こんにちは、GIBの嵯峨です! 最近のワーキングミュージシャンのほとんどは5弦ベースをメインにしているといっても過言ではありませんが、その中でも“アクティブ5弦ジャズベース”は断トツで高い採用率であるように感じます。その理由は汎用性の高さや現代的な要素と古典的な要素の調和にあります。数多くのメーカーがこのタイプのベースを製作していますが、それらの中で最も名高いのは間違いなくSadowskyでしょう。
今回の記事ではStandard 5というモデルを取り上げてその特徴や細部について分析します。
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Sadowsky NYC Standard 5 3.97kg
目次
- サドウスキーの歴史
- NYCならではのチェンバードボディ
- 多様なサウンドメイクを可能にするエレクトロニクス
- 優れた反応性と鋭いサウンド
- まとめ
サドウスキーの歴史

創業者であるロジャーサドウスキーが70年代にスタートしたリペアショップがサドウスキーのはじまり。のちに製作を始めますが木工などの作業はシェクター、ワーモスなどに外注をしていました。なぜなら、彼らが最も得意とする仕事はモディファイやリペアだったからです。当時は弦やピックアップもディマジオ、セイモアダンカンなどの一流メーカーに特注していたものを採用していましたが、現在ではほとんどがオリジナルのハードウェアです。
日本との親和性も高く、ビルダーである菊地嘉幸氏監修の元展開されるTYO、メトロラインなどの日本製のラインナップも高く評価されています。

元がリペアショップだったというだけあって、トラブルの起きやすいネック周りは独自のデザインを持ちます。その大きなポイントの1つが指板のデザイン。おおざっぱに言うと、サドウスキーの指板はハイフレットになるにつれて低くなっていきます。つまり、ハイフレットほど弦高が高くなってしまうということですね。弦高のみで考えるとデメリットを大きく感じますが、当然ながらこれには理由があります。それは所謂“ハイ起き”への対応のためです。ハイ起きとは、12フレット以降のポジションがネック全体で見たときに弦に近づいてしまう歪みのことで、これが起こるとハイポジションで弦のビリツキが起きてしまいます。この現象は大小の差こそあれど、ほとんどのベースに起こってしまうもので、しかもトラスロッドによる調整ができません。この将来的なハイ起きを大きな問題にしないために、サドウスキーは予めハイポジションを低めにデザインしています。リペアショップらしい合理的なデザインだと思います。
NYCならではのチェンバードボディ

チェンバードボディとはボディ内部をくり抜いた構造を持つデザインで、ボディを大幅に軽量化ができるメリットがあります。この構造は古くはテレキャスターシンラインに用いられ、近年のギブソンレスポールにも採用されています。サドウスキーではNYCのレギュラーモデルにはチェンバードボディを使用しており、これによりNYCベースの重量は3kg後半から4kg前半に収まります。また、軽量なボディは鳴りやすく、軽いタッチでも簡単に発音できるようになります。
軽量であること、軽いタッチでも簡単に発音ができること、これらは長い時間演奏を行わなければならないワーキングミュージシャンにとっては大きなメリットであるといえます。
多様なサウンドメイクを可能にするエレクトロニクス

コントロールはマスターボリューム、バランサー、トレブル、ベース、プリアンプバイパススイッチ、と現在ではポピュラーなスタイルですが、本機は80年代の製造です。この段階で既にこのスタイルを確立していたわけですね。
現在ではポピュラーなコントロールであるバランサーコントロールにおいて、サドウスキーはパイオニアとして知られています。ちなみに一般的なバランサーコントロールとは方向が逆です(一般的に絞る方向でリアにバランスが振られますがサドウスキーはフロントに振られます)。
トレブルとベースの2バンドイコライザーはどちらもブーストオンリーの動作です。これは「良質なサウンドをカットする必要などない」という漢気溢れる志向によるもの。アンサンブルの中でベースとして音が出てきてほしい点が的確にブーストされるサドウスキープリアンプは、プロベーシストから高い評価を受けています。プリアンプをバイパスしてパッシブでサウンドを出力することも可能ですが、基本的にサドウスキーはアクティブのスタイルをメインにしており、パッシブモードはあくまでも電池切れのときのためのものであると位置付けられています。
優れた反応性を持つ鋭いサウンド

サドウスキーサウンドの大きな特徴として、良好なレスポンス、鋭いサウンド、立ち上がる速さが挙げられます。フェンダーに比べると腰高でコンプレス感があり、クリアでタイトです。
ソリッドボディのモデルに比べるとアタックの弱さ、ダイナミックレンジの狭さがデメリットとして挙げられます。しかし、これは裏を返すと立ち上がりの速さや軽いタッチで簡単に発音できるというメリットでもあり、一概にデメリットと呼べるものではありません。
ともあれ、実際に弾いてみるのが一番なので、ぜひお店に遊びに来てください。
まとめ
5弦のアクティブジャズベースというカテゴリにおいて、右に出るものがいないほどに圧倒的な存在感を持つサドウスキー。本機はその魅力をあますところなく詰め込まれた、紛れもないAクラスの1本です。これだけスタンダードになっているモデルなので、ワーキングミュージシャンはもちろん、そうではないバンドマンはもちろん初心者の方にもぜひ1度お試しいただきたいです。
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