全ミュージシャンにおすすめしたい 真空管 を使った歪みエフェクター

昔から「よい音といえば真空管」と半ば信仰的にいわれてきました。

特に歪んだ音を出す場合には、その味、コンプ感、などの質感は素晴らしく実際にトランジスタよりアドバンテージがあります。

しかし、アンプと違ってオーバードライブやディストーションなどの歪みモノのペダルをセレクトする際は、真空管に意外にこだわりがない方も多いのではないでしょうか。

そこで、「真空管とは何か?」、「どのような音が出るのか?」を解説し、真空管を使ったおすすめの歪みペダルを厳選してお届けします。

真空管とは


真空管は、細長く小さな豆電球のような形をしたパーツです。

ギターやベースをアンプに繋いで音を出す場合、弦振動(アナログ信号)をPUが電気信号に変換→信号を増幅→増幅信号をアナログ変換して出力するという手順を辿ることになり、真空管とはこのうち「増幅」を担当する素子です。

増幅素子は大きく真空管(チューブ)と、トランジスタ(ソリッドステート)に分けられます。

現在では小型化しやすく壊れにくい上、コストが安いという強みを持つトランジスタの方が主流として電子回路に使われています。

一方で真空管は衝撃に弱く、定期的なメンテナンスが必要で、しかも高額なため現在はほとんど普及していません。

唯一普及しているのはオーディオ業界、つまり「音」に関わるシーンです。

真空管を使うとどんな音が出るのか

真空管の音というと、よく「温かく自然な音」と表現されます。

アンプやエフェクターのレベルの許容範囲内、つまりクリーンな音では真空管とトランジスタの特性の違いはそれほどはっきり表れず、過大入力によるクリッピング=歪ませたときに真空管の強みが出できます。

真空管は入力に対する応答性がよく過負荷にも強いため、歪み方の曲線が滑らかで大きく歪ませても入力をコントロールしやすいという長所があります。

「ナチュラルな歪みでタッチコントロールしやすい」というのはこの特徴から来ています。

トランジスタはある点を越えると急に歪む特性を持つことが多く、このような効果は得られません。

また、(限度はありますが)音を歪ませるほど倍音が出やすくなります。

真空管に含まれやすい倍音の成分は2倍数高調波といわれ、ハーモニー的に破綻のない自然で柔らかな響きになります。

これが「温かい、甘い音」といわれる理由です。

おすすめの真空管を使った歪みエフェクターペダル

音響機材は相互作用を受けるので、真空管アンプを使ったシステムを組んでいるならぜひ足元の歪みモノも真空管で揃えたいところです。

そこで、真空管を使った歪みペダルからおすすめのモデルを厳選してお届けします。

1.MAXON ( マクソン )/TOD9 True Tube Overdrive

名機OD-9の系譜を継承し、さらにチューブを搭載した歪みペダル。

いわゆるTS系の中高域が出た抜けのよい音が特徴ですが、ブースターでの運用が主となるOD-9と違い、メインの歪みとしても使える幅の広さが特徴です。

真空管を搭載しながらも通常のMAXON製ペダルと変わらないコンパクトボディも見逃せないポイント。



2.IBANEZ ( アイバニーズ )/NTS NU TUBESCREAMER

こちらもTS系、というか元祖の流れを汲むチューブペダル。

「甘い」という表現がぴったりなヌケがよくかつ耳ざわりでない音質が特徴です。

ゲインを上げてもダーティーにならない伸びやかなトーンがポイントですが、ザクザクした歪みが好きな方は物足りないかも。



3.TWO NOTES ( トゥーノーツ )/Le Crunch

厳密に分類するとフロアタイプのプリアンプですが、あまりに音がよいため選出しました。

「これぞチューブ」という歪ませてもしっかりと芯が残る太い音が特徴的。

シングル、ハムPUどちらとも相性良好で、トランジスタアンプのセンドリターンに接続すればたいていの問題は解消します。

スタジオワークでのライン接続にもおすすめ。



4.BLACKSTAR ( ブラックスター )/HT-DISTX DX-1

ザクザクした詰まりのよい音が特徴的なディストーションペダル。

ハイゲイン特有のヌケの悪さもなく、伸びやかでパワフルな音が好きな方にはおすすめです。

兄弟機であるDUALもよいですが、コスト面とシンプルなコントロール部からこちらを選出しました。



5.Fender MTG Tube Distortion Pedal

3バンドEQをはじめとする多彩なコントロールツマミで、プリアンプ顔負けの多彩かつ細かい音作りが可能なチューブディストーション。コシが強く粘りのあるトーンと、タッチへの繊細な応答性がポイントです。

当然ですがFenderのギター(特にストラト)・アンプ共に好相性です。



まとめ

最近のモデリングアンプに見られるように、デジタル技術もかなり向上し、アナログ回路との音質の差は少なくなっています。

しかし、明確に「チューブの音を越えた」といわれるモデルはアンプ・エフェクターとも未だありません。

アンプのパフォーマンスを最大限に引き出すためにも、歪みペダルにはぜひ真空管搭載のものを使ってみてください。

大手楽器店での販売、修理業務やプロベーシストのローディー経験の後に海外向けの小売業に従事。その後ベースショップGeek IN Boxを立ち上げ、現在はGeek IN Boxの運営の他にベースマガジンなどでの執筆を多数担当。Twitter : @SAxGA

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGeek IN Boxをフォローしよう!