと思います。
目次
- 1.仕様
- 2.旧バージョンからの変更点
- MIDのコントロールが追加
- BASSの周波数選択
- 3.音色
- ソリッドなサウンド
- 歪サウンド
- 4.DI機能
- 5.まとめ
1.仕様
<コントロール>
・LEVEL
・DRIVE
→チューブアンプのような質感のオーバドライブを再現。歪具合をコントロール。
・BASS / MID / TREBLE
→12時の位置がフラットで、それぞれ ±12dB のコントロールが可能。
PRESENCE
→TREBLEより更に上の超高域をコントロール。
BLEND
→ベースの原音にサンズアンプの音をミックスする比率をコントロール。
・MID SHIFT SW(500/1000Hz)
→中音域の周波数を選択し、調整。スイッチが上がっている状態が500Hz。
・BASS SHIFT SW(40/80Hz)
→低域の周波数を選択し、調整。スイッチが上がっている状態が40Hz。
・-10dB 1/4”:OUTPUTの出力インピーダンス切替
→アクティブタイプのべース接続の際、-10dB のパッドを入れ、過大入力でクリップしないよう出力インピーダンスを調整。
・-20dB XLR:XLRの出力インピーダンス切替
→XLR出力の際、-20dB のパッドを入れ、過大入力でクリップしないよう出力インピーダンスを調整。
・PHANTOM & GROUND CONNECT
→グランド接続/リフト切替スイッチ。ファンタム電源を使って本機に電源を供給することが可能。
<外観仕様>
・接続端子:INPUT, OUTPUT, BALANCE OUT, XLR OUT
・電源:9V電池、9VDCアダプター
・寸法:W95×H120×D50 mm
・重量:389g
2.旧バージョンからの変更点
・MIDのコントロールが追加
ベードラと言えばミドルが付いていなかったことが最大の個性でした。旧バージョンではMIDの設定値が固定されていて、BASS・TREBLEをブーストするとMIDがカットされ、逆にBASS・TREBLEをカットするとMIDがブーストされる仕組みになっていました。
それ故にミドルがどの程度ブースト/カットしているか把握しづらく、ベードラ特有のギラギラしたドンシャリサウンドになりやすい要因になっていました。アップデートにより新型はMIDのコントロールが追加されて、直感的に中音域を調整できるようになりました。また周波数を500/1000Hzの二種類から選択でき、シチュエーションに合わせた幅広い音作りを可能にしています。
ミドルはベースのヌケやコシに当たる帯域で、音作りする上でこだわる人は多いはず。この改善点はプリアンプとしての汎用性を大きく高めたと言えるでしょう。
・BASSの周波数選択
MIDと同じようにBASSに関しても40/80Hzの2種類から選択可能に。5弦ベースでLow Bを鳴らしたり、4弦ベースでDrop Dチューニングにするなど、近年の音楽シーンではローレンジのサウンドアプローチがよく登場するようになりました。
40Hzを調整することにより、Drop D以下の超低音をしっかり再生することが出来ます。イコライザーの付いていないパッシブベースなら特にありがたいのではないでしょうか?レギュラーチューニングの4弦ベースなら80Hzで安定感のある低音が作れるし、低音がこもりやすい会場であれば、40hzをカットしてスッキリした音作りにするのもアリでしょう。
3.音色
・ソリッドなサウンド
音色は基本的に硬めで、BLENDを上げていくとベードラの音色が強まり、音が引き締まっていきます。タイトで広がりにくい低音に、操作性の高いMIDと瞬発力のあるTREBLE、PRESENCEをが加わり、「カチッ」としたアタックが特徴的な芯の強いサウンドを作ることが出来ます。
また旧バージョンではトゲのキツかったTREBLEが若干マイルドになり、ギラギラした成分が苦手だった人でも扱いやすく改良されています。
・歪サウンド
歪ませることを目的とした歪ペダルとは違い、クリーンな音色ありきの歪み方です。歪が深いとアタックが潰され、音が奥に引っ込んでしまいがちですが、ベードラの場合は骨格がしっかり残った状態から歪んでいくので、芯のある歪サウンドを作ることが出来ます。
PRESENCEを上げればざらっとした質感が出る余韻が印象的な味のある歪サウンドになります。そのためスラップとの相性がよく、攻撃的な歪スラップをするにはもってこいと言えます。また僅かに歪ませた音作りにして曲全編に渡ってメインの音色として使うことで、アンサンブルに馴染ませたり、存在感を際立たせたりするなど程よい味付けでも役割を果たします。
4.DI機能
プリアンプ、音作りする注目されていますが、忘れてはならないのがDI機能です。XLR出力やPHANTOM & GROUND CONNECTスイッチなど、DIとしての基本的な仕様は網羅しており、ベースのライン音をミキサーで扱うことが出来ます。
本来DIはスタジオ・ライブハウスに常設されている機材なので必ず個人で所有する必要のないものですが、PA環境が整っていないライブ会場でライン出力をする際に使えますし、レコーディングでベードラのキャラクターを使いたい場合など、機材を所有していることでセッディングのアプローチに幅がでます。
5.まとめ
以上となりますが、いかがでしょうか。
多機能なうえに新バージョンからはさらに幅の広い音作りが出来るアイテムとなりました。ベードラをつなぐことにより、ベースの音作り強化に大きく貢献すること間違いなしでしょう。プリアンプをお探しの方は是非一度試してみて下さい。
人気のレビュー記事
【レビュー】fulltone BASS-DRIVE MOSFET
【レビュー】EBS MultiComp まるで魔法の箱? 通すだけで良い音に
【レビュー】BOSS MS-3 マルチエフェクトスイッチャーがBOSSから登場! 価格 や 機能 まとめ
【レビュー】ZOOM B3の後継機、B3nの機能やB3との違いについて徹底解説!
最新情報をお届けします
Twitter でGeek IN Boxをフォローしよう!
Follow @Geek_IN_Box