UKの雰囲気を纏うギター Kz Guitar Works / Kz One Junior【PR】

こんにちは、GIBの嵯峨駿介です! 最近SugiやSago new material guitars、SAITO GUITARといったハンドメイド系のメーカーの台頭が目立ちます。フェンダーやギブソンのように大きなメーカーではなくとも正しいバリューを伝えれば消費者に届く、現代のSNSがあるからこその大きなメリットのように思います。

数多くのハンドメイドギターブランドの中でGeek IN BoxはKz Guitar Worksに注目しています。みなさんもどんなギターかは知らなくても名前は知っている方は多いと思います。今回はKz One Juniorというモデルの紹介記事ではありますが、1つのモデルに限定することはなく、彼らの根本的な理念や優れた独自性まで広く皆さんに伝えられたらと思います。

目次

  • Kz Guitar Worksってどんなメーカー?
  • オリジナルデザインのKGWピックアップ
  • フェンダーとギブソンの中間のスケール
  • こだわりのケーラーブリッジ
    • スムースなベンディングと変化幅の大きさ
    • 調整可能な要素の細かさ
  • 愛用しているギタリスト
    • 渡辺香津美
    • アダム・スラック
  • Kz One Juniorインプレッション
    • Kz Guitar Works Kz One Junior 3S11 T.O.M Antique Mahogany
    • Kz Guitar Works Kz One Junior 3S11 Synchro Black
  • Kz Oneシリーズ各モデル紹介
    • Semi-Hollow
    • Solid
    • Junior
    • Adam Slack Model
  • Kz Oneのオプション
    •  ピックアップ
    •  ブリッジ
    •  ネックグリップ
    • コントロール
  • まとめ

Kz Guitar Worksってどんなメーカー?


Kz Guitar Worksは神奈川県逗子に工房を構えるモダンギターの製造を得意とするメーカーとして知られていますが、始まりは伝説的ロックバンド、QUEENのブライアン・メイのレッド・スペシャルを製作するために立ち上げられた工房です。2007年から2010年にレッド・スペシャルの製造を手掛けた後、オリジナルモデルKz Oneシリーズの製造をスタートします。

Kz OneシリーズにはSemi-Hollow、Solid、Junior、Adam Slackといくつかのバリエーションがあり、またピックアップやハードウェアなどの細かい点については豊富なオプションが用意されています。フレキシブルに楽器製作ができるのは1本1本を丁寧に製作するKz工房だからこそ。

NAMM showをはじめとした国内外の様々な展示会に出展しており、知名度は国内外問わずに急上昇中。要注目のギターメーカーです。

オリジナルデザインのKGWピックアップ


Kz Guitar Works のオリジナルシングルコイルピックアップ、KGWはそのサウンドを高く評価されています。一般的なシングルコイルピックアップよりも薄く、そして広い幅でデザインされており、従来よりもファットでピッキングニュアンスを繊細にマイキングします。以下で製作過程を少しだけ公開。


ピックアップはいくつかのパーツの集合体。そのため、元は当然このような別々のパーツです。こちらは加工前のボビンとマグネット。ポツポツと空いている穴はコイルとリード線をつなぐための端子のような役割を果たします。


このようにそれぞれを組み込み、コイルを巻いていきます。


巻き終わったものがこちら。こだわりをもってデザインされたターン数に従って正確に巻かれます。


仕上げられたボビンはヨークと組み合わせられます。このヨークは弦振動を電気信号に変換する効率を高め、サウンドに大きく影響を与えます。また、シールドとしての効果も高く、対ノイズ性能としても良好な影響をもたらします。


組み上げ後。


ワイヤーや組み込みに必要なパーツを取り付けるともう完全にピックアップ。


完成です。

KGWは60年代のUKスタイルをモチーフにしたシングルコイルピックアップで、ヴィンテージライクなブリティッシュトーンを取り入れながらも高い音圧感低レベルなノイズなど、多くのモダンな要素を持ち合わせています。

マグネットには意図して減磁したセラミックマグネットを採用。これにより広いレンジとウォームなトーン、長いサスティーンが得られるとのこと。一般的なシングルコイルピックアップのようなポールピースを使ったスタイルではないのでピックアップの磁界は広く、大きなチョーキングや激しいピッキングでもピックアップは弦をとらえ続け、ハーモニクス豊かなサウンドを出力し続けます。

ワイヤーは一般的なものよりも少し細いマグネットワイヤーを採用。ターン数は少なめにしてコイル体積を小さくし、ハムノイズの発生量は限りなく抑えられています。コイルはワックスポッティング、エポキシ樹脂のコーティングが施され、ハウリングにも非常に強い構造です。フロント、センター、リアの各ポジションで最適なバランスが得られるようターン数は調整されています。当然ながらミドルポジション用のピックアップは逆巻き逆磁極で設計され、ミックスポジションでハムキャンセル効果が得られます。

フェンダーとギブソンの中間のスケール


スケールとは、ナットからブリッジまでの長さを示し、サウンド、弾き心地、ルックスなど多くの面において多大な影響を及ぼすギターで最も根幹的な要素の1つです。

フェンダーでは647.7mm、ギブソンでは628.65mmを標準的に使用していますが、Kz Guitar Worksでは両者の中間である635mmを採用。これにより、フェンダーとギブソンどちらを愛用するギタリストにとっても違和感のない弾き心地が持たせられ、またKz独自のサウンドを生みだしています。

ちなみにこの635mmスケールはPRSも採用しているスケールです。

こだわりのケーラーブリッジ

Kz Guitar Worksでは主にケーラーのトレモロブリッジとT.O.M.のスタイルのブリッジの2つを自社のギターに採用しています。一般的にはよりトラッドなスタイルのシンクロナイズドトレモロの採用率が高いのですが、あえてケーラーを使う理由をケーラーブリッジの構造や優れた点から探ろうと思います。

スムースで変化幅の大きいベンディング性能

トレモロブリッジって音程を変化させるのが目的のブリッジなので、ベンディングに関する性能が最も重要な要素の1つです。アーミングが非常に軽やかで、それでいて音程変化は大きいためにギタリストはその使い心地を非常にユニークに感じます。変化幅の大きさは特にメタル全盛期時代にはギタリストたちに大きく支持され、フロイドローズと人気を二分しました。

スムースなアーミング、変化幅の大きい音程変化、この2点はケーラーブリッジが支持される理由の一部のようです。

調整可能な要素の細かさ

T.O.M.のように、調整できるところがほとんどないブリッジを搭載したギターというのは逆に諦めがつきます。「構造上仕方ないんだから」、といった具合に。しかし、ケーラーは調整幅は無限のようにあるためにある意味でリペアマン泣かせ、ある意味でリペアマン喜ばせ(?)なわけですね。調整可能な要素を挙げると、「サドルの高さ」「サドルの前後位置」「弦間ピッチ」「スプリングのテンション」「ボールエンド位置」「アームのトルク」「トレモロロック」「チューニング」と一般的なブリッジとは比べ物にならないほどに多くの要素が詰まっています。細かなテンション感やアーミングのイントネーションの調整が出来る点が非常にユニークですね。

本来ロックナットを併用することが推奨されていますが、Kz Guitar WorksではGOTOHのロックペグと、高精度のTASQ製ナットを使用することでロックナットなしでも安定したチューニング性能を実現しています。

細かな調整方法やケーラーを使う理由などがまとめられた記事がKz Guitar Worksのサイトに載っていますので、こちらも併せて読んでみてください。
Kahler(ケーラー)トレモロを大解説

愛用しているギタリスト

Mr.アダム・スラック、Mr.ダニエル・ゴメス、Mr.ブレント・マスカット、渡辺香津美さん、本田毅さん、清水一雄さん、高橋圭一さん、といった多くのこだわりを持つギタリストがKz Guitar Worksのギターのユーザーとして知られています。

あらゆるジャンルのギタリストが愛用していることからわかるとおり、決してジャンルやスタイルを限定するギターではないことがわかります。一部のギタリストのレビューを載せます。

渡辺香津美

ケイズギターワークスのKz One Semi-Hollow(セミホロー)を初めて弾いた時の印象は「僕の所有している、どのギターにも無いサウンドが出せる」というものだった。フロントのシングルピックアップのスイートなトーン。2つのピックアップの組み合わせから生れる、多彩なハーフトーンの歯切れ良さ。ピックアップをシリーズにしてアウトプットする、ファットでパワフルなサスティーン。どれも伝統的なサウンドのニュアンスを残しつつ、極めて様々なジャンルの音楽にフィットしそうなサウンドだ。そして最もユニークなのが必殺のフェイズ・アウト・トーン。一体どこで使ってやろうか(笑)。

この楽器の東京デビューは、僕がかつて参加していたテクノバンド「YMO」のトリビュートライブ。Kz Oneは、ステージを飛び交うシーケンサーの細かなラインと、シンセベースの分厚いボトムにも埋まることなく、リズムカッテイングからオーバードライブさせたソロまで、実に気持ちよくプレイさせてくれた。まさにスタンダードにしてモダーン! ネックのグリップも馴染み良く、ピッチの安定感もライブでは強い味方だ。逗子発信のオリジナリティー溢れるギター、Kz Oneのさらなる進化を楽しみにしている。

アダム・スラック

僕はKz Guitar Worksと一緒にこのギターをデザインし、セミホローボディーに、シンプルに1ハムバッカーを合わせたんだ。ライブではブリッジポジションのピックアップしか使わないからね。ボリュームとトーンを使ってサウンドメイキングするんだ。また、このギターは’58スタイルのミディアム・ファットグリップを採用してもらったんだ。素晴らしいサウンドだし、とても心地よくプレイできる。ジューシーでパンチのあるミドルレンジ、そして伸びのあるハイトーン・・・このギターが大好きだよ!

Kz One Juniorインプレッション

今回レビューするのはGeek IN Boxの店頭にディスプレイしているKz One JuniorシンクロモデルとT.O.M.モデルです。まずはT.O.M.モデルから。

Kz Guitar Works Kz One Junior 3S11 T.O.M Antique Mahogany


美しい木取りのマホガニーがネック、ボディに使われています。このことからギブソンのスタイルをモチーフにしていることが分かります。

コントロールはボリューム、トーン、ピックアップセレクターといったスタンダードなものにプラスして、ミックス時のパラレル/シリーズの切り替えミニスイッチと、ボリュームを引っ張ると動作するミドルPUのフェイズチェンジスイッチが搭載されています。彼らはこのようなコントロールを搭載することを前提にしてピックアップデザインを自分たちで行っているため、単体、ハーフトーン、シリーズ、フェイズアウト、全てのシチュエーションで高品位なサウンドが得られます。このサウドバリエーションの広さと、とってつけたものではないサウンドクオリティの高さがKzギターの大きな魅力です。


同じ材で作られているので、バックが美しいですね。ディテールのデザインが非常に美しくてですね、


ご覧の通り、ジョイント部分の造形が美しくユニークです。強度と弾きやすさ、トラッドなデザインの最大公約数的な印象を受けます。


見ての通り、ヘッドストックは非常に特徴的で、まるで家紋のようなスティールプレートが取り付けられています。ペグはGOTOH製です。


ピックアップはオリジナルのシングルコイルピックアップ、KGWです。一般的なシングルコイルピックアップよりもファットでかつバイト感のあるサウンドに感じます。トレモロモデルと比べるとウォームで優しい倍音を感じます。ミドルレンジの厚みはユニークなポイントで、特にフロントとセンター、もしくはセンターとリアでのシリーズでのミックスサウンドはまるでミドルレンジの張り出たハムバッキングサウンドそのもの。歪ませると激しく叫ぶように伸びる歌うトーンが得られます。

Kz Guitar Works Kz One Junior 3S11 Synchro Black


先ほどのT.O.M.とはうって変わってフェンダーをモチーフにしたウッドマテリアル、ハードウェアが特徴的なトレモロモデル。ボディはアルダー、ネックはメイプル。


パネルの精度はもちろんバッチリ。僕はそういうところ結構気になる派です。


T.O.M.モデル同様のジョイントデザインです。同じカラーだとそれはそれで良いし、色分けされてるとさらに精度の高さや造形の美しさを感じます。ネックは美しいクォーターソーンで木取りされていますね。


ヘッドストックはT.O.M.モデルと同様で、プレートも取り付けられています。


トレモロモデルなのでチューニングの狂いを最低限に抑えるためにペグはGOTOH製ロック式を採用。ナットの精度も高く、チューニングの安定性は良好です。


ピックアップはKGWシングルコイル。アルダーボディ、メイプル指板というウッドマテリアルとシンクロナイズドトレモロブリッジというスペックのイメージ通り、T.O.M.に比べてカラッとした響きを感じます。豊かな倍音に支えられたジューシーなミドル、煌びやかなプレゼンスなどは非常にユニーク。クリーンでの幻想的なサウンドは魅力的ですが、少しドライブさせると途端に顔色を変え、突き抜けるようなリードサウンドが得られます。シングル、ハーフ、フェイズアウト、シリーズ、全ての面において完璧なバランスが取れており、高いデザイン性を感じます。

Kz Oneシリーズ各モデル紹介

Semi-Hollow

次世代のスタンダードを目指して製作されたフラッグシップモデル。ボディを大きくくり抜いたSemi-Hollowモデルはエアー感のあるサウンドと軽量さからくる取り回しの良さが特徴的です。

見ての通りボディは大きくくり抜かれています。くり抜かれるボディバックは高品位なホンジュラスマホガニー。ボディトップはハードロックメイプルホンジュラスマホガニーのどちらかが使われます。倍音豊富で甘い、心地よいエアー感はユニークなポイントです。

Solid

フラッグシップモデル、Semi-Hollowのソリッドボディバージョン。よりタイトでギュッと詰まったサウンドが特徴的です。現在トラッドなモデルを使用している方にとっては馴染みやすいものになっているかもしれません。

Junior

今回紹介したモデルですね。シンプルであるからこそ、ストレートでソリッドなトーンが得られます。戦略的な価格を含め魅力的なプロダクトです。

Kz One Adam Slack Model

ロックバンド The Strutsのギタリスト。ハムバッキングピックアップ”Kz Classic”をリアに1基配されたライブ仕様のスペックです。ボディはセミホローのデザインになっており、ファットでありながらもエアー感のあるサウンドにデザインされています。

Kz Oneのオプション

Kz Oneはピックアップやネックグリップなどにオプションが用意されています。

ピックアップ

ピックアップはシングルコイルピックアップ、KGWかハムバッキングピックアップ、Kz Classicから選べます。KGWは前述しましたが、Kz Classicも同様にオリジナルでデザインされたこだわりのハムバッキングピックアップです。50年代の伝説的なヴィンテージハムバッカーをモチーフにしており、基本的なサウンドはヴィンテージ寄り。それでありながら、現代の環境や現代的な音楽に対応するためのレンジの広さやピッキングニュアンスの出しやすさ、を意識したモデルです。

ちなみに、KGWの直流抵抗値はネック7.5k、ミドル7.7k、リア7.9k。Kz Classicはネック7.9k、リア8.3kに設定されているとのことでした。

ブリッジ

ブリッジはトレモロタイプのケーラーか、もしくはT.O.M.のどちらかを選べます。人気はケーラーの方があるとのことです。工房製のカスタムモデルオーダーに関してはトラディショナルなシンクロナイズドトレモロやフロイドローズなどでの組み込みをお願いすることもできると思います(要相談)。

ケーラーモデルはカラッとした響きで、T.O.M.はよりソリッドでストレートなサウンドに感じました。個人的にはセミホロウモデルにはケーラー、ソリッドにはT.O.M.が好みです。でもJuniorのシンクロモデルも良かったなぁ。

ネックグリップ

ネックグリップはモダン・C・シェイプ、ミディアム・ファット・グリップから選べます。標準で採用しているのはCシェイプで、ファットはオプションのようなイメージですね。

コントロール

コントロールは3トグルスイッチか、5-wayレバースイッチから選べます。5-wayレバースイッチは今回紹介したJuniorモデルでも採用されているもので、3トグルスイッチはレッドスペシャルのコントロールをベースにしています。3つのピックアップそれぞれのオンオフとシリーズ/パラレルの切り替え、フェイズの切り替えが可能です。

まとめ

逗子の決して大きくはない工房を拠点に、確かなヴィジョンと明確なコンセプトを持って高品位なギターを製作するKz Guitar Works。彼らの愚直なまでにストレートでシビアなモノ作りは決して海外の高価なギターに劣るものではないことは弾いことがある方には十分に伝わると思いますが、この記事で弾いたことがない方に少しでも彼らの魅力が伝わればと思っています。

Kz Guitar Worksでは常に新しいプロダクトの開発を続けており、新たにストラトキャスターをモチーフにしたモデルやレッドスペシャルの復刻、ベースなどが計画されているそうです。既にその情報はSNSなどで発信されている部分もあるので、よろしければチェックしてみてください。

Kz Guitar Works http://kzguitarworks.com/
Twitter https://twitter.com/kzguitar

大手楽器店での販売、修理業務やプロベーシストのローディー経験の後に海外向けの小売業に従事。その後ベースショップGeek IN Boxを立ち上げ、現在はGeek IN Boxの運営の他にベースマガジンなどでの執筆を多数担当。

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