TC Elecronicと聞くとどのようなイメージがあるでしょうか?
「高品質のエフェクターやアンプを作っている海外メーカー」といった漠然としたイメージを持っていたり、良い評判を聞いたりしたことはあると思いますが、BOSSなどの国内メーカーも根強い人気の日本ではエフェクター自体はイマイチピンとこない方も多いかもしれません。
今回はTC Elecronic社の歴史やオススメ製品などを紹介いたします。
TC Electronicの概要と歴史
TC Electronicは1976年のKim RishojとJohn RishojのRishoj兄弟によってデンマークの学生都市オーフスにて創業されました。
二人はミュージシャンであった経験を活かし、ギター用ペダルエフェクターのSCF/Stereo Chorus+を開発しました。
その豪華でローノイズかつ透明なサウンドは、開発から40年以上たった今でもエリック・ジョンソンやジョン・ペトゥルーシなど一流のミュージシャンに愛され続けています。
同社は1985年にはラックマウント式のスタジオ機材の開発を手がけます。
中でもデジタルディレイのTC2290はU2のジ・エッジやRushのアレックス・ラルフソン、デイビッド・ギルモア、ロベン・フォード等、トップミュージシャンに愛用されるようになり、スタジオ機材の定番となりました。
その後もTC ElectronicはM5000やFinalizerなど高品質かつ革新的なスタジオ機材を次々に発表し高い評価を得る一方で、TANNOY、LAKE、TC HELICON、LAB GRUPPEN、TC APPLIED TECHNOLOGIESといったプロフェッショナル音響ブランドとTCグループを結成し、プロ音響メーカーグループとして世界的な地位を確立していきました。
2011年にはNAMMショーでペダルエフェクターのTonePrint Pedalシリーズを発表しました。
同シリーズに内蔵されているTone Print機能は、パソコンやスマホから各パラメーターをエディットして自分専用にカスタマイズしたり、有名アーティストの作成したセッティングをペダルに読み込めたり出来る画期的な機能です。
また同じく2011年に世界初のポリフォニックチューナーPolyTuneを発表し、同社にとって11個目のTEC Awardを受賞し大きな飛躍の一年となりました。
TC Electronicはその卓越した技術で独創的な製品をラインアップし、世界中のアーティストの信頼と期待を集め続けています。
TC Electronicのエフェクターの特徴
TC Electronicの製品全般のイメージと言えば「独創的」「クオリティが高い」「使いやすい」といったキーワードが浮かびます。
例えば「概要と歴史」で紹介した、SCF/Stereo Chorus+、TC2290、TonePrint Pedal、PolyTuneなどは、どれも独創的な機能を備えながらも、クオリティは高く、しかもユーザーフレンドリーな使い勝手を実現しています。
以前のTC Electronicのエフェクターは値段も高くアマチュアには手が届かないものが多かったのですが、最近のモデルはかなりリーズナブルな価格になりました。
アマチュアにも手の届く価格でありながらもクオリティは高く保たれており、このコストパフォーマンスの高さも大きな特徴の一つです。
おすすめのエフェクター
Spark Mini Booster
コントロールはLevelノブ一つだけという潔いブースターペダルです。
音質をほとんど変化することなく音量を最大20dbまでブーストできます。
フットスイッチには通常のオン・オフ(ラッチ型)に加えて、踏んだままにした時間でモメンタリー型に切り替えができる機能があります。
これによって例えばギターソロの間は踏み放しにしてブーストして、足を離すと音量が元に戻るといった使い方が可能です。
音質は基本的には原音を素直にブーストしますが、パッシブの状態から使用するとロスが減り、わずかにハリが出るのでサウンドをプッシュしたい場面に最適です。
エレキギターだけでなく、原音を重視するアコースティックギターやベースの音質補正にもおすすめです。
サイズがコンパクトで場所を取らないのがありがたいですが、その小ささ故に電池が使えないので注意が必要です。
もちろんトゥルーバイパス仕様です。
Flashback Mini Delay
コンパクトサイズのディレイペダルです。
Delay、Feedback、FX Levelと標準的なコントロールノブが配置されていてマニュアルなしでも簡単に使えますが、このペダルの特徴はTonePrint機能によって、いろいろな種類のディレイに入れ替える事ができる点にあります。
TonePrint機能とはペダルとパソコンをUSB接続して専用ソフトでパラメータをコントロール出来る機能で、通常のデジタルディレイ、アナログディレイ、テープエコー、モジュレーションディレイ、リバースディレイなど様々なディレイサウンドに入れ替えることが可能です。
またこのペダルをシールドでギターとつないだ状態で、スマートフォンの専用アプリ「Tone Print」から「ビー」という信号音を出してエレキギターのピックアップに近づけると、TC Electronicが用意した各種デフォルト・ディレイや、世界中のトップ・アーティストがカスタマイズしたディレイトーンに切替えて好みのサウンドにできます。
また、驚くのはこの小さい筐体でありながら本体のみでタップテンポ入力も可能な点です。
タップテンポ入力は、フットスイッチを長押ししながらギターでリズムを刻むことによって4分音符のディレイタイムがセットされる仕組みです。
こちらももちろんトゥルーバイパス仕様です。
Flashbackはディレイペダルとしてシリーズ化されており、いくつかのバリエーションがあります。
Hall Of Fame Reverb 2
スタジオ機器として音質に定評のあるTC Electornicのリバーブの血統を受け継いだコンパクトなリバーブペダルです。
オリジナルモデルの「Hall Of Fame」はコンパクトサイズでありながらも、ラック機材に引けを取らない音質の高さや使い勝手の良さが好評でした。
2017年に登場した、後継機種である「Hall Of Fame Reverb2」は更に機能が向上しました。
フットスイッチにかかる圧力でエクスプレッションペダルのようにパラメータをコントロールできるMASH機構の追加、新アルゴリズムのShimmerリバーブ、TonePrintスロットが1つから3つに増えるなど様々な面に大きな進化が見られます。
本体に4つのつまみがあるので多種多様なリバーブが表現できますが、さらにMASH機構を使うことで曲中に徐々にShimmerリバーブが深く広がる、といったよりダイナミックな表現ができるのがこのペダルならではの特徴です。
更にTonePrint機能でより細かくパラメーターを設定する事によって、自分だけのカスタムセッティングできるのも魅力です。
世界中の有名アーティストの設定を簡単に取り込めるのもTonePrint機能ならではの特徴です。
他にもステレオイン・アウト、トゥルーバイパス/バッファードバイパスの切り替えなど、小さいペダルに驚くほど多く機能が盛り込まれていて、本当にこの値段でいいのだろうか?とつい思ってしまうほどコストパフォーマンスの高いペダルです。
まとめ
TC Electronicの歴史やおすすめエフェクターを紹介しました。
同社のHPには「TC Electronicは『製品の名前が良く知られている』ということよりも、『製品が良いことで名前が知られている』ことの方に重きを置きます。」とあります。
創立当初からハイクオリティな製品を作り続け、音楽業界に歴史的な名機を数多く残してきたTC Electronic。
「良い製品づくり」を重視する、そんな社風がよく表された言葉だと思います。
今や世界中のアーティストに信頼され、これからも世界をあっと驚かせる製品がリリースされることを期待されています。
みなさんもぜひTC Electronicのエフェクターをお試しください。
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