サウンドの根幹を強化するプリアンプは、今や音作りにこだわるベーシストの必須アイテム。市場は盛り上がりを見せており、近年ではアンプメーカー自らが開発したプリアンプの登場により、なじみのあるアンプのカラーを手軽に取り入れられるツールとしても注目されています。
今回はベースアンプやアクティブサーキットなどで定評のあるAGUILARよりTONE HAMMERをレビューします。
目次
- ナチュラル&ハイパワーなAGUILARサウンド
- 周波数帯域がコントロール可能なフリケンシー付きのMID
- クリーンと歪の2チャンネル仕様
- アンプヘッドと同じ感覚でラインの音色を操作
- 注意点:18Vの電源
- まとめ
- 仕様補足
ナチュラル&ハイパワーなAGUILARサウンド
豊かなローエンド~ミドルレンジに支えられたパワフルなAGUILARサウンドがTONE HAMMERを使うことで手軽に取り入れられます。通すだけで音に艶が出て抜けが良くなり、アンサンブルをどっしりと支えながら存在感のあるベースサウンドを作り出すことができます。
周波数帯域がコントロール可能なフリケンシー付きのMID
ベーシストが音作りにこだわるポイントの一つ、それはズバリ“ミドル”でしょう。ベース音のコシ、軸、音抜け、キャラクター付けなど様々な意味合いを持つミドル。TONE HAMMERではMID FREQにより任意の帯域(180Hz~1 kHz)を設定して、MID LEVELで±17dBブースト/カットします。ベーシストによって好みの音はそれぞれ、ライブ会場によってハマる帯域も違うのでミドルEQのフリーケンシーが搭載されているのは心強いですね。
またBASSは40Hz、TREBLEは4kHzを±18dBブースト/カットします。MIDを含めた3 BAND EQはブーストカットの幅を大きめに取ったデザインですね。TONE HAMMERは原音に忠実な音が基本ですが、効きの良いEQによる積極的な音作りも可能。この使い勝手の良さは魅力的です。
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クリーンと歪の2チャンネル仕様
1台で2度美味しい(?)クリーンと歪みの2チャンネル仕様となっています。この2チャンネルの仕様はMXR M80 Bass D.I.+をはじめAMPEGのSCR-DIなどベース用プリアンプ/DIの新たな定番と言えるしょう。
AGS(Adaptive Gain Shaping circuitry)をONにしてゲインを上げることで徐々に音が歪みだし、モダンで温かみのあるオーバードライブが得られます。歪みのキャラクターとしてはローゲインではウォーム、ハイゲインではメリハリのあるトーンが得られます。アンサンブルの中でナチュラルに使うのか、ベースソロのような目立つ場面で使うのか、目的に合ったサウンドを作る事が出来ます。
ちなみにプリアンプの仕様が全く同じアンプヘッド、TONE HAMMER 350でも同じ様に歪サウンドが作れますが、クリーンとの切替スイッチはありません。そう言った意味でもプリアンプ/DIのTONE HAMMERは歪サウンドをON/OFFで切り替えできるため、ライブやスタジオでの演奏性に優れていると言えます。
アンプヘッドと同じ感覚でラインの音色を操作
ベースレコーディングではアンプの音をマイクで収音することは稀で、現在ではほどんどがライン録音。そのためアンプヘッドでの音作りに慣れているベーシストがラインの音作りに苦戦していることをよく耳にします。そんな方でもTONE HAMMERなら、AGUILARのアンプのカラーを反映させてそのままライン出力ができます。
1/4標準PHONE OUTとXLR OUTを完備。PRE/POSTスイッチを操作しPOSTにすればAGS、EQを通った信号が出力されます。またPREすればAGS、EQの前のサウンドが出力されるため、原音に忠実なサウンドを送ることもできます。
注意点:18Vの電源
通常のエフェクターは9V電源が主流でなために一般的なパワーサプライは9Vに対応しますが、TONE HAMMERは18V仕様です。そのため、18Vに対応しないパワーサプライではTONE HAMMERには電源を供給ができないので注意が必要です。とは言え、9V電池2個 or ファンタム電源 or 専用電源アダプター(TONE HAMMER ADAPTER(別売))のいづれかで駆動するため、電源の選択肢は広いです。
9Vの電池はエフェクター以外にもアクティブタイプのベースやメトロノームにも使うため、バンドマンが常備しているアイテムであるし、ミキサーやオーディオインターフェースからファンタム電源を供給できるため、レコーディングや宅録などでも困ることはないでしょう。
18V電源を採用することにより、ヘッドルームやレンジ感は広くなっているので情報量は多く、よりクリアな低音が得られています。
まとめ
以上となりますが、いかがでしょうか。
音作りを強化するプリアンプとしても、ライン出力をするDIとしてもTONE HAMMERはポテンシャルの高いアイテムです。スタジオやライブハウスではAMPEGやHARTKEが常設していることが多いため、TONE HAMMERを持っていれば場所を選ばすAGUILARのサウンドを出すことができます。
プリアンプの購入を検討している方は是非一度TONE HAMMERを試してみてください。
仕様補足
・ENGAGE:TONE HAMMERのON/OFF
・GROUND LIFT SWITCH付
参考価格:¥22,130(税抜)
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