低め? 高め? ベースの弦高によるメリットとデメリット、調整方法

こんにちは! GIBの嵯峨駿介(@SAxGA)です!

お店でベースのセッティングについてよく相談を受けるのですが、その中でも「みんな悩んでるんだなぁ」「みんなこだわりがあるんだなぁ」と思うのが”弦高”について。確かに、最もプレイスタイルや楽器のサウンドに影響を与えるアコースティックな要素は弦高かもしれません。今回は弦高を低めにしたとき、高めにしたときのメリットとデメリットについて僕の意見を書きます。

ちなみに弦高調整についてはコチラの記事にまとめているので気になったらぜひ。
自分でできるギター、ベースの弦高調整の方法

目次

  • 低めの弦高
    • メリット
    • デメリット
  • 高めの弦高
    • メリット
    • デメリット
  • まとめ

低めの弦高

10年ほど前に比べるとべたべたの「スーパーローアクション」みたいなのは減りましたけど、今でもどちらかというと低めの弦高を求める方は多いです。低めの弦高がどれくらいかと言うと、1弦12フレットで1.0-1.7mm、4弦12フレットで1.5mm-2.2mmほどが低めとして定義されていますね。一般的に、メーカーから出された時点で低めにセッティングするところは1弦12フレットで1.5mm4弦12フレットで2.0mmほどにされていることが多いです。

メリット

弦高を低めにするメリットはいくつかありますが、まずは弾きやすいということでしょう。弦を押さえるのに大きな力が要らなくなるので、左手の動きはスムースに、ピッキングに必要な力も小さくなるので右手の負担は減ります。

次に、ピッチが正確になる点。ベースやギターのフレットは理論上弦高0mmで正確なピッチが得られるようにできています。これが何を意味するかと言うと、弦を押さえた分だけピッチは上がり、不正確なものになっていってしまうということですね。ただし、これは大きく問題になるものではありません。そもそもピッチはパーフェクトな楽器ではないわけですね。

最後にサウンド。弦高を下げると弦にかかる余計なテンションが減るため、よりナチュラルな弦振動が得られ、結果的に倍音が豊富で鋭いサウンドになります。ですので、スラップの切れ味やフィンガーでのバキバキ感を必要とするベーシストには低めの弦高がいいかもしれないですね。

Point

弾きやすい

ピッチが良い

倍音が豊富

デメリット

まずはビビりやすいという点。弦高を下げるというのはフレットに弦を近づけるということ。つまりはフレットに弦が当たりやすくなってしまうわけですね。また、ネックの状態が変わった時に弦高が低めのセッティングだと高めの時に比べてすぐにビビりだします低めだとビビるまでの余裕が少ないということです。フレットに弦を当てる音を求めるプレイヤーもいるので、その場合に限っては一概にデメリットだとはいえないかもしれないです。

次に、音が薄くなってしまう点。倍音が豊富なのはメリットでありながらも同時にデメリットでもあります。倍音が豊富なために基音が薄くなり、ともすると存在感が薄くなってしまいます。特にエフェクターやアンプでの補正が薄いラインでの音を聞くとそのデメリットは顕著です。ただし、この点は比較的薄いというだけで、全く問題にならない場合も有りますし、「エフェクターでガッチリ補正してアグレッシブに弾きまくるぜ!」みたいなプレイヤーには特にデメリットではないかもしれません。

Point

ビビりやすい

少しのネックの状態変化でビビるようになる

倍音が多いせいで音が薄い

高めの弦高

高めの弦高というと、1弦12Fで2.5mm以上、4弦12Fで3.0mm以上を示します(僕が「高めで」とオーダーされたらそうします)。安価な価格のベースでは出荷時の設定でこれくらいの弦高になっていることもありますね。この理由は、弦高が高過ぎても音は出るけど低すぎると音は出ないからです。

メリット

基音が強く、音程感が強く出たサウンドが特徴的です。例えばこれは、音が細くなりがちなラインで信号を扱うシチュエーションなどでは非常に大きなメリットになると思います。また、強くピッキングしてもビビリづらく、激しいピッキングによるサウンドが必要な方や、演奏の細かい点に気を使いたくない方にとってもメリットがあります。

多少ネックが動いても、弦振動やプレイヤビリティが大きく影響を受けづらいのも特徴の1つ。

Point基音の強いサウンド
ビビりづらい
ネックが動いても影響を受けづらい

デメリット

まずは弾きづらいということですね。もちろん程度によるものではありますが、弾くのに必要なエネルギーは大きいと言えるでしょう。また、フレットに抑えつけるまでの距離が大きい為にピッチが揺れやすく、ピッチには気を付ける必要がありそうです。

Point
弾きづらい
ピッチが揺れやすい

まとめ

まとめると、低めの弦高がおすすめなのはラップで切れ味が欲しい、バキバキのフィンガープレイがしたい、身体的な負担を減らしたい、というプレイヤー。高めの弦高がおすすめなのは基音の強いサウンドが欲しい、ピックで太い音を出したい、フィンガーで丸い音を出したい、というプレイヤーです。とはいえ一概にその通りというわけではないので、やはり自分にピッタリの弦高を探したいですね。

Geek IN Boxの”弦振動のパーソナルセットアップ”は文字通りプレイヤー1人1人に合わせて最適なセッティングを探していくメニューです。もしも弦高やネックのセッティングで迷っていたら、ぜひ使ってください。詳しくはコチラ

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プロが教えるベースのネック調整の方法

追記:道具について

弦高を調整するときに必要な、もしくはあると便利な道具を以下紹介するので興味のある方はチェックしてみてください。



0.5mm刻みのスケールです。
これを使って、0.1mm単位で目算します。



ブリッジの調整やノブのイモネジを回すのに必要な六角レンチセットです。
可能ならミリとインチでそれぞれそろえたいところ。



クリップ式のチューナーです。
机に置いたり、実際に構えたり、楽器を取り回す時にシールドが刺さっていると邪魔なので、僕は調整の時はクリップチューナーを使っています。



スパイラルブリッジのイモネジは六角ではなくマイナスの溝のことが多いので、このマイナスドライバーは必須です。
黄色い部分がくるくる回るので、指先で微妙な調整をする弦高調整にピッタリ。
僕個人的にお気に入りで、リピートしてます。

 

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