こんにちは、GIBの嵯峨(@SAxGA)です!
皆さんは自分のベースやギターの調整を自分でやっていますか?たぶん、ネックの反りやピックアップの高さなんかを自分でいじっている人って結構いるんじゃないかと思います。
そんな方に、1歩深い調整方法としてネックの角度調整について、今回は書いてみようと思います!
目次
- ネックの角度を変えるのが有効なシチュエーションとは
- 弦高を下げやすくする
- ボディ(ピックガード)との距離を縮める
- パーツを交換した時に
- ネックの角度を変えるとどうなる?
- 普通ネックの角度ってどうなってるの?
- シムってなに?
- 角度の付け方
- シムを挟む
- 木工加工をする
- マイクロティルトアジャストメント
- まとめ
ネックの角度を変えるのが有効なシチュエーションとは
「ネックの角度を変えるって玄人っぽいけど、それ何のためにやるの?」というのはごもっとも。そのシチュエーションをいくつか紹介します。
弦高を下げやすくする
ブリッジのサドルを下げきって、これ以上サドルは下がらないけど弦高はもう少し下げたい、そんなシチュエーションのときにはネックに角度を付けるのがおすすめです!
理屈はあとで説明しますが、サドルの高さが同じでも角度を付けるだけで弦高が下がるのです。
また、これに関連して記載すると、サドルの高さによってボールエンドからサドルへの角度も変わります。
この点は当然ながらサウンドに大きく影響を与えます。
一般的にここに角度がついたら少しタイトで強い音程感が得られるようになります。
ハキハキとした発音を求める方にもピッタリなわけですね。
ボディ(ピックガード)との距離を縮める
サドルの高さが同じでも、角度を付けるだけで弦高が下がる、といいましたがそれはつまり弦がボディに近づくということです。
これ、何にメリットがあるのかというとスラップの演奏性なんですよ。
ベーシストにとっては周知の事実だと思いますが、弦とボディ(ピックガード)の距離って演奏性に大きく影響するんですよね。この距離が変わるとスラップが全く出来なくなることも。
「スラップしづらいからピックガード厚くしたいなぁ」みたいな人にはおすすめです。
パーツを交換した時に
つまりはブリッジを交換した場合、となりますね。ブリッジによって、サドルの高さの調整幅は異なります。
交換後のブリッジが前のものよりもベーシックな高さが高かったり、調整幅が狭かったりすると元々の弦高に設定出来ないことがあります。
その場合、ネックのジョイント角度をつけてやることで調整幅の中に弦を届けてやるわけですね。
ネックの角度を変えるとどうなる?
ネックの角度を変えると、つまりこうなるのだ!!
この図ではAとBで弦高が約1mm違いますよ、という結果になっていますが、違うのはネックの角度(角度に従って変化したフレット上面としている線)だけです。
ネックに角度が付いているかどうかは、ボディとのジョイント部分を横から見るとわかりやすいと思います。
以下は一般的なフェンダージャズベースです。真横から見ると……
ご覧の通り並行ですね。じゃあ角度が付いているベースはどうなのかというと……
12フレット付近と24フレット付近で、ボディからはみ出して見えるメイプル材の幅が違うのが分かると思います。もう1本用意しました。
ドットの見え方が違うのでわかりやすいですね。スケールを当ててみます。
このポジションでは指板トップまで4mm弱
指板エンドのポジションでは指板トップまで4.5mm、角度がついていますね。ちなみにギブソン系はどうなのかというと……
ガッチリついてますね。遠目に見るとさらにわかりやすいです。
角度がついてるっていうレベルじゃなくネックが斜めにジョイントされているのがわかりますね。
普通ネックの角度ってどうなってるの?
先ほどの写真にもあるとおり、通常フェンダータイプのベースはネックの角度はボディと並行です。稀にカスタム系のメーカーのものではデフォルトで角度を付けているモデルも有りますが、あくまでポピュラーなのは平行なタイプですね。サドウスキーもJWブラックも基本的に並行です。
それに対してギブソンは角度を付けてネックをジョイントします。この点はフェンダーとギブソンの大きな違いだと言える点です。
シムってなに?
シムとは、ネックポケットのエンド部分に挟むスペーサーのことで、ここにスペースを作ることでネックのジョイントに角度を付けます。
シムの種類は様々ですが、厚紙を使って簡単に作ることが多いです。
他に、製品として木製のものや、ネックポケット全体を覆うように作られたものもあります。
「シムを挟むとジョイントの面積が減って音が悪くなる」、なんて言われたりもしますが、僕個人的にはそんな風には思わないですね。
良い音がするベースは何しても良い音がします。
角度の付け方
角度の付け方にはいくつかの種類があります。
シムを挟む
もしも厚紙を使うのであれば、10mm×ネック幅程度にカットしてネックジョイントのエンド部分にかませてみてください。
使う素材は、僕はダダリオなどの弦のパッケージを使うことがあります。十分に役割を果たしてくれます。
もしも弦のパッケージを使うのであれば、まずは1枚だけ挟んでみてください。それだけで大きく変わります。
また、製品としては木製のものや専用の形をしているものもあります。
興味があれば試してみるのも?
木工加工をする
ちょっと難易度が高いんですけど、ポケットかもしくはネックを削って角度を付けるのは1つの方法です。シムを挟むのに抵抗がある方はこちらを選ぶのがいいでしょう。正直なところ加工難易度は非常に高いのであまりおすすめしません。
マイクロティルトアジャストメント
View this post on Instagram
View this post on Instagram
マイクロティルトアジャストメントとは一時期のフェンダーに搭載されていたジョイント角を調整する機構です。
バックパネルに小さな穴があいていて、そこから調整を行います。
大きなビスでネックを押し込んでネックの角度を調整するわけですが、ネック側は金属の受けがついているので安心。
まとめ
ネックの角度、シムの取り付けなどについて少し書いてみました。
ベースやギターにとって角度ってとっても大事な要素で(例えばネックのジョイント角度、弦が折れ曲がる角度など)、ここを調整するということはつまり楽器の根本的な部分に触れることになります。
もっとも、シムを挟むこと自体は可逆の作業で、リスクはほとんどないのでトライしてみても良いと思います。
最新情報をお届けします
Twitter でGeek IN Boxをフォローしよう!
Follow @Geek_IN_Box