<レビュー>レコーディングでオススメのモニターヘッドホン SONY MDR-900ST / AKG K240 STUDIO

レコーディングを行う際、モニターに使うヘッドホンはプレイに大きく影響します。また、ミックスマスタリングではアンサンブルの中でのベースの混ざり具合や、楽曲全体の音像を正確に把握する必要があります。そのため音楽鑑賞用のリスニングヘッドホンではなく、フラットにモニター出来るモニターヘッドホンが必要不可欠!ということで今回は定番モニターヘッドホン2機種をご紹介します。

Contents

目次

  • SONY MDR-900ST

    • 仕様
    • 使用感
      • 密閉性、耐久性の高さ
      • 解像度が物凄く高く、クリアな音質
    • 懸念点
  • AKG K240 studio

    • 仕様
    • 使用感
      • スピーカーで聴いているような感触
      • 落ち着いた音色
    • 懸念点
  • まとめ

SONY MDR-900ST

○仕様

  • 形式:ダイナミック・密閉型
  • 周波数帯域:5~30,000Hz
  • インピーダンス:63Ω
  • 感度:106dB
  • 最大入力:1000mW
  • 重量:200g
  • ケーブル:2.5m ストレートケーブル
  • プラグ:6.3mm標準ステレオプラグ

※iPhoneなどの音楽媒体に接続するには、別途ステレオミニの変換プラグが必要。

参考価格:\13,750(税抜)

○使用感

密閉性、耐久性の高さ

演奏中に外れる心配がなく、ヘッドホン内で鳴っているクリックが音漏れすることもありません。また大音量になりがちなレコーディング時のモニターで長時間、長期間使っていても全くトラブルがなく安心して使えます。 

解像度が高く、クリアな音質

楽器パートをソロで聴くと丸裸になったように低域から高域の隅々まで、はっきりと音像を確認できます。音の輪郭を忠実に捉え、パンで左右に振った楽器の配置が的確に捉えられます。高域が煌びやかな印象で、ベースのピッキングやバスドラムのビーター成分など、低音パートのアタックがしっかり聴き取れます。

そのためリズム隊のレコーディングではフレーズワークが把握しやすいです。普通のヘッドホンでは聴き取りにくいノイズ、過大入力した際に発生するクリップも逃さず聴こえるので、トラックの下処理や分析にはもってこい。緻密な作業を必要とするミックス・マスタリングでも重宝することは間違いありません。

○懸念点

このヘッドホンに限らず、密閉性の高いヘッドホンを長時間装着していると疲れます。また耳からヘッドホンのドライバーの距離が近いので、空間系エフェクトをトラックに掛けた際、微妙な距離感が少し掴みにくいです。ヘッドホンでは丁度いいのに、スピーカーで聴いてみるとリバーブが意外に薄いと感じることがあります。密閉型ヘッドホン全般に言えますが、空間、奥行きの確認にはモニタースピーカーの方が優位と言えます。

購入時は高域に少し尖った印象があり、エイジング(慣らし)が必要です。

AKG K240 studio

○仕様

  • 形式:ダイナミック・セミオープン型
  • 周波数帯域:15~25,000Hz
  • インピーダンス:55Ω
  • 感度:91dB
  • 最大入力:200mW
  • 重量:240g
  • ケーブル:3.0m、ストレートケーブル(着脱式)
  • プラグ:3.5㎜ステレオミニプラグ

※6.3mm標準ステレオ変換プラグ付属

参考価格:\6,580(税抜)

○使用感

スピーカーで聴いているような感触

ヘッドホンのドライバーから耳元まで適度な距離が確保されています。空気を通して音を聴くことにより立体感が感じられ、空間系エフェクトのかかり具合がよく分かります。このヘッドホンを外した直後、モニタースピーカーで聴くとほとんど差異を感じませんでした。モニタースピーカーの感触をヘッドホンで味わえるのが最大の魅力ではないでしょうか?マンションなどスピーカーを大音量で鳴らせない環境下にピッタリなヘッドホンです。

落ち着いた音色

出力は少し低め、周波数帯域もMDR-900STほどは広くありませんが、劣っているという意味ではありません。解像度が高くありつつも、余計な帯域は出力しないという感じ。それゆえ音色はピュアという言葉が一番当てはまります。

落ち着きがあり、高域は滑らかな印象です。音が自然に聴こえる質感のため、ミックス・マスタリングで音のまとまり具合を確かめるのに向いています。ヘッドバンド部分が自動で可動する「セルフアジャスト機構」を採用。着け心地の良さも相まって、長時間聴いていても疲れないので、音楽鑑賞用としても支持されています。

○懸念点

セミオープン型のため、多少音漏れします。コンデンサーマイクで楽器を収録する際に、ヘッドホンからの音漏れを拾ってしまう恐れがあるため注意が必要です。

○まとめ

以上ですが、いかがでしょうか?同じモニター環境でメンバーやエンジニアと意見を交わすことも、レコーディングでは大事です。モニターヘッドホンで迷っているなら音質が良く、機能性にも優れているこの定番2機種を迷わずオススメします。

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