ベースの基本的なエフェクターの一つであるコンプレッサー。
コンプレッサーの働きは、音が大きく出ているところを抑え小さいところを持ち上げて音を圧縮することにより、音量のばらつきを少なくし、安定感のあるサウンドを作ることができます。
また、実際にベーシストである僕たちがコンプレッサーを使うのは音の粒をそろえるためではなく、コンプレッサーを使ったからこそ現れる音色を音作りの中に取り込むためでもあります。
ですので、「コンプを使うと下手になる」 「右手がコンプだ」のような言葉には惑わされず、積極的にコンプを使って音作りをするのは正しいことです。
そんなコンプも機種によってコンプレッションの仕方やサウンドキャラクターが異なり、自分に合ったコンプを探すのがベーシストの一つのテーマになっています。
今回はベース用コンプレッサー探しの際にぜひチェックして欲しい5機種を紹介します。
EBS / MultiComp Studio Edition
ベース用コンプレッサーの代表的存在である通称マルコン。特徴は何と言ってもシンプルに設定できる2つのコントロールノブです。COMP/LIMITで潰れ具合を決めて、ゲインで音量を調整するだけで綺麗に整ったサウンドを出すことができます。音の立ち上がりを調整するアタック、音の余韻を調整するリリースは自然になるよう設定されています。
また中央にあるモード切替スイッチにより、Normalでは色付けのないナチュラルなサウンドに。Tube Simulatorではミドルを中心とした暖かく、ツヤのあるサウンドに。Multibandでは低音と高音それぞれでスレッショルドを分けて設定することにより、スラップ時にはサムピングとプルがバランスよく聞こえるように最適化できます。
ローノイズで高級感あるサウンドが特徴のEBS、音作りがシンプルに出来るのでコンプレッサーの扱いに慣れていないベーシストにオススメです。
(参考価格:¥19,224 税込)
BOSS / BASS Comp BC-1X
エフェクターの定番ブランド、BOSSから2016年に登場した待望のベース用コンプレッサー。BOSS独自の技術、MDP(Multi-Dimensional Processing)により原音を極限まで損なわず、高品位で原音に忠実なサウンドです。電源は9V電池または標準のACアダプターが使用可能ですが、エフェクター内部で18Vに昇圧しており、ダイナミクスレンジが広く、太いサウンドを出力することができます。
それに加えて、ゲインリダクションインジケーターを搭載しており、コンプがどの程度深くかかっているか、どのくらいでコンプが解除されるか視覚的に把握することが出来ます。なおリリースを最短にするとコンプがかかった後すぐに解除され、細かいピッキングが続く際にフレーズを歯切れ良く聴かせることができます。逆にリリースを最長に設定すれば、コンプがかかった状態を長く維持できロングトーンで音を太く保ったままキープすることが出来ます。このリリースの設定による余韻の変化が特徴的ですね。
ベース用コンプの新定番、迷ったらコレと言いたくなるほど信頼感のある機材です。
(参考価格:¥21,600 税込)
MXR / M87 Bass Compressor
コンプがかかったことによる音の変化が見ても聞いても分かりやすい1台。エフェクター上部のゲインリダクションメーターにより、コンプのかかり具合を視覚的に把握することが出来ます。スレッショルドは固定されており、インプットを上げて、スレッシド値を超えた音がリダクションされるという仕組みです。インプットゲインが低過ぎるとコンプがかからないので注意が必要です。※パッシブベースの場合、インプットゲインを3時くらいまで上げることを推奨しています。
特筆したいのはRATIOが4、8、12、20と4パターンのダイアル式であること。他のパラメータは細かく設定できるのに、コンプの要であるRATIOの仕様はざっくりとしています。音質は基本的にナチュラルですが、コンプで音が潰れた時にラック型アナログコンプレッサーのようなガッツ、力強さを感じます。
ストンプ型コンプレッサーはコントロールがシンプルなものが多いですが、このM87 Bass Compressorはアタック、リリースのコントロールによって音の立ち上がりや余韻を細かく調整でき、音作りの幅が広いのでじっくり音作りしたい人やコンプの仕組みを身につけたい人にピッタリです。
(参考価格:¥19,224 税込)
One Control / Lemon Yellow Compressor
シンプルな操作感と上質なサウンドから、Hi-Standardの難波章浩氏や元RIZEのTOKIE氏などプロアーティストが多数使用していることで注目のエフェクターメーカー、One Control。
Lemon Yellow Compressorはコンプによって音が潰された感じが少なく、かけることで音に厚みやツヤが加わります。ゲインとレシオを上げ目にして、コンプがしっかりかかるように設定すると真空管で増幅したようなナチュラルオーバードライブが得られます。真空管の質感を意識した機材はミドルを軸にしたサウンドをイメージしやすいですが、このコンプはローからハイまでバランスよく持ち上げられ、ポジション移動や奏法の切り替えが多い時に安定感のあるベースプレーをアシストしてくれます。
整えるというより音に味付けをするのに向いている印象で、コンプとしてだけでなくブースターやプリアンプ的な使い方にもオススメです。エフェクター本体のサイズがスリムなので、エフェクトボードに組み込みやすいのもいいポイントですね。
(参考価格:¥10,238 税込)
ALBIT / GREAT COMPRESSOR GC-3
今回ご紹介する5機種の中で、コンプによって音が圧縮されるのが最も強く分かる機材です。他の機種と比べるとアタックは速め、リリースは遅め。コンプが適用されてから解除されるまでの時間が長いために全体としてコンプ感が強い印象で、それによりコンプが掛かった時に粘り強さを感じます。コンプのかかり具合を決めるCOMPは目盛りが3あたりから徐々に圧縮される範囲が広がり、10にするときついリミッターのように音が均一になり、全てのピッキングに対してコンプが適用されます。
音質を変化させる中央のCOMP EQスイッチについて、FLATは目立った変化がなく、サウンドキャラクターを変えたくない時に有効です。BASSにするとマルチバンドコンプのような働きになり、低音と高音で独立したコンプレッションが得られます。例えばスラップ時にサムピングで大きくコンプが掛かったとしても、プルが直前のコンプに引っかかって抜けてこないと言ったことがありません。Gtは低音がスッキリして抜けのよいサウンドとなり、ベースラインを分かりやすく聴かせることが出来ます。ギター向けでありながらベースとも相性がよいです。補正を主目的としてコンプを探すならぜひ試して欲しい1台です。
(参考価格:¥14,580 税込)
まとめ
以上となりますが、いかがでしょうか?コンプレッサーは一見変化の分かりにくいエフェクターです。機種によってもパラメーターやコンプのかかり方が異なるので戸惑う方も多いと思いますが、コンプの仕組みや効果を理解することで、音を整えたり太くするなど、音をより良くコントロールすることが出来ます。
「ベースの音作りで劇的な効果を発揮! コンプレッサーの使い方」
https://geekinbox.jp/bass_comp_tsukaikata/
またコンプ独自のサウンドキャラクターを付加するためにコンプをかけるというベーシストも多く、奥が深いです。自分に合ったコンプを見つけてワンランク上のサウンドを手に入れてください。
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