Geek In Boxの若槻智哉です。
ユニークなエフェクターで有名なZ.VEX。今回は過激なファズラインナップの中でもシンプルで扱いやすく、ベースでの使用も前提にデザインされているZ.VEX MastoTRONをレビューします。
目次
- そもそもZ.VEXとは?
- MastoTRONの特徴
- コントロール
- PW
- RELAX/PUSH
- SUBS
- サウンド
- 使用感
- まとめ
そもそもZ.VEXとは?
レコーディングエンジニアやプロデューサー、ミュージシャンとして活動していたザッカリー・ベックス氏が1995年に創業したアメリカのハンドメイドブランドです。立体感のあるサウンドが特徴的なゲルマニウムトランジスタを使用したFuzz Factoryがヒットしたことにより一躍有名になりました。
数多くのラインナップがありますが、どれも過激なサウンドと独創的なペイントが施されており、それらはZ.VEXの代名詞です。
MastoTRONの特徴
大きな特徴は音声信号を増幅させるトランジスタにあります。他のZ.VEX製品とは異なり、シリコントランジスタを採用。温度の変化でサウンドも変わりやすいゲルマニウムトランジスタに比べ、シリコントランジスタは一定のサウンドを保ちます。
過激さゆえに扱いづらさが問題のゲルマニウムに比べてシリコンは扱いやすく、シリコンを採用したMastoTRONはサウンドメイクが容易といえます。
コントロール
VOLUME、TONE、PW、FUZZ、RELAX/PUSHとSUBSの3WAYミニスイッチがついています。その中でも普段見かけないPW、RELAX/PUSH、SUBSをピックアップします。
PWコントロール(パルスワイド)
歪みの波形をコントロール出来ます。左に回すとナチュラルなファズに近づき、右に振るとサスティーンも徐々に無くなっていきブチブチとしたファズサウンドになります。右に回していく程ボリュームも下がるのでVOLUMEの調整が必要です。
RELAX/PUSH
MastoTRONに入る信号のインピーダンスを調整します。パッシブ(ローインピーダンス)の楽器で使用する場合には右に回し、アクティブ(ハイインピーダンス)の楽器の場合は左に回して扱います。インピーダンスの調整が出来ることにより、エレキギターはもちろん、ベースやデジタル機器に接続しても音量差なく使用可能です。
この調整をすることでMastoTRONの性能を十分に発揮出来ます。
SUBS
低域周波数の調整が出来ます。1→2→3という順番で徐々に低音がグッと持ち上がります。劇的にサウンドが変わるので、トーンと兼ね合いで幅広いサウンドメイクが可能です。1→3に連れてボリュームが上がりますのでこちらもPWと同様にVOLUMEの調整しましょう。
サウンド
SUBSスイッチの効果もありますが、全体的にローミッドが強く協調されたサウンドです。ファズ特有の音抜けが悪くなる印象もありません。PWを9時、FUZZを12時で調整するとZ.VEXらしくないナチュラルなサウンドになります。
Z.VEXらしいファズサウンドにするのであればPWを右に回し切ると、ブチブチのぶっ飛んだサウンドも出せます。同時にFUZZも右に回し切れば、昔のゲームのようなピコピコしたサウンドも出来ます。
ファズとは思えないほどローエンドに厚みがあるため、ベーシストでも躊躇なく踏めるペダルですね。
使用感
コンパクトボディなのにノブが小さくて使いづらそうなイメージがありますが、ノブは背が高いためセッティングは非常にしやすいです。全体的にコントロールの効きが良いので好みのサウンドメイクをするのも楽ですね。
ただSUBSスイッチの位置がVOLUMEとTONEに近すぎて、変えると必ずと言っていい程ぶつかります。SUBSだけは先にセットしときましょう。
まとめ
様々な楽器で扱えるファズって魅力的ですよね。Z.VEXのユニークなサウンドを持ちつつ、現場で使いたい方にオススメです。
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