ここぞの場面でおすすめしたいベース用モジュレーション系エフェクター

ベースという楽器はギターに比べると、空間系(残響系)・モジュレーション系エフェクターを積極的に使用しません。

特にモジュレーション系エフェクターはベースが担う低域とリズムを支えるという役割を阻害することがあるため、使用には注意が必要です。

しかし、だからこそ使い方やタイミングによっては違いを生み出す強力な武器になります。

今回はベースのモジュレーション系エフェクターにスポットをあて、モジュレーションの定義や使い方、おすすめのエフェクターをご紹介します。

エフェクターのモジュレーション系エフェクターとは


モジュレーション系エフェクターとは、電気の力で音に揺れやうねりを与えるものを指します。

この際、LFO(低周波発振回路)と呼ばれる回路が使用され、10Hz未満の低い周波数の信号を利用してエフェクトが生み出されます。

モジュレーション系エフェクターにはいくつかの種類がありますが、これは信号のどの要素を変化させるかで区別されます。

①音量を変化させる


通常、音量は発生直後が一番大きく、徐々に減衰して消えていきます。

これを一定の周期で大きくしたり小さくしたりを繰り返すことで、音にレベル的な揺らぎが発生します。

この効果を利用した代表的なモジュレーション系エフェクターがトレモロです。

②音の高さ(ピッチ)を変化させる


チョーキングなどに見られる音の高低の揺らぎを周期的に作り出すモジュレーション系エフェクターがビブラートです。

さらに、原音とビブラート音をミックスさせたものがコーラスです。

フランジャーの原理はコーラスとほぼ同じですが、ディレイ音に対してさらにフィードバックをかけることで、より極端な揺らぎを生み出します。

これらのエフェクトは深くかけ過ぎるとピッチが不安定になってしまうので、特にベースでは使用に注意が必要です。

③位相を変化させる


原音に加え、位相を周期的に変化させた音をミックスしたモジュレーション系エフェクターがフェイザーです。

位相のずれた音同士は基本的に打ち消しあいます。

位相をずらす・戻すということを繰り返すと、結果的に特定の周波数が連続移動的にカットされた周波数の揺らぎを生み出します。

ベースに使用する際はシチュエーションに気を付けなければアンサンブル自体が不安定になってしまいます。

モジュレーション系エフェクターの使い方


ベースには「リズムとメロディのブリッジ役を担当し、楽曲のボトムを支えながらも雰囲気を決定する」という唯一無二の役割があります。

また、低音というのは音の波が遅い(低周波数)状態で、モジュレーション系エフェクターの「レベル・ピッチ・位相的揺らぎ」の影響を受けやすい特徴があります。

つまり、使い方を考えずに踏みっぱなしにすると音が消える・回るといったことが起こりやすく、低音が安定しないと楽曲のリズム感やコード感が損なわれてしまいます。

これが、ベーシストがモジュレーション系エフェクターを多用しない理由です。

しかし、例えばベースのソロパートでモジュレーション系エフェクターを使用した場合、ギターでは出せない空間ごと揺れているような独特の雰囲気を出すことができます。

トレモロコーラスをかけるとやや甘くウェットな縦回転の揺らぎを、フェイザーを使用するとドライでノイジーな横回転の揺らぎを生むことができ、フランジャーをかけると中間の属性を持ちつつスペイシーな揺らぎを表現できるでしょう。

つまり、使用箇所を考えて使えば楽曲の振幅を広げる強力な演出装置になります。

ベースにおすすめしたいモジュレーション系エフェクター


基本的には、ベースにもギター用のモジュレーション系エフェクターを使用することが可能です。

ただし、ギター用にチューニングされているためベースで使用すると効果が極端に出やすいこと、音痩せしやすいことが注意点です。

逆にいえばフィルター的効果や飛び道具的演出を狙って使用するならアリです。

以下、ベースにおすすめのモジュレーションエフェクターを5つご紹介します。

1:BOSS ( ボス )/CEB-3

ベーシストにとってド定番といえるBOSSのコーラスペダル。

操作性がシンプルなこと、価格が安いこと、エフェクトのかかりがナチュラルなことが人気の理由です。

また、ローフィルターツマミを備えているので低音域のみ原音に近くするといった使い方も可能で、とりあえず持っておいても邪魔にならないおすすめモデルです。

強いていえば「定番ゆえにベタ」というのが弱点でしょうか。



2:ELECTRO-HARMONIX ( エレクトロハーモニックス )/Nano Small Stone

「エグいフェイザーが欲しい」という前衛的ベーシストにおすすめのギター用フェイズペダル。

モード切替スイッチとRATEツマミのみの男らしいコントロール部も特徴です。

また2モード搭載でかなり幅広くサウンドメイキングでき、ワウのような使い方もできるのでファンク系ベーシストにもおすすめ。



3:EBS ( イービーエス )/Uni Chorus

ベース専用のエフェクターを製造し続けるプロフェッショナル、EBSのコーラス/フランジャーペダル。

また、ピッチモジュレーターという独自のエフェクトも搭載。

低ノイズなこと、強くかけても歪まないことが魅力の信頼性の高いモデルです。

1~2弦のハイフレットでの演奏時により威力を発揮するでしょう。



4:ELECTRO-HARMONIX ( エレクトロハーモニックス )/BASS CLONE

こちらはエレハモ製のれっきとしたベース用コーラスペダルです。

アナログ回路特有の太くてナチュラルなサウンドが魅力。

とはいえこのメーカー独特の金属的でエキセントリックな効果を得ることもでき、汎用性という意味ではこの価格帯でNO.1でしょう。

サイケデリック・フュージョン系ベーシストにもおすすめ。



5:BOSS/BF-3


プロベーシストのサウンドシステムの中にもよく登場するフランジャーペダル。

フランジャー+トレモロのような効果が得られるゲート/パンモードも特徴的です。

ウルトラモードでツマミを上げれば「これぞジェットサウンド」という強烈なエフェクトを得られ、モメンタリモードではエフェクトの瞬間的な切り替えが可能と汎用性・機能性も備えた万能モデル。

ポストロック、シューゲイザー系ベーシストにもおすすめ。



まとめ

やはり「押し引きのバランス」を理解しているベースはとても魅力的で、アプローチの引き出しの多さや楽曲全体に与えるイメージの振幅でいえばいわゆる上モノを凌駕します。

モジュレーション系エフェクターを効果的に使ってより印象的なベースフレーズを作ってください。

大手楽器店での販売、修理業務やプロベーシストのローディー経験の後に海外向けの小売業に従事。その後ベースショップGeek IN Boxを立ち上げ、現在はGeek IN Boxの運営の他にベースマガジンなどでの執筆を多数担当。Twitter : @SAxGA

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