【レビュー】純国産の名機 Ibanez MC924 後期型

Geek IN Boxの嵯峨駿介です! 数十年前の国産ギター、ベースはジャパンビンテージとして大きな注目を集め、高い人気があります。Ibanez MC924は数あるジャパンビンテージの名機の中でも一際高い人気を誇りStingMike Porcaroなど、海外のミュージシャンにも多数の愛用者がいます。

今回はそんなIbanez MC924についてのレビュー記事です。

構造

5ピースの堅牢なネックはスルーネックデザインが採用されており、スムースなヒールレスカットが施されています。ズングリと少し大きめにサイジングされたボディには細部に3次元的なカットが施され、外周Rも体に当たる低音弦側は大きめ、ブリッジ側や高音弦側は小さめと細かく設定されており、見た目以上に気の利いた取り回しのさが印象的

所謂ネックの仕込み角はわずかにつけられており、フェンダーのような平行のジョイントではありません。このあたりのデザインを誤るとブリッジ部分での弦高調整に無理が出たり、演奏性に影響が出たりするものですが、MC924については問題はなく、よく考えられてデザインされている事がわかりますね。

ちなみにヘッド角は浅めにつけられており、この辺もサウンドの太さに影響を与えています。

スケールは34インチとスタンダードながらフレット数は24。広い音域を求めるベーシストが増えた市場を考えたデザインです。

ウッドマテリアル

ボディウィングはアッシュとの記載ですが、所謂ジャパニーズアッシュ、センかと思われます。一般的なアッシュの導管や木目の感じには見えないです。ネックはメイプルと恐らくウォルナットの5ピース。木取りにも気を使われており、きれいな柾目で取られる個体が多くあります。指板には上位機種らしくエボニーを採用。

全体としてズッシリとした印象を受け、重量は4kg台後半~5kg台前半の個体が多い印象です。

エレクトロニクス

ピックアップにはオリジナルで開発したスーパーP5、スーパーJ5。文字通り、PベースタイプとJベースタイプになっておりポールピースもそのようにデザインされています。どちらも四角いカバーに収められているためコイルの大きさの関係からフロントの方が少し大きめのサイズ。ポールピースは上下する事で各弦のイントネーションを調整できる構造です。

プリアンプ、サーキット

ノイズ対策もバッチリ

コントロールは非常に現代的で、ピックアップバランサー、ボリューム、トーン、3バンドEQ、EQのオンオフスイッチ。EQは±15dBの調整が可能で、積極的にEQを動かすサウンドメイクをしてもサウンドは破たんしません。この辺の塩梅もよくデザインされていますね。ワイドレンジで拾ったサウンドを良く効くEQでコントロールするという、非常にモダンな設計思想が見てとれます。

ハードウェア

ピックアップと同じように、ペグとブリッジもオリジナルデザイン。アキューキャストブリッジと呼ばれる堅牢なブリッジはサドルが横方向にずれないデザインが施されており、サドルはブラス製。現代では当たり前の仕様ですが、当時からこのようなデザインを施していたんですね。質量も大きめで、タイトなサウンドの形成に一役買っています。

ちなみにフレットやつまみも独自デザインです。

サウンド

硬質な木材と質量のあるハードウェア、堅牢なデザインがされているため全体的に非常にタイトな印象ではありますが、出音にはウォームな柔らかさが確かにあります。非常にタイトで安定感のあるサウンドなのでバンドアンサンブルでのベースの立ち位置としては理想的なポジショニングが可能。

現在1本在庫しているのでよろしければ。

Ibanez MC 924 販売ページ 販売済みとなりました

2018/1/22追記 1本入荷しました。

Ibanez MC924

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