指弾きとピック弾き、それぞれのメリットやベース用におすすめのピックを比較紹介!

ベースの演奏方法で、特に弦の弾き方は大きく分けると2つあります。それは「ピック弾き」と「指弾き」です。

文字通りベースをピックで弾くか指で弾くかの違いですが、何となく「指弾き=難しい、上級者向け」「ピック弾き=簡単、初心者向け」のような偏ったイメージありませんか?

これらを含めた演奏方法は音楽、演奏のスタイル、欲しいサウンドによって使い分けられているもので、決してピックは簡単、指弾きは難しい、ということではありません。

今回はベーシストのピック弾きに特に焦点を当て、指弾きとの比較、おすすめのピックなどご紹介します。

ベースのピック弾きと指弾きの違い、ピック弾きのメリット&デメリットとは?


まずは指弾きと比較したピック弾きの特徴を見てみましょう。

メリット1. タイトでパワフルな音が出しやすい


柔らい指先ではなく硬さのあるピックで弾くことで、硬質でタイトな音が出しやすいです。

また手首のスナップや肘~腕の振り抜きなど、指先以外の力を加えやすいため、力強い音にもなりやすいです。

このことからも、ロック、パンク、HR/HMなどのプレイヤーにピック愛用者が多いことが分かります。

メリット2. リズムが安定しやすい


ピック弾きの最大の利点の一つは、「オルタネイトピッキング」や「ダウンピッキング」など、ピッキングを一定の動作に落とし込めること。これによりリズムをタイトにしやすくなります。

例えば、「表拍をダウン&裏拍をアップ、休符やシンコペーションは拍数分ピックを空振り」のようなルールを決めれば、ピッキング動作自体をリズムの物差しにすることができます。

ダウンピッキングでは「ダダダダ」と同じ音を連打するような演奏において、「一定のピッキング動作」にメリット1の「パワフルさ」も相まって、指弾きでは再現の難しい安定感と力強さを得ることができます。

メリット3. ピック選びが楽しい&手軽に試せる


楽器店のピックコーナーを覗いてみると、一体どれを選べばいいか分からないくらい豊富な種類が並んでいます。

自分のお気に入りの一枚をじっくり探したり、見た目重視でコレクションしたり、好きなベーシストと同じモデルを試したり、そんな楽しみ方もピック弾きの良い所。

さらに弾き心地とサウンドへの影響が大きい割には一枚¥100前後で試しやすいのもポイント。

デメリット1. 指弾きならではの奏法がやりにくいorできない


スラップ、スリーフィンガーなど、右手(右利きの場合)の親指や複数の指を使う特殊奏法は、ピックを持ったままでは難しくなります。

タッピングも一本指だけならピックを持ったままできそうですが、複数の指でタップする「ボスハンド」「8フィンガー」などは難しいでしょう。

ブリッジミュートをかけながら親指でピッキングするポコポコしたサウンドも指弾きならでは。ピック弾きでは再現ができません。

デメリット2. 甘い音が出しにくい


ピック弾きのサウンドの特徴は「硬質、タイト、パワフル」といった感じで、効果音で表せば「ゴリゴリ、ガリガリ」といった印象の音が出しやすいです。

その反面、指弾きの「甘い、暖かい、優しい」音をピック弾きで出すのは難しくなります。

R&B、ジャズ、フュージョンなどのベーシストに指弾きが多いのは、テクニック面だけでなくサウンド面での影響も大きいです。

デメリット3. コストがかかる


ピックは弾くほど削れる消耗品です。サイズも小さいため思わぬ所で無くしたり落としたりもします。

一枚¥100円程度と高額ではありませんがベースを弾く上でのランニングコストにはなってきます。

またピック主体のプレイヤーの場合「いざという時ピックが無いと弾けない」という事態にも陥りがちです。

指弾きに慣れていればパッと楽器を取ってそのまますぐに弾けますね。そんな所もピック弾きのデメリットと言えます。

ベーシスト向けピックの選び方ガイド


ピックはギタリスト&ベーシストの共通機材のようなもので、特に「ベース用」という製品はほとんどありません。

しかし楽器の特性が違うため、選び方はギタリストとは少し違ってきます。

ここではベーシスト視点のピックの選び方について、ポイント別に見ていきます。

ポイント1. 厚くて大きいものが良い?


プレイヤーそれぞれの体格、手と腕の大きさや長さ、好みの音楽や音色は違いますから、試してみてしっくりきたものを使うというのが基本にはなります。

とはいえベースはギターと比べて弦が太く張力も強いため、弦負けしない厚みがあり、握りやすく力の伝わりやすい面積のあるものを選ぶのが一般的です。

具体的には、

  • 厚さ1.0mm以上 HeavyやHardと書かれたもの(さらに厚いExtra Heavyもあり)
  • 三角(おにぎり)型や丸型で大きめのもの

になるでしょう。

厚いピックを進める理由は、薄いピックではどんなに力強くピッキングしてもピックが弦に負けてしまうからです。

そのためここ一番でガツンと弾いたつもりでも、厚いピックと比べると実はダイナミクスの幅は狭いのです。

より幅広いピッキングコントロールを身につけるためにも、厚いピックに慣れておくというのは重要です。

ポイント2. 形別の特徴を知る


より自分に合ったピックを見つけていただくために、ここでは主だったピック形状の特徴をまとめています。

トライアングル(おにぎり、三角)型


名前の通りおにぎりのような形の三角型のピック。

大きいものが多いので握りやすく、大ぶりのストロークでも安定感があります。

またこの形状の場合、一つの角が削れても他の角が使えて経済的でもあります。

ティアドロップ型


いわゆる涙型のピックで、尖った角一つと丸みのある角二つという形状です。ギタリストの使用率が非常に高いですね。

尖った角では弦離れの良い高い演奏性、丸い角では甘い音と、一枚で使い分けができるピックです。

三角型よりもコンパクトで取り回しやすいのが特徴です。

丸型

ギタリストよりベーシストに愛用者が多い印象の形状です。

角が無いので指弾きに近い丸い音が出しやすいといえます。

小型


テクニカルギタリストやジャズギタリストなどに愛用者が多いのが、ティアドロップを小型にして先端をシャープにしたジャズタイプと呼ばれるモデル。

ベースを弾くにはかなり小さいですが、しっかり厚みのあるものが多いため、細かいピッキングのしやすさという点で一度試してみるのも面白いと思います。

その他特殊形状


おにぎり型をさらに大型にした「大正三角形型」、野球の「ホームベース型」、指に固定する「サムピック&指ピック」、「硬貨で弾く」など、面白いピックはたくさんあります。

これだというものが見つかるまでトライあるのみです。

ポイント3. 素材はどこまで気にする?

ピックの特徴を決定づけるもう一つの要素が素材です。

セルロイド、ポリアセタール、ナイロン、鼈甲、金属など、各社様々な素材のピックを発売しています。

 

多少値段の違いはありますが、いずれも安価ではあるので、いくつか試しながら自分の好みの傾向を探っていくのがおすすめですね。

ベーシストにおすすめのピック紹介

筆者がおすすめするピックのブランド、モデルを紹介します。

JIM DUNLOP社製品 / 1社で全てを網羅する?

ピックといえばジムダンロップを思いうかべるプレイヤー、多いのではないでしょうか。

このブランドの良いところは、どこの楽器屋さんにも複数のモデル、形状、厚みが常に置いてあって試し比べがしやすいところです。

最もスタンダードな「Tortex」、表面のザラつきのグリップ感とサウンドが特徴の「Gator Grip」、人の爪に近いと言われるウルテム素材を使用した「Ultex」、ジャズタイプの定番「Jazz III」、手仕上げのエッジをつけた新モデル「Primetone」etc…

それぞれのモデルに多くのシェイプ、厚みを揃えており、それがどこでも手に入る、それを一社で実現している。

ジムダンロップ製ピックを色々試すだけで自分のピック選びの好みが分かる、そんな基準作りができるブランドです。

Ibanez PA1M / ベース専用?丸型ピック


珍しく「ベース用」としてリリースされた真円型のピックです。

ピックの全面を使ってピッキングできるため経済的ですし、演奏中のピックずれにも強い。

さらに角が全く無い形状のため、まろやかである意味指弾きに近い独特のサウンドがします。

ぜひベーシストに試していただきたいピックです。

Fender製セルロイドピック / 楽器の王道はピックも最高?

プレシジョンベースやジャズベースでおなじみ、エレキギター&ベース界のトップブランドといえばFender社です。

フェンダーはオリジナルのピックも販売しており、これらはベース本体同様に非常に人気があります。

複数のモデルがラインナップされているので、まずはフェンダーを試すのも間違いないと思います。

D’andrea Pro Plecシリーズ / 何でも甘い音にしちゃうヤツ

主にジャズギタリストの間で密かに愛用されているちょっとマニアックなメーカーがこちら。

鼈甲を模したようなデザインのPro Plecシリーズ、ジャズギタリストご用達の理由がとにかく「甘くてこもった音にしてしまう」という所。

これは「ピックを使いたいけれど指弾きのような甘い音にも何とか近づけたい」というベーシストにも良いピックだと思います。

同じ厚みと素材で複数の形状がラインナップされています(ホームベース型や角の取れた丸みのある三角などマニアアックなモデルも)

あまり楽器店では見かけませんがネットでは手に入りますので、ぜひ一度お試しください。

まとめ

今回はベースのピック弾きについて見てきました。

ピック弾きがメインのプレイヤーはもちろん、普段は指弾きのプレイヤーもたまにピックに持ち替えてみると新たな発見があるかもしれません。

「とりあえずベース弾いてみたい」という初心者の方はピックの方が入りやすいと思います。

この記事が皆様のピック選びの参考になれば幸いです。

大手楽器店での販売、修理業務やプロベーシストのローディー経験の後に海外向けの小売業に従事。その後ベースショップGeek IN Boxを立ち上げ、現在はGeek IN Boxの運営の他にベースマガジンなどでの執筆を多数担当。Twitter : @SAxGA

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