こんにちは、GIBの嵯峨です!
突然ですが、職人の仕事道具ってかっこよくないですか?
大工さんの金づち、カメラマンのカメラ、ウェブライターのマック……
見た目の良さやブランド力みたいな部分は極力排し、作業を効率よくこなすことのみに特化した武骨さ。素敵。今回は楽器業界の職人、ミュージシャンの仕事道具としてこれ以上ないほどの1本を紹介します。

こちらが今回紹介する1本。ベース界のフェラーリ、泣く子も黙るフォデラです。
フォデラをはじめとしたハイエンドベースと呼ばれるベースは楽器として高い完成度を持ち、サウンドには説得力があります。
しかし、ともするとそれらはアンサンブルに求められる特徴とは乖離してしまいます。なぜなら、半世紀以上も前にデザインされたフェンダー ジャズベースが現代においても大きなニーズを持ち、アンサンブルには必須のサウンドだからです。特にスタジオワークやセッションワークを主戦場にするワーキングミュージシャンにとって、ジャズベースサウンドは仕事には必須。とはいえ、フォデラのような演奏性の高さ、あらゆる場面に対応できるエレクトロニクスは大きな魅力……悩ましい……
じゃあフォデラがジャズベース作ればいいじゃん!
…的なベースがこちら!

NYC EMPIRE 5strings 70FH 24Fというモデルで、基本的にはフェンダージャズベースのようなトラッドなスタイルをベースにデザインされています。文字通り、70年代のスペックをオマージュ。
ジャズベースサウンドを持ちながら24フレット仕様、フレキシブルなエレクトロニクス、などのモダンなスペックを持ちます。
高い演奏性
「サウンドはジャズベースが良いけどフレット数は24フレットが良い。」というミュージシャンは少なくありません。案外そのようなスペックのモデルは多くなく、選択肢も少ないかもしれません。NYC EMPIREシリーズはフレット数にバリエーションがあり、24フレットのモデルもラインナップ。

また、フレット数が多くしてもそこが弾きづらければ問題外。当然ボディシェイプは最適なデザインが採用されています。また、ボルトオンでのジョイントですがプレートは使わず、プレイヤビリティを優先したシェイピングが行われています。
ウッドマテリアル
ネックには1ピースの板目ネック。

よく見ると板目の中でもその真ん中をセンターにして使われていることが分かると思います。できるだけ狂いが少なくなるようにという配慮ですね。また、高価なベースでは柾目がよくつかわれますが、おそらく本モデルの場合はフェンダーをオマージュしているために板目の木材が使われているのではないかと思われます。
70年代のフェンダージャズベースをモチーフにしているので、指板はメイプル。

ボディバックはアッシュのセンター2ピース

トップには豪華なフィギュアドメイプルですが、ステージで浮くようなことはない品のいい印象を受けます。

ちなみに当然ながらヘッドは段付き。

フォデラではほとんどのモデルにおいて角度付きヘッドを採用していますが、フェンダーオマージュということで。
ちなみにネックジョイントは並行、スケールは34インチ。正しくフェンダースタイルですね。
フレキシブルなエレクトロニクス

本機のコントロールはマスターボリューム、マスタートーン、バランサー、4バンドイコライザー、アクティブ/パッシブ切り替えスイッチです。近年3バンドのイコライザーを搭載したアクティブベースは多くありますが、4バンドは珍しいですね。
普段パッシブベースを弾いているミュージシャンにパッシブトーンは扱い慣れているもの。また、音作りの中で最終的な音の落ち着けどころをパッシブトーンによって探すことも多いので、パッシブトーンが付いているのはとても良いポイントだと思います。
また、アクティブ / パッシブ の切り替えスイッチが付いているのも大きなポイント。アクティブベースにとって最も脅威になるのは電池切れ。ステージ上で突然音が出なくなったらどうしようもありません。そのような場面においての逃げ道として、この切り替えスイッチがあるのは非常に安心感があります。また、アクティブのサウンドとパッシブのサウンド、その両方を使えるというのも大きなメリットですね。

配線も美しい。
プリアンプはオリジナルのカスタムモデル。フォデラではピックアップやプリアンプ、ブリッジなどのハードウェアも自社にて製作することがあります。1から100まで全て自社でデザインができるということは、完璧に全てをトータルでデザインすることができるということ。ピックアップやプリアンプはベースとの相性によってサウンドのクオリティが大きく変わりますが、その点が本機は100%の相性であると言えるでしょう。
サウンド
多弦ベースのようにネックの質量が大きくなってしまうとサウンドはダークになる傾向がありますが、本機はまるで4弦ベースのようにオープン。2つのシングルコイルをミックスしてわずかにミドルレンジがスウィープされた、70’sらしくバウンスするサウンドは超ハイスピードかつハイレンジでスピーカーを飛び出します。このレンジ感、スピード感はフェンダーでは得られない、フォデラならではのカラーだと思います。
EQの帯域、効き、Qの広さのデザインが素晴らしく、欲しいところと要らないところを適切に処理できます。4バンドは一般的なアクティブベースよりも多いバンド数ですが、これが無駄にならずに全て使える仕上がり。意図を持ってハイセンスにデザインされています。

ノイズレベルの低さも特徴的。シングルコイルピックアップなのでフロント、リアに振った時にはホワイトノイズが発生しますが、これは間違いなく許容範囲内物のでしょう。これだけローノイズだとバランサーも積極的に振れます。フロントの粘るようなサウンドはもちろんですが、リアの晴れ晴れとしたミドルレンジを持ったみずみずしいサウンドは絶品。アッシュボディのジャズベースはアルダーボディのものに比べてミドルレンジが不足していると評価されることもありますが、タルウィルケンフェルドやマーカスミラーのサウンドが示すように高品位なものはその限りではありません。
おわりに
FoderaやKen Smith、ZON、MTDのような長い歴史を持つハイエンドベースブランドは高く評価される理由が間違いなく存在しており、そのサウンドには説得力があります。NYC Empireはフェンダースタイルを採用して生産場所を変えることでコストを大きくカットしたモデルではありますが、それであってもにじみ出るフォデラのカラーが存在し、メーカーの懐の深さを感じます。そのサウンドは非常に高品位なものであり、決してコストパフォーマンスモデルなどという言葉でくくれるモデルではないことがわかります。
汎用性の高い5弦のフェンダースタイルのベースを探しているワーキングミュージシャンには絶対に試してもらいたい1本です。
当店で在庫しているモデルですので、ぜひお試しください。販売済みとなりました。

Fodera NYC Empire 70 FH 24F
商品ページ
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