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◎ベースのこと、ちゃんと理解していますか?
ベースのパーツを正確に理解することで楽器の仕組みに対する理解も深まります。
何も分からずに感性に任せて弾くことも楽しいですが、基本的な知識は持っておいて損はありません。
ベースのパーツ特集後編では、引き続きパーツの紹介をおこなっていきます。
パーツ名称を覚えるついでに雑学を身につけて、明日から周りのベーシストに差をつけていきましょう。
前編ではヘッド部分からナットまで紹介しました。今回はネックの紹介からはじめたいと思います。
○ネック
(取り外されたジャズベースのネック。)
(②ネック裏側。ヘッド側に向かって細くなっている事が分かる。)
ベースのネックはギターに比べ遥かに長いです。一般的なジャズベースはロングスケールという長さに設定されています。
一番ポピュラーな弦長なので、このロングスケールタイプに慣れておくと良いでしょう。
他にもミディアムスケールやショートスケールと呼ばれる弦長の短いタイプのベースや、エクストラロングスケールと呼ばれるジャズベースよりも長いタイプのものがあります。
目安の長さと特徴は以下の通りです。
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ショートスケール-30インチ
【ムスタングベースやバイオリンベースなど。小柄で弾きやすいのが特徴】
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ミディアムスケール-32インチ
【ロングスケールをダウンサイジングしたもの。手の小さい人向け】
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ロングスケール-34インチ
【バランスも良く、鳴りも得られる。一般的なジャズベースに代表されるサイズ】
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エクストラロングスケール-35インチ以上
【5弦などの太い弦のテンション(張力)を稼ぐ為に長く設計されたもの。】
ベースは弦が太い分、スケールを長く取らないと鳴りが充分に得られなかったり、音程が狂ってしまったりします。
弦を購入する際には自分のベースのスケールと同じものか確認しておきましょう。
ジャズベースの場合は、グリップがCシェイプと呼ばれるものでローポジション(1-5フレット辺り)になるに連れて細く設計されています。
プレシジョンベースはジャズベースに比べてグリップが太く、一般的にはジャズベースの方が運指(弦を押さえるポジション)が楽になると言われています。
○フレット
(③横から見た図。フレットがT字の形をしている事が確認できる。)
フレットは弦を押さえた時に正確な音程を取る事ができるように取り付けられています。
金属のバーが等間隔で並べられ、簡単に抜けないように返しがついています。
これらによってフレットは指板に固定されているのです。
(④打つ前のフレット。ギザギザの部分が返しにあたる。)
ベースにおけるフレットの誕生はエレクトリックベースが生まれた起源にまで遡ります。
昔はバンドで低音を支える楽器としてコントラバス(ウッドベース、ダブルベース)が一般的でした。
現在でもジャズやビッグバンドで使われていますが、2m近い楽器なので運搬が大変だったり、音程を正確に取るには鍛錬が必要であったり、バンドでエレクトリックギターが使われるようになると音が埋もれてしまうようになりました。
そんな時代にフェンダー社がエレクトリックベースを作ったのです。
1951年にフェンダー社は「プレシジョンベース」を発表します。プレシジョンとは「正確な」という意味があり、フレットを打つ事で誰でも正確な音程を取る事ができる画期的なものでした。
フレットとフレットの間で弦を押さえる事で音程を取る事ができ、ナット側から1フレット、2フレット…と数えていきます。
フェンダースタイルのジャズベースの場合、最高音は20フレットとなりますが、種類によって21フレット、24フレット、36フレットなんてものもあります。
基本的には20フレットあれば困ることはありませんが、24フレットのベースはポピュラーになりつつあるので、選択肢に入れておくと良いでしょう。
○ポジションマーク
(⑤ドットポジションマーク。写真のものはパーロイドと呼ばれる素材。)
ポジションマークはジャズベースの場合、3・5・7・9・12・15・17・19フレットについています。
写真でお見せしたマークは一般的なドットポジションと呼ばれる丸型のもので、他にもブロックポジションやブランドによっては綺麗な模様があしらわれたものも存在します。
フレットの位置が視認しやすくなる事と、装飾としての役割を果たしていて、素材にも種類があります。
パーロイドと呼ばれるセルロイド樹脂を使ったものが一般的なベースには用いられている他、パールやアバロンなどもポジションマークには用いられています。
また、視認性が良く派手な見た目が人気のLEDを仕込んだものや、蓄光性のあるものなど、ポジションマークはライブ演奏で効果を発揮します。
◎おわりに
今回はネックを中心としたパーツの紹介でした。
ネックはベースにとって演奏性に直接関わるパーツが多く、どれも定期的なメンテナンスが必要になります。
小まめなメンテナンスをして、常に弾きやすい状態を維持できるよう心掛けましょう。
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