近年演奏者の技術が向上したことにより、以前にも増して自由な表現方法が増え、ベースの弾き方、奏法自体も多様化しています。
今回はオーソドックスな指弾き、派手なスラップ、タッピングなどがどんな場面で使えるのかを解説します。
自分に合った弾き方を見つけてみてください。
指弾き(2フィンガー)
指弾きは古くからオーソドックスな演奏方法です。
ギターではアルペジオが一般的ですが、ベースにおいては基本的には人差し指と中指を使った2フィンガーピッキングが主流です。
表現力
指弾きは指の柔らかい感触が音にも現れます。
また、ダイレクトに弦を弾くのでタッチ1つで様々なサウンドを出す事が出来ます。
この表現力の高さが様々なジャンルで多く使われる理由ですね。
甘いトーン、ブリッとしたトーン、攻撃的なトーン、様々なトーンにコントロールできるので、ファンクやポップス、ジャズだけでなくロックやメタルにおいてもこの奏法を好むプレイヤーが多いです。
指弾きの名手
ジェームス・ジェマーソン(マーヴィン・ゲイ、テンプテーションズなど)
ジャコ・パストリアス(ウェザーリポート、ジョニ・ミッチェルなど)
アドリアン・フェロー(ジョン・マクラフリンなど)
ハマ・オカモト(OKAMOTO’Sなど)
KenKen(RIZEなど)
ピック弾き
ピック弾きは指弾きに次いでポピュラーな奏法です。
ダウンピッキングとアップピッキングを繰り返すオルタネイトピッキングは、より早い曲を演奏しやすいのが特徴です。
素材の違い
ピック弾きはその名の通り、ピックで弦を弾く奏法ですが、そのピックの素材によってサウンドをコントロールできるのが1つの特徴です。
セルロイドやナイロンが素材としては一般的ですが、より硬質なサウンドを求める場合には金属製のピックを使うこともあります。
ピック弾き特有のアタック感の強いサウンドはロックやパンクなどの激しいバンドアンサンブルにおいても抜けてくる、強いキャラクターです。
また、指弾きに比べてドライブ感の強い推進力のあるサウンドが得やすいです。
ピック弾きの名手
ジーン・シモンズ(キッス)
スティーブ・スワロー(ジョン・スコフィールド、パット・メセニーなど)
クリス・スクワイヤ(イエス)
難波章浩(Hi-STANDARD)
JIRO(GRAY)
スラップ奏法
スラップ奏法は近年マーカス・ミラー、ラリー・グラハムらによってグッとポピュラーになった奏法です。
(マーカスやラリーグラハムは近年じゃないぞって話はおいといて、)
ドラムがいないバンドサウンドを補うために、パーカッシブなサウンドとしてスラップをしたのが根源とも言われています。(諸説ありますが。)
パーカッシブなサウンド
パーカッシブなサウンドとはつまりパーカッションのような、という事です。
バスドラムの役割がサム、スネアやシンバルの役割がプル、といった具合にそれ1つでリズムを作る、ドラムのようなサウンドが特徴的なわけです。
元々はジャズやファンク、フュージョン系のベーシストが多用した奏法ですが近年ではポップスやロックでもポピュラーになりました。
また、新しい奏法なために技術の発展も著しく、サムのダウンアップ、ロータリー奏法など多くの新しい奏法がスラップ奏法を元に生まれています。
スラップ奏法の名手
マーカス・ミラー(マイルス・デイヴィス、デヴィッド・サンボーンなど)
ヴィクター・ウッテン(ベラ・フレックなど)
ラリー・グラハム(グラハム・セントラル・ステーションなど)
青木智仁(角松敏生、SOURCEなど)
須藤満(T-SQUAREなど)
タッピング奏法
ライトハンド奏法とも呼ばれます。
これは左手に加えて右手も使い、直接指板上で弦をフレットに押し付けることで音を出すことからその名がついています。
当然指弾きでは不可能なサウンドを出すことも可能なので、ベーシストが聴くなんとも不思議なサウンドです。
バンドアンサンブルのようなアプローチ
タッピング奏法は見た目の派手さもあり、ソロパフォーマンスなどでよく見られます。
1本のベースからまるでバンドアンサンブルのようなサウンドを出すことが可能で、この奏法でなければ再現ができないプレイもあります。
(出来たらすごいし注目されるのですが、残念ながら通常実用性はあまりありません・・・。)
タッピング奏法の名手
ヴィクター・ウッテン(ベラ・フレック、ソロパフォーマンスなど)
スチュアート・ハム(ジョー・サトリアーニなど)
MASAKI(アニメタルなど)
いかがでしたか?
それぞれ特徴のある奏法です。
それぞれ弾きこなせたらあらゆるジャンル、現場に対応できるということです。
名手達から技を盗んで、自分だけのプレイを極めましょう!
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