5弦ベースを弾いているとそこと同じようにギターでもLow-Bの音域が欲しいシチュエーションはありませんか? 今回紹介するのはLow-Bの音域をギターでプレイしたい方にオススメのエレキギター、Sago New Material GuitarsのSeed Kotetsuです。7弦ギターやマルチスケールギターとは異なる、斬新な演奏性と多彩なサウンドが魅力的なギターです。
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目次
- Seed Kotetsuとは?
- 7弦ギターの音域を6弦でカバーする長いネック
- 3種類の異なるタイプのピックアップ
- 使用感
- まとめ
- 仕様
Seed Kotetsuとは?
はじめにSeedとはSago new material guitarsのスチューデントブランドです。Sagoの楽器を愛用するアーティストのアイディアを元に設計し中国の技術提携した工場で量産することで、極限に高いコストパフォーマンスを実現しています。
このSeed Kotetsuは和楽器バンドやm:a.tureで活躍している桜村眞氏(和楽器バンド:町屋)のシグネチャーギターですが、単なる廉価版モデルではありません。以下で詳しく取り上げる29フレットを採用した長いネックと3種類の異なるタイプのピックアップが大きな特徴。「1ステージを1本のギターで完結させる」というコンセプトの元、様々な観点からこだわり抜かれた唯一無二な1本です。
7弦ギターの音域を6弦でカバーする長いネック
839mmスケール、29フレットを採用したネックは非常に大きな特徴です。チューニングはB/E/A/D/F#/Bと通常のエレキギターに5フレット分低い音域を加えた仕様となっています。839mmスケールはギターとしては異常に長く、ロングスケールのベースとほぼ同じ長さです。
非常に長いスケールですが、5フレットにカポタストを装着すれば通常のスケールを持つ24フレットのギターと同じように演奏ができます。スケールを伸ばすというよりもマイナス方向にフレットを付けたしたようなイメージですね。
この超ロングスケールのメリットとしては、7弦ギターの音域を6弦ギターと同じコードワークで演奏することができることです。7弦ギターの性質上、6弦ギターのようなコードワークをそのまま使うのは難しく、パワーコードやリフが中心となるでしょう。Seed Kotetsuでは6弦ギターと同じコードワークでより低いポジションでのコードボイジングを可能としています。例えばこのような指の形でGmaj7が鳴らせるのも新鮮ですね。
カポタストを移動させるだけで、通常のギターの半音下げや1音下げチューニングの状態に瞬時に変えることができます。チューニングの違いを理由にしたギターチェンジは考慮せずにライブステージをプランニングできますね。
そしてギターの教育上、音のポジションが絶対的であることが重要だと桜村氏本人が語っています。通常のギターで言うなら5弦の開放弦は必ずAであり、チューニングチェンジして、一からその音のポジションを覚え直すとなると応用が効かなくなると考えています。鍵盤楽器で言えば49鍵からフルスケールになったようなイメージで、これまでのプレースタイルを崩すことなく使える音域が増えるのがこのスケールの最大のメリットです。
3種類の異なるタイプのピックアップ
フロント P-90 Type Soap bar
フロントのP-90はクリーミーなサウンド。クランチ気味に淡く歪ませてアルペジオを弾いたり、クリーン系のソロと相性がいいです。中低音がしっかり出て、強めにピッキングするとプレシジョンベースのようないなたさもあります。
センター ST Type Single coil
センターのストラトタイプのシングルコイルピックアップは出力が抑えられ、ジャキっとしたサウンドが特徴的。カッティングやギタースラップ時に歯切れの良いサウンドが出せます。
リア Twin-rail Type Humbucker
リアのツインレイルタイプのハムバッカーは歪ませるとパワフルで厚みのあるサウンドです。Low-Bでパワーコードを鳴らすとメタルやラウド系を連想させるいかついサウンドが出せます。
またピックアップは3wayトグルスイッチによって切替を行います。ストラトキャスターのように2つ以上のピックアップを選択してハーフトーンを出すことは出来ません。
使用感
安価なモデルではありますが、ネックには強く安定感を感じ、中国製だから作りが荒いと言ったことは全くありません。弦とネックが太い7弦ギターのダークなLow-Bとは違い、Seed KotetsuはオープンでハリのあるLow-Bが鳴らせます。その為、オープンコードで6弦~1弦全て鳴らしても濁ることなく、低いレンジでもコードを綺麗に鳴らせます。
ちなみにギター弦は通常のものを使用可能で、ピックアップや他のパーツ類も当然通常の6弦ギターのものが使えます。この点は7弦ギターを扱うとなると選択肢が限定されてしまいますが、そのような弊害がなくハードウェアを自由にカスタムできます。そしてブリッジにはロック式のフロイドローズが採用されており、激しくアーミングしてもチューニングが狂いにくいです。
なお3種類の異なるピックアップにより、激しいロック、ラウド系のサウンドから、カッティングを中心としたファンク、ジャズテイストなお洒落なサウンドまでどんなジャンルにも対応できます。Sagoが監修しているだけあってアンサンブルでもしっかり音が抜けて、プレーがしやすいですね。ちなみにSagoのOveというベースをボディのモチーフにしているように思われ、ハイフレットへのアプローチもスムーズです。
まとめ
以上となりますが、いかがでしょうか?
まるで7弦ギターとレスポール、ストラトキャスターをいっぺんに手にしたような感覚。ライブはもちろん、宅録やレコーディングでもSeed Kotetsuが1本で様々なシチュエーションで対応出来ます。スケールが特殊なので、ビギナー向けではないように見えますが、演奏性も非常に優れているので、最初の1本にもオススメです。この斬新な演奏性を是非一度体感してみて下さい。
【仕様】
Body: Basswood
Neck: Hard Maple(Bolt on)
Finger Board: Rose wood
Bridge : Floyd Rose FRTS
Front P.U. : P-90 Type Soap bar
Center P.U. : ST Type Single coil
Bridge P.U. : Twin-rail Type Humbucker
Control : Volume + Tone + 3 Way mini toggle SW
Scale : 839mm(29F)
Hardware : Black
Strings : D’Addario 10-46
Color : White, Black
Accessory : Soft case
参考価格:92,000円(税別)
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