【相談から完成まで】話題の工房 SAGO でベースをオーダー

今回は関西に工房を構えるSAGO NEW MATERIAL GUITARS(以下SAGO)で実際にベースをオーダーしたレビューをします。SAGOのサブタイトル、”NEW MATERIAL & NEW IDEA”の通り、他にはない発想や技術を多く取り入れたメーカーです。個人的なオーダーなので、パーソナルな情報まで詳しくまとめます。

注:外部ライターによるオーダーレビュー記事です

目次

  • 1.理想のサウンドや楽器の悩みをヒアリング
  • 2.セミオーダーとフルオーダー
  • 3.オーダーシートの製作
  • 4.グリップチェック
  • 5.塗装
  • 6.納品、サウンドチェック
  • 7.完成後の微調整
  • 8.まとめ

1.理想のサウンドや楽器の悩みをヒアリング

兵庫県尼崎市のJR立花駅より徒歩10分、町工場の一角にSAGOの工房があります。知人の紹介で知り、工房へ行けばSAGOのベースが試奏出来るだろうと思いお邪魔させて頂いたところ、親切に迎えいれて頂きました。試奏したモデルの高いクオリティはもちろん、木工ブース・塗装ブースなど工房内を周り、楽器がいちから組み立て上げられていくところを見てオーダーを決めました。

オーダーの際、まず好きなアーティストやベースの話をしました。好きな楽曲のベースを聴いてもらったり、理想のサウンドを伝えてイメージを共有していきます。それに加え、それまで使っていた楽器の悩みを相談しました。当時使っていたベースを見てもらい、不満に感じていることや改善したい箇所を伝えていきました。

2.セミオーダーとフルオーダー

セミオーダーはオリジナルデザインのコンセプトモデル、またはジャズベース・プレシジョンベースのクラシックなスタイルから希望のモデルを選びます。その上で、カラーやスタンダードスペックから変更したい点(ピックアップやヘッドの形状など)を自分好みにカスタマイズするオーダー方法です。当然ながらパーツやフィニッシュの種類などのバリエーションは多様です。

一方、フルオーダーは専用デザインを必要とするワンオフものを製作できます。完成予想のイラストも製作してもらえるためにイメージしやすいと思います。豊富な種類の木材やパーツからビルダーと相談をしながら選定し、配線やコントロールレイアウト、カラーリングなどルックス、サウンド、演奏性に至るまで、あらゆる点において理想の一本を組み立てていきます。つまり「世界にひとつだけ」のベースを製作できるわけですね。当然ながらフルオーダーは自由度が高い分セミオーダーに比べると高額です。ちなみに今回はセミオーダーでの製作です。

3.オーダーシートの製作

イメージがまとまったらオーダーシートを元に具体的に仕様を決めていきます。3 BAND EQ付きの5弦ジャズベースを希望していたので OVEというコンセプトモデルを軸にセミオーダーしていきました。ジャズベースらしい歯切れよく、ゴツっとしたサウンドにするためボディ材はアルダー、ネック材はハードメイプル、指板材はローズウッドを選択。フェンダータイプのジャズベースとしてはスタンダードな選定ですが、SAGOが用意してくれている木材のクオリティはA5ランク。申し分ありません。

最もこだわったのはプレイヤビリティに関わるブリッジとコントロールレイアウトです。広めの弦間が良かったので、ブリッジは19mmピッチのGotoh製510B-5を選択。コントロールレイアウトはジャズベースを意識して図1のように2ボリューム+ミッドフリケンシー付き3バンドイコライザーに。通常のOVEはマスターボリューム、バランサー、Bass、Treble というコントロール。この点について自分好みにカスタマイズ出来るのはオーダーの醍醐味ですね。

ちなみにコントロールノブは工房内を回っている時に紹介していただいたもので、ネックのアバロン貝のインレイとマッチしているのが気に入って選びました。

4.グリップチェック

木工がある程度進んだところで、グリップチェックのため工房へ訪問。ネックは演奏する上で常に触れる部分なので、修正可能な段階で違和感がないかをチェックします。ネックシェイプは指定がなければ標準的なCシェイプですが、今回はサンプルのベースのネックを採寸してそれを再現してもらいました。この点はカスタムオーダーの大きなメリットだと思います。

5.塗装

グリップに続いて、次は塗装のチェックのため工房へ再び訪問。カラーは元々指定していましたが、実際に塗装されたボディやヘッドを見て色味が薄かったので濃くしてもらいました。

SAGOではレギュラーカラー以外に、カスタムカラーをオーダーすることが出来ます。具体的なカラーイメージがある場合は、写真ではなくカラーイメージの現物を用意する必要あるそうです。

6.納品、サウンドチェック

SAGOのスタッフと一緒になって作り上げたこだわりのオーダーベース、手にした時には感動しました。弾き心地は想像以上に良好。ネックシェイプは以前のベースと同じなので、手にとってすぐに違和感なく馴染めました。カッタウェイが通常のジャズベースより深いので、ハイポジションへのアクセスもスムーズです。

サウンドは狙い通りで、歯切れ良くレスポンスも速く、またスラップやタッピングではしっかりと音が前に出てくれます。透明感があり、美しい倍音があるためにコード弾きをした際には音が濁らず美しくサウンドします。良質なサウンドはSAGOが自社で製作しているLx pickupからの影響が大きいと思います。

また、アンサンブル内で試してみると音抜けの良さに驚きました。ベースプレーヤーなら自分の音が聞こえにくいという経験はあると思いますが、このベースに替えてからはスタジオでのリハーサル、ライブでもモニター環境が変わったかのように良好なモニターが可能になり、外音に関しても評判は良いです。

ちなみに、完成までの工程を撮影したDVDも付いてきます。

7.完成後の微調整

完成後も定期的にメンテナンスに訪れていて、話が盛り上がって製作してもらったのがウッドピックガード。バーズアイメイプルをピックガードにしてもらいました。

ピックガード以外にもピックアップを増設したり、ネックシェイプを見直したり、完成後にも調整やカスタムを繰り返すアーティストも多いそうです。このようなアフターフォローも丁寧なので、購入後も安心ですね。

8.まとめ

以上となりますが、いかがでしょうか?

音、ルックス、演奏性、全てにおいて理想の1本を手に入れられて、非常に満足しました。また、完成したての楽器は音が若い(硬い)のですが、弾き込んでいくことで音が成長していく過程が味わえるのもいいです。

オーダーベースというと何だが敷居が高くて気構えてしまいそうですが、そんなことありません。楽器店で販売されているものを購入することでは得られない体験ができるので、新しいベースをお考えの方は選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか?

大手楽器店での販売、修理業務やプロベーシストのローディー経験の後に海外向けの小売業に従事。その後ベースショップGeek IN Boxを立ち上げ、現在はGeek IN Boxの運営の他にベースマガジンなどでの執筆を多数担当。

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