【レビュー】AMPEG SVT-3PRO 定番ハイブリッドアンプの実力は

ベースアンプの王道ブランド、AMPEG。今回はその中でも多機能な定番機種のSVT-3 PROを取り上げます。

このベースアンプはリハーサルスタジオでよく見かけますが、つまみやスイッチが多いので使い方がよく分からないという方もいるかもしれません。一つずつ解説しながらレビューしていこうと思います。

目次

  • 1.真空管ならではの太くて暖かいサウンド
  • 2.3 バンド・パラメトリックEQ & 9 バンド・グラフィックEQ
  • 3.音にパンチを加えるBRIGHTスイッチ
  • 4.AMPEGの十八番、ULTRA LO/HIスイッチ
  • 5.使用感
  • 6.まとめ
  • <仕様補足>

1.真空管ならではの太くて暖かいサウンド


ロックベースの王道アンプに君臨し続けるAMPEGと言えば真空管から生まれるサウンドが魅力です。12AX7×4本、12AU7×1本の計5本の真空管を搭載したプリアンプにより、サチュレーションがかった(音楽的な淡い歪を含んだ)サウンドは温かく、ベースらしい低音の迫力を感じます。INPUT GAIN、MASTER VOLUMEとは別に、真空管による歪をコントロールするTUBE GAINによりアンプ本体で自然なオーバードライブが得られます。

トランジスタを使ったDクラスの小型アンプが盛り上がっていますが、このAMPEGならではのチューブサウンドは流行り廃りを感じさせない安定感、安心感があります。

2.3 バンド・パラメトリックEQ & 9 バンド・グラフィックEQ


3 バンド・パラメトリックEQ はBASS:50hzを12dbブースト/カット、TREBLE:5kHzを14dbブースト/19dbカットします。中音域はFREQUENCYノブにより1=220Hz, 2=450Hz, 3=800Hz, 4=1.6kHz, 5=3kHzの5つから任意の帯域を選択し、MID RANGEで15dbブースト/カットし調整します。アンプのフロントパネル上には帯域が明記されていませんが、このMIDは音抜けや低音のコシを調整するのに美味しいポイントがピックアップされています。

一方9 バンド・グラフィックEQは33hz, 80hz, 150hz, 300hz, 600hz, 900hz, 2kHz, 5kHz, 9kHzと低音から高音までバランスよく帯域が配置されています。加えてグラフィックEQ用にLEVELスライダーも搭載されています。なおグラフィックEQ不要時はEQスイッチをオフにすることでバイパスされます。少しマニアックな使い方ですが、別売のフットスイッチ(Ampeg AFP1)を接続することにより、グラフィックEQのオン/オフを操作できます。通常は3 バンド・パラメトリックEQだけで音作りし、ソロ演奏時にグラフィックEQをオンにするといった使い方も出来ます。

贅沢にも2種類のイコライザーしたこのアンプでは非常に細やかにイコライジングができ、いかなるジャンル、プレースタイルにも対応できます。

3.音にパンチを加えるBRIGHTスイッチ

BRIGHTスイッチはオンにすると2kHzが6db持ち上がります。これによってピッキングのアタックが強調され、音の立ち上がりが分かりやすくなります。ベース音を主張したバンドサウンドが求められる時に、このパンチのあるサウンドがピッタリはまります。

4.AMPEGの十八番、ULTRA LO/HIスイッチ

Seth Jonesさん(@sethjonesmusic)がシェアした投稿


ULTRA LO/HIスイッチはAMPEGのアンプヘッドの特徴の一つです。

ULTRA LOは40Hzを2dBブーストしつつ、500Hが10dBカットされます。ローエンドが際立ち、低音の迫力がぐっと増すので、DROP Dチューニング時やパッシブベースでローを派手に出したいときには特に重宝するのではないでしょうか?

ULTRA HIは5kHzが6dBブーストされます。オンにするとAMPEG特有のギラギラした成分が強調され、音のキレに磨きがかかります。

地を割るような低音とかなづちのような高音を持った派手なサウンドを作るのに、このULTRA LO/HIスイッチを活用しない手はないでしょう。

5.使用感

真空管から生まれるウォームで迫力あるサウンドと、多彩な音作りを可能とする機能(2種類のイコライザー・BRIGHTスイッチ・ULTRA LO/HIスイッチ)を兼ね揃えたハイブリッドなアンプヘッドがSVT-3PRO。エフェクター類に頼らなくてもこのアンプだけで徹底的に音作りができるので、じっくり音を作り込みたい方へマイアンプとしてオススメです。ドライブ感のあるサウンドキャラクターにより、AMPEG=ロックというイメージがありますが、EQのかかり方が素直なので、様々なジャンルに対応できます。

充実しているのは音作りに関してだけではありません。SPEAKER OUTの他に2種類のLINE OUT(XLR BALANCE OUT/PHONE UNBALANCE OUT)が搭載されています。このLINE OUTにはEQの適用前・適用後を切り替えるPRE/POSTスイッチが備わっており、例えばライブでアンプヘッドからライン出力した際に、アンプのキャビネットからはEQで積極的に作り込んだ音を出し、PAには扱いやすいようEQが適用されていないラインの音を送ることができます。その他LINE OUT用にボリュームが備わっており、ライン出力用に音量の調整が可能です。

さらにTUNER OUTへチューナーを接続すれば、ベース本体とアンプとの間にチューナーを接続する必要がなくなるので音痩せ防止になるし、MUTEボタンによりチューニング時に不要な音をオーディエンスに聴かせないようにできるので、ステージでの使用も考慮されています。

リハーサルスタジオ、レコーディングスタジオ、ライブハウスなど環境を問わずオールマイティに対応できます。

ちなみに電源スイッチをオンにしても少しの間は音が出ません。真空管の性質上、回路の動作が安定した状態になるまで、回路が繋がらない仕様になっています。一定時間がたつと自動で回路が切り替わり、音が出るようになります。アンプを痛めないためには、電源を入れてから音が出るようになるまでインプットゲインやマスターボリュームを0の状態にして待っていた方がいいでしょう。

6.まとめ

以上となりますが、いかがでしょうか?

多機能なため扱い方が難しそうにも見えますが、一つ一つの機能を理解すれば使いこなすことが出来ます。AMPEGはこのSVT-3 PRO以外の機種もリハーサルスタジオやライブハウスに置いてあるところが多いので、AMPEGのアンプヘッドでしっかり音作りが出来るということがベーシストに求められるスキルとなっています。

機種によってつまみや機能が少し異なりますが、AMPEGのアンプの特性を理解するのに今回の記事が参考になれば幸いです。

<仕様補足>

出力:450W(4Ω)、275W(8Ω)
真空管:12AX7×4、12AU7×1
INPUT GAIN
INPUT PEAK LEDインジケーター
→過大入力時に点灯。音が潰れたり故障の原因になるため、点灯し続ける場合はINPUT GAINを調整する必要あり。
INPUT PAD
→出力が大きいアクティブタイプのベースを接続する際は、INPUT PADをオンにし適正な出力に調整する。
イコライザー:3 バンド・パラメトリックEQ & 9 バンド・グラフィックEQ
MUTE FUNCTION
BRIGHTスイッチ
ULTRA LO/HIスイッチ
MASTER VOLUME・TUBE GAINの2系統ボリュームコントロール
TUNER OUT
XLR BALANCE OUT/PHONE UNBALANCE OUT
エフェクト・ループ
PRE AMP OUT/POWER AMP IN
→他のアンプ類を接続し、SVT-3 PROのプリアンプ部もしくはパワーアンプ部のみを使用する場合の入出力接続端子。
GROUNDLIFT
→ミキサーなど外部機器接続時に発生したノイズを回避するスイッチ。
スピーカー出力:スピコンx1、フォンx2
寸法:483W×89H×394D(mm)
重量:11.8kg
参考価格:¥139,104 (税込)

ソースKanda Shokai Corporation 

大手楽器店での販売、修理業務やプロベーシストのローディー経験の後に海外向けの小売業に従事。その後ベースショップGeek IN Boxを立ち上げ、現在はGeek IN Boxの運営の他にベースマガジンなどでの執筆を多数担当。

More columns

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGeek IN Boxをフォローしよう!