Fenderベースの中古相場はどう変わった?GIBの販売データで見る5年間の価格推移【2021〜2026】

Fender Precision Bass 1958

「Fenderのベース、最近高くなった気がする」——店頭でも、そんな声をよく耳にします。では実際に、Fenderのベースの中古相場はどれくらい変わったのでしょうか。

この記事では、ベース専門店Geek IN Box(GIB)が2021年から2026年までに実際に販売したFenderベースの販売価格データをもとに、ここ5年間の相場の変化を分析しました。一般的な相場情報ではなく、GIBの販売データという一次情報から見えてきた数字です。

Fender / 1966 Precision Bass 3TS
Fender / 1966 Precision Bass 3TS(Geek IN Box取り扱い品)

この記事のポイント

  • GIBの販売データでは、Fender Japan / Made in Japanの中古ベースは5年で約2.5割、USA製は約5割販売価格(中央値)が上がりました。
  • カスタムショップ製・MBSも5年で約1.5倍に。ヴィンテージは60年代製が約4割、70年代製が約2割上昇しています。
  • 国産は2024年以降ほぼ横ばい、USA製は2026年も上昇が続いています。

分析に使ったデータ(GIBの一次情報)

集計の対象は、GIBの横浜・兵庫の店舗とオンラインショップで、2021年1月〜2026年10月に販売したFenderベースの販売記録です。

【結果】Fenderベースの販売価格はこう変わった

Fender Japan / Made in Japan、USA製、Custom Shop / MBSの推移

0102030405060万円20212022202320242025202638.534.749.544.342.957.616.115.020.520.923.124.28.88.79.411.011.011.0Custom Shop / MBSUSA製Japan / Made in Japan

※中古品の販売価格の中央値(単位:万円、税込)。2026年は10月末まで。Custom Shop / MBSは2021年・2024年の販売数が少ないため参考値です。

国産・USA製ともに、2023〜2024年にかけて大きく上昇しました。その後、Fender Japan / Made in Japanは2024年以降11.0万円前後で横ばいが続いている一方、USA製は2026年も約24.2万円と上昇が続き、2021年と比べると約1.5倍の水準です。

カスタムショップ製・マスタービルト(MBS)は、レギュラーのUSA製のおよそ2倍の価格帯です。2021年の約38.5万円から2026年には約57.6万円と、こちらも約1.5倍に上がっています。

ヴィンテージは製造年代別に

ヴィンテージは製造年代によって価格帯が大きく異なるため、販売数が比較的多い60年代製と70年代製に分けて推移を見てみました。販売数が限られるため、2年ごとの期間にまとめています。

0306090120150180万円2021〜22年2023〜24年2025〜26年108.7135.3154.034.749.841.860年代製70年代製

※販売価格の中央値(単位:万円、税込)。

60年代製は108.7万円から154.0万円へと、約4割上昇しました。70年代製は2023〜24年に約50万円まで上がったあと、2025〜26年は約42万円とやや落ち着いていますが、2021〜22年と比べると約2割高い水準です。ヴィンテージについては、ヴィンテージFenderベースの相場の記事で詳しく分析しています。

American Vintage / American Original系に絞ると

ラインごとの数字は、その年に売れたモデルの構成にも左右されます。そこで、USA製の中でもヴィンテージスタイルのAmerican Vintage / American Original系に絞って、Fender Japan / Made in Japanと比べてみました。

051015202530万円2022202320242025202614.722.021.521.925.38.79.411.011.011.0American Vintage / American Original系(USA)Fender Japan / Made in Japan

※中古品の販売価格の中央値(単位:万円、税込)。

American Vintage / American Original系は、2022年の約14.7万円から2026年には約25.3万円と、約1.7倍に上がっています。同じ期間のFender Japan / Made in Japanは約8.7万円から約11.0万円(約1.3倍)なので、USA製のヴィンテージスタイルのモデルのほうが、値上がりの幅が大きいことが分かります。

Fender / 1972 Jazz Bass 3TS
Fender / 1972 Jazz Bass 3TS(Geek IN Box取り扱い品)

なぜFenderベースの相場は上がったのか

相場の動きにはさまざまな要因がありますが、ベース専門店として日々売買に携わる立場から、次のような背景が考えられます。

1. 新品価格の上昇

原材料費や物流コストの上昇、為替の円安などを背景に、新品の楽器価格は上昇傾向にあります。新品が高くなると、比較対象となる中古品の価格も引き上げられます。

2. 円安による海外需要

円安が進むと、海外のバイヤーにとって日本の中古楽器は割安になります。特に状態の良いヴィンテージやジャパンヴィンテージは海外からの引き合いも強く、国内の相場を押し上げる要因になっていると考えられます。

3. ヴィンテージは「数が増えない」

1960〜70年代のFenderは、新たに生産されることがありません。弾きたい人・持ちたい人が増えても供給は増えないため、良質な個体ほど価格が上がりやすい構造です。

4. 国産Fenderの再評価

Fender Japanなど、かつて「手頃な国産Fender」とされていたモデルも、作りの良さが改めて評価され、相場が上がりました。年代ごとの特徴はFender Japan シリアルの見分け方の記事も参考にしてください。

今後の相場はどうなる?

GIBの販売データを見る限り、国産の中古Fenderベースは2024年以降ほぼ横ばい、USA製は2026年も上昇が続いています。ヴィンテージも依然として高い水準を保っています。

もちろん、今後の相場は為替や新品価格、需要の変化によって上下するため、断定はできません。ただし、状態の良い個体やオリジナル度の高いヴィンテージは、今後も評価されやすいと考えられます。

相場を踏まえた、買う人・売る人へのアドバイス

買う人へ

国産のFenderベースは2024年以降、価格が横ばいで推移しています。USA製やヴィンテージは上昇が続いているため、気になる個体があれば早めにチェックしておくのがおすすめです。年代やスペックの違いを知ったうえで、自分に合う一本を見極めることが大切です。年代ごとの違いは、GIBのYouTubeチャンネルで解説しています。

プレシジョンベースの年代ごとの特徴は、Fenderプレシジョンベースの年代別特徴の記事でも紹介しています。

売る人へ

中古相場が高い水準にある今は、使っていないFenderベースを手放す選択肢を考えてみるのもひとつです。GIBでは、Fenderのベースの買取を強化しています。ブランドごとの相場はFenderベースの買取やFender Japanベースの買取相場の記事をご覧ください。売り方全般についてはベースを売るならどこがいい?の記事で解説しています。

※本記事の数値はGIBの過去の販売実績にもとづく分析であり、将来の販売価格や買取価格を保証するものではありません。

まとめ

GIBの2021〜2026年の販売データから見ると、Fenderベースの中古価格(中央値)は、Fender Japan / Made in Japanで約2.5割、USA製で約5割上昇しました。ヴィンテージも、60年代製で約4割、70年代製で約2割高くなっています。特にAmerican Vintage / American Original系は約1.7倍と、大きく値上がりしています。

国産は横ばい、USA製は上昇が続き、ヴィンテージも高い水準を保っています。Fenderのベースを買いたい方も、売りたい方も、相場の動きを知ったうえで、専門店に相談してみてください。

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