サウンドメッセ2018イベントレポート(アンプ、周辺機器編)

サウンドメッセとは大阪は南港、ATCホールで年に一度行われる楽器フェアのことです。エレキギター、ベース、アコギ、バイオリン、ウクレレなど弦楽器を中心とし、各メーカーや楽器店が一堂に集い、最新機材のPRやデモンストレーションを行っています。また各メーカーの製造者や担当者から直接各種機材の説明が受けれたり、講演を通じて楽器作りの話が聞けるので、ただ試奏できるだけでなく、知識面でも非常に収穫のあるイベンドでした。

今回はアンプ、周辺機器編ということで、ベーシストが今回注目すべきアイテムや特に注目度の高かったメーカーブーズの様子を紹介したいと思います。

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Contents

目次

  • MARKBASS(パール楽器製造)
  • ORANGE AMPS JAPAN
  • YAMAHA MUSIC JAPAN(EDEN / SESSHIONCAKE)
  • BOSS
  • モリダイラ楽器
  • Guitar Proshop GWNN(Baroni-Lab)
  • まとめ

MARKBASS(パール楽器製造)

マーカス・ミラー氏監修のシグネチャーアンプ、“LITTLE MARCUS”を中心に展開。アンプヘッド、MAK-LMM800は従来のMARK BASSのストレートなサウンドを継承し、これまでの機種の4バンド仕様から5バンド仕様のEQに変更することにより、よりフレキシブルな音作りを可能にしています。

MARKBASS特有のコントロールとして知られるVLEとVPFはマーカス仕様に変更されており、VLEOLD SCHOOLに、VPFMILLERIZERという名前になっています。特に印象的だったのはMILLERIZERで、VPFはレンジの低い重低音がかなり強く主張されたのに対し、MILLERIZERは低音は強調されつつも、ローエンドはすっきりとしていて、ハイエンドがより際立ちます。スタイリッシュなスラップを得意とするマーカス・ミラー氏ならではのアイディアが反映されていますね。

キャビネットもマーカス・ミラー氏のシグネチャーモデルで、速いレスポンスを持つスピーディなサウンドでした。速いパッセージによるテクニカルなプレイを多用するベーススタイルにもマッチしそうな印象です。

ORANGE AMPS JAPAN

ORANGE AMPS JAPANのブースにてベースではアンプを中心に展示。パワーアンプに4本、プリアンプに3本の真空管を搭載したフルチューブアンプヘッドのAD200Bはクラシックなロックサウンドを彷彿とさせる迫力あるサウンド。会場の関係上大きな音は出せなかったものの、小音量でも力強い音圧を感じます。そしてアンプ正面の独特なグラフィックと、超シンプルなコントロールノブにより、アンプの使い方が分からないビギナーでも扱いやすいです。この真空管特有の瑞々しいサウンドと男らしい仕様にロックベースの風格を感じます。

近年多く見受けられる小型アンプやトランジスタ系のアンプとは全く性質が異なり、その独特なサウンドは非常に魅力的に感じます。また、この他にもレスポールベースのような形のO BASSやケーブル類も取り揃えており、アンプ類だけではない多様性のあるメーカーだということが主張されるブースでした。

YAMAHA MUSIC JAPAN(EDEN / SESSHIONCAKE)

YAMAHAはエレクトリックゾーンと特別展示ゾーンの2ブースを展開。

エレクトリックゾーンにそびえ立つEDENアンプの壁は隣のマーシャルの壁と並びインパクト大でした。TERRA NOVAシリーズのTN501のアンプヘッドは2バンドのセミ・パラメトリックEQを含めた4バンドEQ、ベース・ブースト、オートコンプレッサー、エンハンスコントロールなど他メーカーのアンプにはない多彩な機能により、アンプヘッドだけで音作りを完結させることが出来ます。またゲイン、EQ、マスターの各所にクリップランプが搭載され、過大入出力による音割れを視覚的に監視できます。キャビネットのTN410との組み合わせによるサウンドはモダンな印象で、EQが素直にかかるので、音作りがしやすいです。セミ・パラメトリックEQで必要な帯域が探れるので、ツアーで会場が変わっても十分に対応できます。

特別展示ゾーンでは自宅などの練習お役立ちアイテムとしてSESSHIONCAKEを展示。単なる個人練習用のヘッドホンアンプとしてだけではなく、複数台接続することでスタジオへ行かなくてもヘッドホン内でバンドセッションが出来ます。

BOSS

BOSSではアーティストのサインが入ったコンパクトエフェクターとギター用マルチエフェクターのGTシリーズを中心に展示。ベースではBB-1XにGacharic SpinのF チョッパーKOGA氏とストレイテナーの日向秀和氏のサインがありました。


THE EFFECTOR Book presents “THE EFFECTOR MESSE”

エフェクター雑誌、THE EFFECTOR Bookのブース。ショーケースに収められ厳選されたエフェクターはほとんどがギター用のものでしたが、普段足で踏むエフェクター達がこれだけ華やかに展示されているのはサウンドメッセならではでしょう。非常に力の入ったブーズでした。


モリダイラ楽器

モリダイラ楽器のブーズではベース用コンパクトエフェクターが多数展示。EBSやMXRなど定番ブランドのアイテムがほとんど全て揃っており、試したことのないエフェクターでも気軽に試奏が出来ました。

Guitar Proshop GWNN(Baroni-Lab)

アナハイムエレクトロニクスジャパンのブースで共同出展していたGuitar Proshop GWNNではペダルサイズのBaroni-Labアンプを多数展示。ギター・ベースとミキサーの間に繋ぐだけで、PAスピーカーから本格的なアンプの音が出せるというコンセプトのペダルです。

BASS AMP 200はEQのBASSを上げるとベースアンプらしい温かみのあるサウンドが体感できます。またコンプはしっかりと掛かり、強めに適用するとナチュラルオーバードライブが得られます。コンプによるサウンドキャラクター変化がよく分かります。XLR OUTは付いていないものの、DIと同様の役割を果たします。3バンド、EQ、コンプもついていて、プリアンプ、コンプ、DIをひとまとめにした新しい感覚のアイテムです。

リハーサルスタジオや地域の音楽イベント、アンプを置いていないカフェなどの小規模会場で特に有効性があると感じました。

まとめ

以上となりますが、いかがでしょうか。

ベースアンプ一つとっても、各メーカーがこだわっている部分は全く異なり、サウンド、操作性、使用感を一度に比較できるのはサウンドメッセならでは。まだスタジオやライブハウスには置いていなくても、これだけ魅力に溢れた機種がたくさんあるなら、そのうち現場で出会うのかもしれません。また1台あれば音作りが完結できる多機能な機種が目立ち、使い方が少し複雑なものもありましたが、使い手の慣れの部分も大きいように感じたので、今後も引き続きレビュー等で解説していきたいと思います。

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