長年、音質・機能共に”コンパクトエフェクターには敵わない”とされてきたマルチエフェクター。
しかし近年ではモデリング技術の進歩と共に、マルチエフェクターの音質・機能性が格段に向上し、プロミュージシャンも優先的に選ぶエフェクターとしての地位を確立しています。
そんなマルチエフェクター界で「コスト・音質・機能性」のバランスで抜きんでたメーカーがZOOMです。
本記事ではZOOMマルチエフェクターの種類・違いからオススメモデルを紹介します。
ライブもレコーディングもZOOMのマルチ1台でOK!というベーシストも増えていますよ。
ZOOM のマルチエフェクターの種類
現行のZOOMのマルチエフェクターは大きく分けて2種類のタイプがあります。
従来のように、ペダルやスイッチがたくさん付いた、いわゆるマルチエフェクター然としたタイプと、姿かたちはコンパクトエフェクターのような筐体に、マルチエフェクトの機能が凝縮された「マルチストンプ」と呼ばれるタイプです。
ZOOMにおける、それぞれの種類を見ていきましょう。
マルチエフェクタータイプ
下記「オススメモデル」の項でも紹介していますが、1つのボタンやスイッチに1つの機能を持たせ、さらにはエクスプレッションペダル(ワウやボリュームペダルとして使えるペダル)を搭載したモデルもあります。
現代のモデリング技術の発達やメモリ機能の向上に伴って、本体に保存して置けるエフェクターの数・種類・パッチ、全てにおいて使いきれないほどの数があります。
どのエフェクターも高品質で定評があるサウンドですので、ファースト・エフェクターとして申し分ない機能を有します。
ストンプタイプ
足を踏み鳴らすようなリズムをストンプと呼びますが、この”踏み鳴らす動作”で音色が切り替えられることからコンパクトエフェクターを「ストンプボックス」と呼ぶようになりました。
そのストンプボックスをマルチエフェクター化したモデルが、マルチストンプタイプのエフェクターです。
こちらは、基本的にはひとつのペダルを足で操作するため、マルチエフェクターのような操作性の良さはありません。
しかし、音色の切り替えはプログラムできますので、しっかり音作りとエフェクターの切り替えプログラムを組めば、ライブでもレコーディングでも強い味方となってくれるでしょう。
価格的にも初心者には非常に導入しやすい設定となっています。
ZOOMの歴史
1990年代に入り、ラックタイプのエフェクターから、”フロアマルチ”と言われる現代のマルチエフェクター型の機種の量産に入りました。
設立当時より、「アマチュアからプロまで使える幅広い機種」をリリースし続け、現代の音楽用電子機器トップブランドとしての地位を築いています。
近年、記憶に新しいZOOMのヒット製品は、音楽専用ハンディレコーダーの分野でしょう。
手軽さと高音質を武器に、ZOOMのハンディレコーダーは、ライブアーティストの間で瞬く間に広がりました。
エフェクターというニッチな分野にとどまらず「ミュージシャンに必要とされているものは何か」常に現場側に立った視点で日々開発されているんですね。
「音楽の現場で誰もが使える」機種を投入し続けることが出来るのがZOOMの強みでしょう。
これからもミュージシャンをワクワクさせる製品が出てくるんでしょうね。楽しみです。
ZOOMのマルチエフェクターの特徴
ZOOMマルチエフェクターは大きく3つの特徴を持っています。
- 音質の圧倒的クオリティ
- インターネット経由でのパッチやファームウェアの更新
- 高いコストパフォーマンス
どれもプレーヤーに嬉しい特徴ですね。それぞれ、詳しく見ていきましょう。
音質の圧倒的クオリティ
「アナログ回路を持つコンパクトエフェクターの音質には敵わない」と言われていたのはもう昔の話です。
ZOOMのマルチエフェクターで採用されているエフェクターのモデリング技術は、「デジタルくささ」を極限まで無くし、オリジナルの音質に肉薄する音色を再現しています。
これは、昨今のデジタル技術の向上と、ZOOM社の努力の賜物(たまもの)でしょう。
レコーディングされた音を聞いただけでは「アナログサウンドなのか、デジタルモデリングされたサウンドなのか聞き分けが付かない」レベルに到達しています。
是非一度ZOOMマルチエフェクターのモデルリングサウンドを体験してみましょう。
インターネット経由でのパッチやファームウェアの更新
ZOOM以外のエフェクターメーカーでも取り入れられている技術です。
ファームウェアのバグ修正や機能追加、また新しいパッチの配布などはインターネット経由で可能です。
これは、「いつでも最新の機能を使える」ということに他ならず、長く安心して使えるとにもなります。
エフェクターは買ったあとモデルチェンジしてしまうと音質も機能も後発のモデルの方が良好な場合が多いものでした。
しかし、インターネット経由でアップデートできる種類のエフェクターは「中身が古くなる」ということはありません。
アップデートで常に最新の状態にしておけるわけです。
頻繁に買い替えする必要もなくなり、安心して音作りに専念できますね!
高いコストパフォーマンス
ZOOM社は低価格と高音質を両立した類まれなるメーカーです。
ZOOMマルチエフェクターのリリース当時の機種は「たしかに安いんだけど、使える音が少ない」といったものでした。
しかし、現代のZOOMマルチエフェクターはどれも、高音質を保ちながら初心者やアマチュアでも入手しやすい価格設定となっており、マルチエフェクター購入時には必ず候補に入るトップブランドとなっています。
おすすめのモデル
ベーシストにおすすめのZOOMマルチエフェクターは下記の4モデルです。
現行ラインナップは4つ、プレイスタイルや状況に応じて選びましょう。
いずれのモデルもサウンドは折り紙付きです。
MS-60B
2013年の発売にも関わらず、インターネット経由でパッチをアップデートできるためロングセラーとなっているモデルです。
コンパクトエフェクターと同等のサイズながら、エフェクターの収容数は58種類(アンプモデリング含む)。
32ビットの超高解像度DSPから繰り出される迫真のサウンドは、現在でも新しいファンを増やし続けています。
電池駆動/ACアダプター駆動/USBバスパワー駆動と電源を選ばない設計となっており、スタジオからレコーディングまで幅広く使えるZOOMのフラグシップモデルです。
ベースとこれ(MS-60B)さえあればどこでも演奏できる!として、アマチュアからプロまで幅広く愛されています。
B1on/B1Xon
B1on/B1Xonはコンパクトなマルチエフェクターです。
B1onとB1Xonの違いは、B1Xonにはエクスプレッションペダルが付いてることです。
このペダルによりワウやボリュームペダル効果を出すことができます。
B1onシリーズは100種類を越えるエフェクターを内蔵し、ルーパー機能やリズムマシン機能まで有しています。
自宅にアンプが無くても、B1onにヘッドフォンを繋ぎ、良音で練習できる!として、住宅事情の厳しいベーシストにも嬉しい仕様となっています。
アクティブ/パッシブ両対応の入力端子に加え、AUX端子を備えているため、スマホ等からの音源を流しながら演奏をする、といった練習方法にも対応します。
乾電池でも駆動する設計になっているため、電源の確保が難しい路上やライブスペースでも威力を発揮します。
B1 FOUR/B1X FOUR
B1 FOURシリーズは2019年発売のベースマルチ最新機種となっています。
特徴はモデリング技術の搭載です。
アンプ及びエフェクターのモデルを搭載しており、高額や絶版のため入手困難なブティックアンプやビンテージエフェクターの音を楽しむことができます。
技術進歩により、高解像度で再現されるブティックアンプのサウンドをぜひ試してみてください。
往年の名プレーヤーたちがこぞって使用するアンプ/エフェクターの迫真のサウンドを、自宅に居ながらにして手に入れることができます。
B1 FOURシリーズでは、Guitar LABソフトウェアとの連携も可能です。
Guitar LABはインターネットに接続し、エフェクトのパッチ管理をするPCソフトウェアです。
Guitar LAB上で新エフェクトの追加や各種パラメータの細かい設定やバックアップをすることができます。
これで、パッチの管理や編集のわずらわしさから解放されますね。
B3n
B3nも他のZOOMマルチエフェクターの流れを汲むモデルですが、ひとつユニークな点があります。
それは、メモリーモード/とストンプモードといった2つのモードを搭載することで、演奏中に個々のエフェクターのON/OFFや、パッチの切り替えを同時できることです。
この機能が搭載されたことで、個々のエフェクターを並べて音作りしたときのようなシンプルな足元を実現できます。
こういったユーザビリティを考慮した設計はZOOMならではですね。
内蔵エフェクターは7台まで同時利用でき、オプションのエクスプレッションペダルが接続できる拡張性もあります。
コンパクトな個体からは想像できないようなパワーを秘めたモデルです。
まとめ
日本の誇る音響機器メーカー、ZOOM。
40年近い歴史の中で、数々の名エフェクターを生み出し、今や世界有数のエフェクター・音響機器メーカーとなりました。
プレーヤー寄り添った設計でありながらも、新しい技術をどん欲に取り込んだ設計で、今もたくさんのZOOMフォロワーを増やし続けています。
価格面でも常にアマチュアや初心者が入手しやすい設定となっており、音質面とともにミュージシャンをバックアップしてくれる偉大なメーカーです。
「ZOOMサウンド」と言われる突き抜けた高音質を、ぜひ体験してみてください。
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